片割れの宝③
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「蓮矢」
居間でボケッとしている蓮矢に誠が声をかけた。
「おい?蓮矢?」
力ない目で蓮矢は振り返った。
「あぁ、誠か」
「大丈夫か?」
誠は蓮矢と目線を合わせた。
「ごめん。俺邪魔だよな」
蓮矢は立ち上がった。
誠は蓮矢の腕を掴んだ。
バシッ
誠は蓮矢にびんたをした。
「目を覚ませ!」
蓮矢は何も言わない。
「ごめん」
「しっかりしろ!」
ひょこっと愛漸が現れた。
「誠ちゃんそれじゃだめね♡」
そう言って蓮矢の胸倉を掴んで、振り回した。
「ちょっ愛漸さん!やりすぎやりすぎ」
慌てて誠が止めに入る。
愛漸は止めて蓮矢を座らせる。
「レンちゃん、翡呂は貴方を責めたかったわけじゃない。」
「貴方にキレて、自分にもキレて、そして愛にもキレた。レンちゃんだけのせいじゃないの♡」
「でも、俺が、あの時」
「あの時、突き放したから。ボロカス言ったから」
蓮矢の口が震えている。
ーだからお前ともこれっきりにしようと思う
「その癖に、助けを求めたから」
ー助けてくれね
「俺が身勝手だから、あいつの努力を毎回無駄にするから」
「後悔してんじゃないわよ♡」
愛漸が、蓮矢の頭を掴んで目線を合わせた。
「時間は帰って来ないのわかるでしょ。だから、今からなの」
愛漸が怒ったような、応援しているような口調で言う。
「下を向いてもいい。嘆いても叫んでもいい。進みなさい。それが生きることなの」
「、、、」
蓮矢は動けずにいる。
「れんy」
「誠ちゃん♡夕飯の支度しましょ」
「愛漸さん、、」
誠を立たせて、愛漸は連れていく。
「心配なのはわかる。だけど、レンちゃんにも向き合う時間が必要なの」
「でも、翡呂が言ったことが本当なら」
ーまたとんでもないことおこるで
(翡呂は寂しがりになりやすいのは、異様に人を見て奥底を探る癖があるからだ)
翡呂は、小さな違いも気づくし、違和感があったらさりげなく気づかいをしている。
「誠ちゃんにも言ったのね♡そうなると、本気で心配してるのね」
(翡呂は情報管理能力も高い、必要最低限の人にしか情報を渡さないけど、誠ちゃんにもとなると)
翠を隔離するのはありだが、言うことを聞かないのは目に見えている。
「翡呂はどうするつもりなのかしら、、、」
頬に手を当てて愛漸はため息をつく。
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
蓮矢は一人だけ取り残されていた。
「蓮矢様!僕、手紙の返信書いたよ!」
阿響斗が来た。
「おぉそうか?」
「蓮矢様元気ない?」
阿響斗が不安そうな顔をする。
「大丈夫。元気だよ。」
そう言って蓮矢は笑う。
「届けといてね。しっかりと」
「あぁ!」
蓮矢は手紙を受け取った。
そう言って阿響斗は居間を後にする。
「あっ阿響斗はん!」
居間を出てすぐ、翡呂が現れた。
「どうしたの?」
「愛漸はん見ーへんかった?」
「あー見てないから、わかんない」
「そうかぁ?どこ行ったんやろなぁ」
翡呂は頭を掻いて廊下を歩いてった。
阿響斗も歩いて部屋のある方へ歩いていった。
ふと足を止め翡呂は振り返った。
(阿響斗、、?)
☆ ☆ ☆ ☆ ☆
「愛漸はーん!」
台所で誠と一緒に餃子を作っていた愛漸に顔を出した。
「おぉ、餃子ええな。俺の分もつくってや!」
基本的に全員食事は、各々の部屋で食べているが、時間が合えばみんなで食べたりもしている。
愛漸は基本的に家で食事をしている。
「わかったわ♡」
そう言ってにこりと笑った。
「やりぃ」
「おい?邪魔するなよ」
そう言って後ろを振り返る。
「包んでるってことはなんもできひんな!」
「わっおい」
翡呂は誠にちょっかいを出し始めた。
「はいはい。いちゃつくのは後にしなさい」
「へーい」
「言い方何とかしてよ」
誠があきれながら言う。
翡呂も餃子の手伝いをしだした。
「なぁ、霊っておるんかな」
ふと、翡呂がそう口にした。
「なんでよ」
「俺、霊感ないはずなんよ。でも、北緯はん人間ではないやん?」
「あぁ、そういえばよく受け入れられたわね」
霧は基本的に情報収集に回っているため、ほぼ顔を合わせないし、霊体で生活しているので知っているかも怪しいレベルだった。
「まぁ、何度か小さいころ見てはったからええんやけど」
「それで言うと、阿響斗は霧ちゃんの息子よ?」
「「、、、まじ?」」
翡呂と誠は情報は基本的に一歩遅れている。
「その二人って面識あるの?」
「最近、霧ちゃんがよく顔を出しているからもうあるんじゃないかしら」
「仲良さそうなイメージないけどなぁ」
「霧ちゃんが不器用な親だからね♡」
愛漸がニヤケている。
「そうそう。それでいうと、霧ちゃん最近、阿響斗ちゃんに手紙書いたんだって」
「へぇーええやん」
「仲直りすると良いわねぇ♡」
「それはそうやな」
翡呂がうなずく。
「誠はんにもお手紙書いてやろか?毎日ラブレターおくるで?」
「勘弁してくれ」
「そんなこと言わないでや~」
「あらあら、結婚式にはよんでよ?」
「ウエディングドレスの誠はん楽しみやわぁ」
「あら♡ウエディングドレスは翡呂でしょ?」
「うわっやだな」
「ひどいわぁ」




