【おまけ】愛漸の楽しいお酒の日
「愛漸」
「何?狼ちゃん」
「最近やけに楽しそうだな」
「そうでしょ♡」
「ついに結婚か?」
「そんなとこね♡」
愛漸が最近嬉しそうにしている姿を見て、嬉しそうに狼雅が笑った。
「守るべきものができるのはいいことだろ?」
「もちろんよ♡」
愛漸がトレーニングをしながら狼雅を見る。
「なぁ少し、酒でも飲まないか?」
「なに?愛を誘ってるの?姉様に言えない悩みかしら♡」
「真理にも言えないことだな」
真理とは狼雅の妻、蓮矢の母だ。
「愛、お酒酔いやすいから襲われちゃいそう♡」
「悪いな。俺はこれでも一途なんだ」
「知ってるわよ♡そうゆうとこ好きよ♡」
「そういう軽口は誌乃だけにしておけ」
「あら?愛の好きな人知ってたの?」
「まぁな」
二人で縁側に座って酒を日本酒を飲み始めた。
「久々ね。二人で飲むの。昼から飲むなんて罪悪感あるわ♡」
「愛漸はいつまでそのキャラで行くんだ」
「フフッ死ぬまでかしら♡」
誌乃の後姿を思い浮かべる。
「この姿見て、もっかい笑ってほしい人が居たり、なんてしんみりしちゃうわ♡」
「全くだ。珍しく自分のこと話すんだな」
愛漸は酒をぐびっと飲んでどんっと縁側に置いた。
「ほんとにあんたんとこのホストは!常識ってもんがないわ!」
「急に、どうしたんだよ」
狼雅が笑った。
「誌穂の写真みせたら”熟女好きなんですか”ってぶん殴ってやったわ!!!」
「それはすまなかった。殺さないでくれて助かる。」
「やっぱり。御嶽家はいいわねぇ。容姿のいじりとかもなくて中身を見てくれる」
少し酔って顔が赤くなった愛漸が空を見る。
「狼ちゃん。ありがとね。愛たちを拾ってくれて」
高校を卒業前に穂乃が死に、誌穂が消えて絶望の淵にいた。
だけど、狼雅に拾われた。
「俺もお前らがいてくれて助かってた。誌乃にも感謝を伝えといてくれ。」
「承ったわ♡」
「さて、俺の話も聞いてくれよ」
「ぜひ聞かせてもらうわ♡」
「そうだな。俺も家族の話をしようか」
「それは気になるわね」
「これまでの話。あと、これからの話」
狼雅は真剣な顔で愛漸を見た。
昼下がりの高い空の下。時間など忘れて話をしていた。
「帰ったわよー♡」
「おかえり。愛漸」
「ただいま!」
誌穂が来て嬉しそうに笑った。
「あら?酔ってるの?」
「狼雅様にのみに付き合ってたの♡」
「そう。じゃあ軽く食べれるようなもの用意するわね」
「ありがとう。誌穂」
ゆったりと誌穂は動いて台所へ向かう。
「だめだわ。今日口が軽くなっちゃいそう」
愛漸がソファーに横になりながらつぶやいた。
「それは珍しいわね。」
誌穂は台所からひょこっと顔を出した。
「どう?私と飲みなおす?」
そう愛漸を誘ってみた。
「あら♡素敵なお誘いね♡ぜひ!」
愛漸は嬉しそうに笑った。
(ひさしぶりだな)
そう思いながらワクワクしていた。
「はい。お酒とおつまみ」
「ありがとう」
ソファーで隣り合って座った。
「狼雅様と何話してたの?」
「そうねぇ。昔の話とかかしら」
「それは良いわねぇ」
そう言って誌穂は枝豆を口に入れた。
「ねぇ、ずっと気になってたこと聞くわね?」
「あら?改まってどうしたの♡」
「愛漸はいつから私が誌穂って気づいたの?」
それを聞かれ愛漸は机に肘をかけて考える。
* * * * *
愛漸は狼雅に拾われてからも、ずっと誌穂を探していた。
藁にもすがる思いで路地裏に行った。
深くフードをかぶって人に気づかれにくくしていた。
「そこのお兄さん」
占い師のような姿をした人に声をかけられた。
「すみません。俺いそいで、、、」
そう言ってちらっと占い師を見て固まった。
(誌穂、、、?)
30代ぐらいの女性だった。だけど、それは確実に誌穂だという確信があった。
「教えてあげようか?」
「何を?」
「ここからは有料よ?なんでも教えてあげる」
「貴方はなんでここに?」
「私はね、人を救済する」
「どうやって」
「私は霊と契約したの。だから、それが可能なの。」
「そう。」
「信じられない?」
「やってみてよ」
(誌穂になら何をされても許せる。もし、殺されても)
そう思った。
「できたわよ?」
そう言われて誌穂を見る。そこから糸が自分につながっていた。
愛漸は嬉しかったが顔それを顔に出さないようにした。
そこで愛漸は初めてフードを取った。
「、、、!?」
誌穂は少し動揺したような素振りを見せたが誤魔化した。
「貴方名前は?」
「星谷 愛漸。貴方は?」
「、、、織田 誌乃よ」
* * * * *
そんなことを思い出しながら少しだけ愛漸は笑った。
「秘密♡」
「口軽くないじゃない」
誌穂は咎めるように言って穏やかに笑う。
「それにしても誌穂ほんとに、能力あるのに話術下手すぎてびっくりしたわよ」
「そんなに?」
「壺売られるのかと思ったわ」
「えーうそぉ」
「自覚なかったことが驚きよ」
誌穂はそれを初めて知ったのかうなだれた。
愛漸が狼雅に紹介してやっと能力範囲を広げられていたが、もうそれも必要なさそうだ。
「レンちゃんの時はどうしてああいったの?」
「みてたの!?蓮矢くんはねぇ。まぁ、狼雅様のご子息だし、いじめたくなっちゃった」
「わかるわ」
その意見には愛漸も激しく同意してしまった。
「あの子は強くなるわ。」
「そうね」
(こんななんでもない時間が一生続けばいいのに、なんてね)




