表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空(スカイ)へ~夜明けに気付いたドラゴン達は空へ飛び立つ。(気付かない内に運命急上昇中その6)  作者: 龍冶


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/38

第33話

 

 スカイはすかしの身の上と言うか正体をレンから聞き、すっかり参ってしまった。どうすれば良いのか、さっぱり分からないのだが。レンがけろっと、話した後は何も気にせず、寝転がり、時々眠ったりで、ほぼ日常的になった。

 ベッドを追い出されたスカイは、自分にあてがわれていた、ミーラさん宅の部屋に居るしかないのだが。何せ、すかしと同室であり、すかしに異変を感じられないように、本を借りて読む。本っ子ちゃんお勧めの、魔の国の歴代の魔法使いの思いついた究極の呪文の数々、誰がまとめたのか、用途別にまとめて、素人から上級者向けまでパワーに応じて載っている。使えるヘキジョウっ子の本っ子ちゃんのスカイに向けた、これも究極の思いやりの本である。スカイはまだ気づいていないが。蔵書が置いてある館の図書室に行くと、本っ子ちゃんに、何か集中できる本が読みたいと言って探してもらった。

 実の所、本っ子ちゃんはテレパシー能力がある。黙っているが他の皆も、察してはいた。そう言う訳で、現在スカイに一番必要な本を貸し出してくれた。スカイ本人はまだ気づいてはいない。しかし今現在、すかしに感付かれまいと、その蔵書に載っている呪文、易しいのから上級者向けまで必死に覚える事態となった。何故なら、すかしも興味があって、横からのぞき見し出したのだ。

 スカイはすかしに、側にいる事を拒めない。話しかけると、つい、思ってしまうだろう。例のすかしの身の上を。すかしはややこしい事は理解できないが、最近はスカイの思っている事はきっとわかっていると、スカイは感じていた。

 スカイは必死で暗記しようとする。

「えーと、グジュグズリー、ジグジュグリー……」

「ジグジュズリーとちがうか」

 すかしに訂正された。

「う、う、うー」

 泣きたくなるが我慢だ。きっと泣けば、爆発的にきっと考えが浮かぶ気がするスカイ。頭を振ってまた集中する。すると、

「スカイ頑張るねー。俺、スカイがこんなに勉強が好きって知らなかったな。セピアの学校に行った方が良いんだろうな。あの奴らが自分たちの世界に戻ったら、きっとスカイはセピアの学校に行って、世界の呪文の学者になるんだ。きっとね。そんな時、俺はどうするのかな。もし戦いが終わったら、僕は何をするのかな」

 スカイは、すかしが意味深な事を言い出したと分かった。頭は呪文でいっぱいにしておいたが。自分で思うのも何だけれど、すかしは自分で『器用な奴だ』と思えた。

 すかしは、

「誰が器用な奴なの」

 その言葉を聞いて、スカイは頭は呪文でいっぱいにしながら、『すかしは、勘付いていて、スカイを問い詰め始めた』と感じた。追い詰められた自分は、『ここを切り抜けられるだろうか』

「スカイはきっとこの呪文、覚えてしまうんだろうな。きっとね」

 すかしの見当違いな保証を聞きながら、スカイはもうどうにでもなれっと思った。

 くるっとすかしの方を向くと、スカイの目の前にすかしの顔がある。スカイは観念した。

「モー、黙ってられない」

「牛さんが、どうした?」

「ウッウッ牛さんの話じゃないだろ。蛇さんの話だ。お前は蛇さんじゃないんだろ。きっとお前のパパか、ママに『逃げる時はここの世界の生き物に化けろ』とか言われたな。これは俺の推理だがな」

「スカイ、推理も出来るんだな。うん、僕のパパは昔、あそこの奴らの王で、反対勢力に、王のパパと王妃のママは殺されたんだ。俺が逃げ回っている時にね」

「知っていたのかー、ガックリ」

「どうしたの」

「記憶喪失なのかと思っていた。すかし、自分の事、話さなかったじゃないか」

「だけど、こっちの皆の敵の王子なのに、正体は隠すだろ普通」

「あそこの奴らは反対勢力と違うのか」

「いーや、反対勢力に支配されているけれど、下々の人は、王の勢力内の人だった。昔はね。今は知らない。気が変わったかもしれないし、反対勢力についているんなら、敵だしね。この前攫われて行った時、黙っていたのは、どっち側の奴らか分からなかったからだよ。あ、黙っていたからね。スカイに黙っているの僕、困ったけど、知らない方が良い気がしたんだ。スカイが、僕が王子と分かっても嫌わない事は分かっていた。今さら言っても信じてくれるか分からないけどね」

「信じられるよ、それくらい。あの時、ケーキ食わせた後だっただろ、お前って、食い物の恩は忘れないと感じたんだ」

「スカイは僕の事よく分かっているね。とにかく、僕の正体は内緒だからね。今までどうり、使い魔の蛇さんでお願いします。多分僕はあそこでは生きて行かれないんだ」

「それならそれで俺は構わないけど、今、すかし、上品になっていたな。気を付けろよ。使い魔に上品な奴は居ないんだ。正体を自分から、さらさないようにしないとね。これからもずっと俺らと一緒に暮らすんだろ」

 スカイの言葉に、すかしはにっこりした。

 安心したスカイは、気を取り直してまた呪文の本を開くと、随分と有意義な事が書きしるしてある。

「すかし、この昔の本、すごく有意義な事が書いてあるね。よく考えたら、本気で覚えておくべきだな」

「……今までは本気で覚えて居なんかったんだ」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ