第31話
スカイはレンさんに連れられて、この世界に戻る事が出来、その後レンさんの部屋に連れて来られた挙句、すっかり寛げて、レンさんのベッドを占領して爆睡中だ。ベッドの主、レンさんはおかげで横になる事は出来ない。
セブン達はセピア公国のカーピン公爵邸へ行って、スカイが無事に連れ戻せて、今は獣人国の元女王、ミーラの館に居ると報告しに行った。ついでといっては不味そうだが、レンさんがベッドに横になれなくて暇そうなので、カーピンの所へ連れて行く事にした。表向きはそうだが、つまりレンにはそう言って連れて行っている。だが、実はこれはヤーモがキャシーにコンタクトされて、どうやらレンを報告に行かせた方が良いと言われた為だ。ヤーモは、レン本人にはベッドで眠れないなら、セブン達と一緒にセピアへ行ってカーピンにもてなされてはと、言っておく。意外とレンはその話に乗った。ヤーモは『どうせ、事実は承知のレンだ』と思う。
眠っているスカイのお守は、ヤーモの他には、キャシーとベルメリだ。
「皆に心配かけさせちゃったねー。スカイは。もう大丈夫なのかしらん。寝てばかりね」
ベルメリは、スカイのヘアスタイルが、いつもの決め髪ではなく、ぼさぼさの髪なのに、目聡く気付き、『ヘアスタイルに構っちゃいられなくなったわねー』等言って、髪をなでつけると。少し目が覚めかかったのだが、寝返りを打っただけだった。
ベルメリは感付いた。
「あ、スカイは違う世界の、ヤモさんとセーンさんを見ていたわね。いいな。あたしも見たかったねー、次はきっと行くわ、あたし」
ヤーモはその件に興味を持って、
「それほんと?ちぇっ、俺もついて行けば良かったな。二人に聞いてみたい事が有ったんだった」
キャシーはそんな事を言いだしたヤーモに、言っておこうと思う、
「ヤーモさん、レンさんが言っていたでしょ、あっちの世界って言うのは、パラレルワールドと言って、こっちの世界とは違うんだから。別人だから、何の事やらって思われるのよ。だから変な事話しだしたら、狂った人専用の病院って言うのがあって、そこに入れられて、こっちに戻れなくなるそうよ。なんか変な薬を注射されるって」
「チュウシャ?」
「チクリと刺されて、変な薬を体に入れられて、瞬間移動できなくなるそうよ。そんな風になって戻ってこれなくなった人もいるって話だから、そこの人に話しかけるんじゃないって事だったわよ」
「そうなのか。だが、レンはやけに詳しいじゃないか」
ベルメリも、
「レンさんって、何だかこっちに帰れなくなった人を、知って居そうじゃないの」
「あは、本人だったりしてな」
「でも、レンは居るでしょ」
「向こうの奴がこっちに来ていたりね」
「そういう、どこか変な人に、心当たりはある?」
「カーピンは変だろ」
「そうね、年寄りっぽく振舞うけれど、まだ若そうな気もする事が有るのよね」
「キャシー、それどんな時?そう思った根拠を言って」
「ベルメリったら、ヤケに拘るねー」
ヤーモがからかい気味に言うと、
「あたしはねー、カーピン、若いころはもっとアホっぽかったと思うの。それに予知能力とか前は噂も聞いてないし」
「ここで、カーピンの若い頃に会った事あるのは、ベルメリと俺だけど、キャシーは会った事ある?」
「屋敷にやって来て、ちらっと見たけど、確かに以前はいかれ感の方が強かったと思うけど。段々成長するんじゃない?」
「あのころすでに大人だったのよ。最近、伝え聞いた様子は、思慮深さ感じるのよねー」
「カーピン、向こうの奴と入れ替わったとか?」
「分からないけど、若い頃のいかれた感じと、現在の采配みたいな事する様子、同一人物だって言うのは月日が流れて成長したって事で済ませられるかしら。誰かが人はいくつになっても性根は同じと言っていたけど」
三人で熱心に話していると、煩かっただろうか。スカイが起き上がると、
「その話にこれ、関係あるか無いか知らんけど。あの、何か分からん国な、食い物が俺らが食うのとは全く違うものだったな。何処にはえているかは、変な畑に入ったけど。一種類だものな。他も全く違うものだったな全部、何処でとれたのかなー」
「奇妙な話じゃないか、セブン達は知っているのか」
「セブン達が居た所は畑じゃない。あそこは道路だった。見たのは俺とすかし」
キャシーは、
「あたしだけじゃなく、ヤーモさんやベルメリちゃんも、もしかしたら分かってしまったかもしれないけれど。皆で変な国と呼んでいるあの国、パラレルワードからやって来たんじゃないかしら。あたしの全くの推理でしかないけれど、すかしの御主人だった、砂漠の魔女さん。もしかしたら、その国の正体を勘付いて殺されたような気がするの。そうでなけりゃ、魔女が殺されるなんてこと、犯人には相当な魔力が無ければ出来ないはず」
「でも、国を作るほど大勢の人がパラレルワールド間を行き来、出来るのかな」
スカイ、
「パンパカパーン、そこで発表でーす。そのパラレルワールド間の行き来、エネルギーは。ズバリ、磁気パワーでしょう。理屈は分からんけどー」
ヤーモはため息をつき、
「分からんなら、黙っておれないのか」
「黙って居たら、他の誰かが思いつくだろ。こういう事は一番に言うのが、ロード家の家風でーす。覚えておいてねっ」
「スカイ君、利口だけど、お勉強が必要な気がする、セピアの学校に行った方が良いけど。危険かなー」
「ベルメリちゃんが日夜、見張っていたらどうかしら」
「あたくし、それほどの者じゃありませんわ、おほほ」
しかし、ヤーモは、
「今の所、スカイの護衛候補には、ベルメリさん以上の適任者は居ませんけどね」
「まさか、うむむむむ」
スカイはうなる。
「俺らってもう、そんなに儚い生き物になってしまったのか」




