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空(スカイ)へ~夜明けに気付いたドラゴン達は空へ飛び立つ。(気付かない内に運命急上昇中その6)  作者: 龍冶


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第30話

 

 スカイは失敗した事に気付いた。瞬間移動に集中できなかった。一瞬 欠伸が出そうになってしまった。

 我ながら、『今日は呑気すぎる』と思う。そして、『ここ、どこ』

 スカイは自分が浮かんでいると分かった。そして留まっている。『動けない、これは不味いんじゃないか』と思うが、動けたとしても、何処へ行けると言うのか。『どこか、知っている場所があるとも言えないしな』涙が出て来そうになるし、『泣きたい気分になったな。なこーかな』

 しかし、スカイが思った事は、泣くのはまだ早いと言う事だ。『戻れないと分かるまでは泣けないな。戻った時、さっきまで泣いていましたって風なのは、みっともない気がするし』

 少し落ち着いてきて、辺りをきょろきょろしだす、スカイ。下の方はどこかの景色が広がっている。

『何処か分からんが、明るいから昼間だな。あそこからあまり距離行って無いんじゃないかな』

 そう思って、下の方を目を凝らして様子を見ると、豆粒ほどの、おそらく人間っぽいのがうろついていた。すると意図せず下方に移動する自分の体。『あまり下がっても、不味い地区だったら捕まるしな、止まらないかな』そう思っているとそろそろと動きが遅くなり、止まったような感じになった。

『んー、はっきりした動きは出来無いな。何故だろな』

 かなり地上に近い位置まで来てしまった。『こりゃ捕まるかもしれない、ここは何処かな』少し焦るスカイ。

 ところが人はあまり、上の方を気にするものではないと分かった。『誰も上を見ないな』少し安心して、下方を観察していると、何だか奇妙な感覚がしてドキドキし出すスカイ。理由もすぐに知れた。辺りは全く知らない所なのに、見覚えのある奴を数人見つけたスカイ。

『あいつ等、セピアに居る奴じゃないか。街中で見た事のある奴らだ』他校の生徒と思うが、スカイの住んでいる街で見かけた記憶がある。ぞっとした、どうしてこんな所に居る?少しドキドキしてしまったスカイ、でもなぜ動悸を覚えたのか。そして、

『あ、あの人何だかヤーモさんに似ているな。グレーじゃないけど。人間みたいにしているけど』スカイは気付く。『服装も違うな。見た事無い格好をしている』そのヤーモさんに似ている人は、カッコよく歩きながら誰かを見てにっこりすると、手を振った。

『ヤーモさんに似た人、歩き方カッコ良すぎないか。ヘキジョウさんじゃないな。どう見ても違う。ヘキジョウさんがあんなカッコいいそぶりはしないな。あの動きは生まれてからずっと二足歩行の奴の動きだ。あの人は別人で間違いないけど。げっ』

 スカイ、どうしてげっとなったかと言うと手を振って笑った先にこれぞハンサムの極みって感じの奴が、居た。整った顔立ちに、金髪が輝いて光っている。そしてヤーモ似のハンサムが影を潜めるような輝き、ヤーモ似のハンサム、残念ながら完敗だ。

 その時、スカイは寒気がした。気付いてしまった。『あれはきっとセーンさんだ。会った事無かったけどきっとそう。そしてヤーモ似とか思ったけど、あれはヤモさんだ。誰かが言ったし、セーンさんとヤモさんはセットだって、誰かが言っていたし。じゃ、ここは天国じゃないか。俺、死んだのかも。泣こかな今から』

 するといつの間にかすぐそばから、

「泣くこたぁ無いだろ。どういう訳で泣くのか」

 ぎょっとして、本当に心から驚いたスカイ、辺りを見回すと、レンさんが居た。

『やっぱり、レンさんも来たか。ふう』

「何だ俺が来ると分かったのか、さすが我がひ孫」

「えー、誰だって察するでしょ。棺桶に片足突っ込んだ感、ありありだったし」

「何だと。あ、俺がくたばって此処に来たと思ったのか。ここが天国かと思ったって?」

「そうじゃないんですか」

 にやりと笑ったレンさんは、下を見て、

「おー、丁度セーン似とヤモ似のお出ましだったか。それで天国と思ったんだな、ふむふむ」

「セーンさんとヤモさんじゃないんですか」

「ヤモが顔色が違うだろ。違う奴らだ。ここはパラレルワールド、俺らの存在する世界と並行して存在する別の時空間の世界だ。お前が瞬間移動を失敗して、こっちに来てしまったんだよ。だが、ここの空間はお前を反発して受け入れないから、戻れる。だがぐずぐずするなよ、さっさと帰らないと、気が代わってお前を取り込もうとするかもしれんからな」

 そう言ってレンはスカイの首根っこを掴んで、まるで猫の子を連れ帰るかのようにして、良く分からない場所をぞっとするほど素早く去った。

 気が遠くなりそうだったが、もしかすると実際、気を失ったかもしれないが、スカイは気が付くと、レンさんの部屋のクローゼットのようだった。

「あれ、着いたんですか」

 思わずしゃべると、

「スカイだ、スカイが帰って来た」

 クローゼットはさっと開かれて、セブン達の大声でシャキッとなった。

「スカイだ、スカイだ」

「スカイが戻って来たぞ。すかし」

 すると後ろから、なんだか恥ずかし気にヘラリと笑うすかしが居た。スカイは思わず、

「ごめん、すかし、俺失敗しちまってさ。心配したろ。悪かったなー」

 スカイもヘラリと笑って言うと、「ふぇーん」と涙ぐむ、すかしだった。



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