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空(スカイ)へ~夜明けに気付いたドラゴン達は空へ飛び立つ。(気付かない内に運命急上昇中その6)  作者: 龍冶


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第29話

 

 セブン7人がヤーモがレンを看病している獣人国に、血相を変えて報告に来たのはスカイやすかしが消えて30分ほど経った後。かなり早めの反応と言える。

 ヤーモは、

「くそう、カーピンが居るから安心していたのに、どうしていつも後手に回るんだ。あ、カーピン認知症気味か。ショウカさんが言っていたのを本気にしていなかった。しまった」

 スカイ達は、ヤーモの結論が出たところで、

「どーする、どーする」

 と騒ぐが、

「うるさい、俺らには全く情報が無いのに、どーするとか言うな。どうしようもないと答えろってか」

 ヤーモに切れられ、皆だんまりになる。目を覚ましたレンが、

「スカイとすかしが居ないって?ほっとけヤーモ。セブン達も幾つになったと思っているんだ。何かあればヤーモの所に来て騒ぎまわる奴ら。すかしの故郷に連れて行かれたんだろ。お前の出る幕じゃないぞ、ヤーモ。気に入らなけりゃ帰ってくるさ。だからヴァンちゃんなんぞを頼るなよ。あいつ、何か面倒を起こしそうだったろうが、この前」

「分かっている、レン。グダグダ言わずに、寝ろ」

 そう、レンに言い置いて、ヤーモは屋外に出た。スカイとすかしは、すかしの故郷に連れて行かれたらしい。ヤーモの出る幕はないとは言え、カーピンの認知症気味の頭の中ではスカイ、愚か者により殺害されると言う未来を見ているのだろう。

『前にヤモは、人はいかれかかると、真実を知るって言ったのは、何時だったかな、嫌な時に嫌な事思い出しちまった』

「どうするヤーモ」

 どこまでも付いて来るセブン達に尋ねられ、ヤーモは、

「お前ら一応、スカイ達がどうしているのか探って来い。あの国の近くまで来たら、同じような奴に化けろよ。出来るかなー、無理か」

「出来る、やって見せる」

「やけに張り切っているな。今生の別れかもしれないのに」

「俺ら、何か意味のある事したかったんだ。ヤーモ行って来る。情報集めてくる、じゃーな」

 一番年上のセブン、『その一』が代表でそう言うと、瞬間移動で出発した。先日皆でスカイを探しに行って、到着した辺りだろう。

「もう巣立っていく歳頃だったな」

 ヤーモは自分がヤモから離れて行った頃に、こんな気持ちだったろうかと、ヤモの事を考えてしまっていた。



 一方。スカイとすかし、見た事もない作物が地平線まで続く畑に、到着してしまったため、次に移動する当てがない。

 すかし、

「これってまだ食えないのかな」

「普通常識的に、青いのは食えないと思う」

「溝が無いから、生きものっぽい奴もいないな。宴会の後に逃げればよかった」

「それは良い案とは言えない。食い物には見えなかったな。何故かな」

「きっと食った事が無い物ばかりだったからだろな。食ってみれば食えると分かったかもしれないのに」

「俺は、げろ吐くか、下るかだと思う。すかしはどうだろな」

「蛇で食えば、何とかなったな」

 スカイは考えた、

「あいつ等、蛇に変われそうも無かった。お前の仲間じゃないんじゃないかな」

「どうしてそれが分かった?」

「何となく」

「根拠はないんだな、もしかしたら変われるかもしれないって所だよな」

「……とにかく、ここには居られない」

「食い物が無いし」

 どこに次は行くべきかと、2人で辺りを探っていると、気のせいか気になる風情の奴が数人いる場所があった。

「あいつら、気になるな」

 スカイは思わず呟く。

「何処に居る」

 すかしが聞くので、スカイは方向を指さす。

「おい、スカイ。あれって、あいつ等じゃないか」

「おー当たり」

 慌ててセブン達の居る場所に、瞬間移動したスカイとすかし、どうやらすかしは空き腹がこたえて、上手く移動できなかったらしく、着地に失敗した。これを失敗と呼べるのなら、である。

「わ、わ、わー、何しやがる」

 そこには一匹の大蛇があらわれ、正にセブンその三の頭から丸呑みしようとしているのだが、他の6人で慌てて、大蛇の口からその三を抜き去り、

「しっかりしろ血迷ったかすかし。俺らって分かって来たんだろうが。ところでスカイは?」

 すかしは、その一言で人型に戻り、慌てて辺りを見回す。

「スカイー、スカイは?居ない……」

 顔色は真っ青のすかし、

「一緒に瞬間移動したのに、スカイが居ないよ」

「何だって、一緒に来たのに?手を繋いで居なくなるか?」

 セブン(正にセブン)、叫ぶ。

「手、繋いでなかった。今までも、俺ら繋いで瞬間移動した事無かった」

「なんだってー」

 一斉に叫ぶ七人。

「スカイ、どこ行った」

 呟くように言うすかし。途方に暮れる。

 セブンは、

「瞬間移動に失敗したんじゃないか。ヤーモに報告だ」

 すかしとセブン達は、ヤーモに相談しなくてはと結論が出て、直ぐにヤーモの所へ戻った。

 またもレンの睡眠中であったが、構ってはいられない。スカイ達は、

「ヤーモ、大変だ。スカイが瞬間移動の途中で居なくなった」

 ヤーモは目玉をぐるっと回し、

「瞬間移動に失敗したって?くそう、どこへいってしまったんだろう」

 すると、今まで睡眠中の筈だったレンが、不機嫌そうに眼を開けると、

「仕方ない、暇な俺が行って来ようか」

 セブンは不思議に思い聞いてみる、 

「レンさんは何処へ行くって?」

「スカイを探しに行って来る」

 ヤーモも驚いて、

「あてがあるんですか」

「無い。だから俺が行くんだ。暇だからな。時空間はここいらから行くのには時間はかからないが、空間の位置によっては時間の速度が違う所があるからな。俺が行くのがちょうど良いんだ。おや、お前ら忘れているようだが、スカイは俺のひ孫じゃないか。俺しか責任をとれる奴は居ないだろう。これがあるから、生きながらえていた気がするな、やれやれだ」

 そう言って消えて行ったレン。すかしは、

「責任なら俺がとるべきだった気がするけど、瞬間移動では手を繋ぐって知らなかったな」

 セブンは、『蛇には手が無いし、気にするな』と伝えた。



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