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空(スカイ)へ~夜明けに気付いたドラゴン達は空へ飛び立つ。(気付かない内に運命急上昇中その6)  作者: 龍冶


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第28話


 こちら、スカイとすかしが攫われた後のセピア公国カーピン公爵邸。

 セブン達7人は呑気に昼食を食べに集まりだしたダイニングルームでは、ショウカが血相を変えて走ってやって来た。

「わ、ショウカさんどうしたの」

 セブン達は信じられないようなショウカの狼狽ぶりに、大変な事態だと分かったのだが、何事かはまだ理解できては居ない。


十数分前の事、ショウカはカーピン公爵担当の事務官の部屋に行って経費の計算などをしていたのだが、そこへ大慌てのカーピンがやって来た。これは非常に稀な様子と言える。カーピンは予知能力がある為驚く事は有り得なかった。だが今日は、有り得ない事が起こる日だった。

「スカイとすかしが何者かに攫われる、あと数秒、これでは瞬間移動で助けに行ったとて、間に合わぬわ。おのれ、何奴っ」

「ひっ」

 ショウカは悲鳴をあげそうになって必死で冷静さを装う。

「ショウカは予知能力が無いにしては、冷静になるのが早いようじゃ。他にも候補はおる中で魔女の長にと、推薦されておるな。だが、実力の程があっての事ぞ。スカイを取り戻せ。何処の誰の仕業か突き止めろ。スカイとすかしの気配が今消えた。生きておるのか死んでおるのか、分かっておろうな魔女の長候補よ」

「分かってはおりませぬが、推理いたしますと、スカイはそうそう、殺されるような事態になる輩ではございませんし、スカイを殺そうと目論む者が存在するとは思えません。殺害はスカイの能力を奪ってからの事でしょう。そんな事態は今の所あり得ませんし」

「それが何故言い切れる」

「スカイの能力はまだ覚醒しておりません。わずかな癒しパワーと少々の磁気パワーが表れているだけです。超能力者を手に入れておいて、覚醒前に殺害するような愚か者は、始めから、スカイを攫う事など出来はしませんよ」

「ショウカ、愚か者のすることは、賢い者には計り知れぬぞ。言い切れるものか、お前の理屈など。せいぜい急いで探すんだな。そうでなければ、臍を噛むような結果になろうな」

「な、何ですと、スカイが覚醒前に殺される可能性が有るとおっしゃっているのですか」

「そうなるやもしれぬ。愚か者のやり方など予想は不可能」

「きゃーっ」

 ショウカ叫びながら、セブンや騎士の昼食時と思い騎士の食堂へ走った。セブン達はきっとスカイの気配が無くなった事は感付くと考えた。

 その数分後、ショウカが走ってやって来る後方では、騎士さん達が大慌てで、どこかへ移動しているし、セブン達は何事かと、不安になる。

 ショウカはセブン達の側に到着すると叫んだ。驚くセブン達。叫ばなくても聞こえるのだが、と思える。ショウカは立腹のご様子、

「あんたら分からないの。スカイとすかしが、消えた。気配が無いでしょ。気付かないの?あんたたちは」

「えーっ」

 ショウカに言われ、スカイの気配を探してみるセブン達、すっかり気にせず過ごしてしまっていた。

「居ない、何処にも居ないよ」

 やっと7人揃って騒ぎ出した。

「カーピンがあたしにしらせにきたの。誰か分からないけど、連れ去ったって。カーピンの予想では例の国は隣の国が攻めてきて、滅ぼされてしまっていて、そのよく分からない国の仕業と思えるってのよね。急がないと殺される可能性が有るって言うのよ」

「何だって、ヤーモさんの所に行って相談しようぜ。行くぞ皆」

 セブン達は一応、何か事が起これば、討てば響くような反応をしてはくれるのだが、知らせは急がないと普段は呑気なのだ。

 皆が瞬間移動で行ってしまった後、ショウカはベルメリ達旧知の友人の所へ行く事にした。ショックで堪らなくなって来た。

『べルメリやキャシーにこのピンチを知らせたい。それとも、もう察しているだろうか』


 

 一方、当のスカイとすかし、城の塔の様な造りの部屋に入れられており、窓から下を見ながら、スカイは、

「なあ、すかし。この待遇ってのは、俺ら捕まっている感、アリアリと違うか」

「そうだな、俺らが瞬間移動出来るの知らないみたいだな」

「そう思うけど、まだ試していないけど、瞬間移動阻止の魔法かかっているかも。その時は泣いて過ごすしかないな」

「どうして試さないんだ」

「試すときは逃げる時だな、本番でないと、やりそこなって捕まったらまずい。もしかすると、瞬間移動を阻止する魔法を使っているのなら、ここいらの奴があんなに呑気にしているのも納得だな」

 スカイの眺めている庭園風の広場は、どうやらそこで宴会らしきものが始まるようで、テーブルに、おそらく食べ物を並べているらしく見える。

「あれって、食べ物かな」

 すかしが呟くと、

「遠くで分からないって?俺はどんなに遠くでも、だれかが手に持っているものが食い物かそうでないかは分かった」

「ほんとかー。どうして分かった」

「そいつの雰囲気ってとこかな。これは食い物だって面していた。ここからじゃあいつらの表情は見えないけれど、食い物運んでいる雰囲気じゃないんだよなー。これは今から逃げるかなー、やっぱり。すかし、瞬間移動してみよう。一応、目的地決めよう。おまえの爺さん婆さん風にしていた奴ら、何処に居るか分かるか」

「それがな、あれは泣き真似だったかもしれない」

「何時それ分かったんだ」

「さっき、何だかけらけら機嫌良さそうにしていた。金もらったみたいだったな」

「それ早く言ってよ。こういう非常事態の時は、情報はもったいぶらずに正確にって事、覚えとけよ。じゃそこには行けないな」

「おれら、目立つかなぁ。他の奴らが見たら」

「お前は大丈夫さな。ここの出だろ。そうだ、おれ、お前に似せた感じで化けよう」

「出来るのか、そんな事。今日が初めてだろう」

「最近能力が出る時は、体が熱くなるんだ……どう?」

「すご、そっくり。じゃあ。始めるか」

「壁にぶつかるといたいからなようじん。一皮かぶった。ふぁー欠伸でる」

「この方向は作物みたいなのばかり植えてあって、人は見かけないんだ」

「うん、その方向だな」

 

 瞬間移動は二人ともできた。移動先をある程度話し合っていた為、うまくやったと言えるかもしれない。

 だが、スカイは何故か欠伸ばかりだ。


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