表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
空(スカイ)へ~夜明けに気付いたドラゴン達は空へ飛び立つ。(気付かない内に運命急上昇中その6)  作者: 龍冶


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/22

第21話

 

 ヤーモさんはソールの居場所が分かっていただろうけど、ベルメリは根拠のない予想で、書庫に行ってみる。本っ子ちゃんは驚いて、

「今日は皆よく移動しているね。ベルメリちゃんはまた例の呪文教えてほしいの?キャシーにも言ったけどね」

「そうね、お願いできるかしら。あ、もう出来ているんだ。ありがとう」

「これは僕の仕事だもん。良いんだ」

「だったらソールさんの居所は知っているかしら。何時も書庫に居るのかと思ったけれど、ここには居ないのね」

「ついさっき、ヤーモさんも来たけど、居ないって言ったんだ。ソールさんは『レンに訊きたい事が有るって』言って、『最近レンは寝てばかりだけど、具合が悪いのかな』って聞くけど、何だか変だと思ったな。いつも寝てばかりだなんて言うけど、言い換えればいつもレンさんのとこに行っているってことだろ。何の用があるって言うのさ。そう思わないベルメリちゃん」

「思うよー、あたしは本っ子ちゃんの意見にぴったり合うねー、何時もレンさんのとこに居るのね、あたしも行こうと思って、ありがとう、じゃね」

「どういたしましてー、ベルメリちゃんには輪ゴムが居るんじゃないかな」

「いるのー。どうもありがとー」

 レンさんの部屋へ急いで行き、ドアを開けようとするが、開かない。ベルメリは気合が足りないんだと思い、気合を入れた言い方にする。

「ドアよー、開けろ。気合をあげるよう」

 ドアノブを必死で開けるうちに。いつのまにかドアノブの内部に輪ゴムをひっかけていて(多分)本っ子ちゃんの仕業だろうと思えるが、ドアのバネで閉まる構造の所で輪ゴムが引っかかって開ける事が出来た。中を見ると、今までの状況の記憶が真っ白になりそうな、ものすごいバトルが始まっていた。真に皆で団子状になって転がって居たり、空中に浮かんで戦って居たり妖剣を持っているのがヤーモと思っていると、そうとも言えず、スカイだったりで。おまけに以前見たユーリーン婆の天敵がセブンの誰かに巻き付いて居たり、よく見れば3~4匹居るから、こいつらは専属使い魔らしい。ベルメリは思い出した。始めて見たあの頃はソールさんのパートナー砂漠の魔法使いの使い魔の蛇さんが活躍して、気持ち悪い奴は人の相手は出来ていなかった。

 ヤーモさんは妖剣ではない普通の剣で、それでも何とか首を切り一匹目を始末した、と思ったが例のニョロ突く奴に首を絞められ始めた。

「ええっ、主人が死んだら使い魔も死ぬんじゃない訳」

 キャシーも一匹担当していて、ヤーモの首の奴を殺す余裕はない。そう言えば、キャシーはソールさんのパートナーさんはベルメリらと会ってすぐに、砂漠に戻ると、何者かに殺されたと聞いてベルメリにも報告していた。蛇さんは行方知れず。蛇の使い魔さんの活躍が懐かしいベルメリである。

 こう記述すると、ベルメリが一人昔の思い出に浸っているよう聞こえるようだが、断じてベルメリは今、蛇の存在の必要性について思っていて、レンの首にも、にょろつく虫が巻き付いたので顔が真っ赤になって来た。お手上げである。ダメもとで叫ぶ、ベルメリ。

「ヘビーくーん、使い魔蛇くーんベルメリのとこ来て助けてよー。早くー」

 ベルメリは決してあの蛇が生きていて、助けに来る等とはこれっぽっちも信じてはいなかった。ヤケで叫んでいたのだが、しかし……

 それは突然姿を現した。まるで瞬間移動して来たようだ。(瞬間移動して砂漠から助けに来たというのが事実で、正解)

 その蛇は巨大で、ヤル気があれば人ひとりぐらい飲み込んでしまいそうだった。しかし知性があり、相手はニョロつく虫でそいつをヤーモの首から剥がし、レンの首からも剥がし次々にかみ殺していた。そして、形勢不利と見た王や側近的な残り3名がドラゴンに変化しようとしても、そいつらを次々に嚙み殺した。あっという間の事である。

「すごいわ、蛇く~ん。直ぐ助けに来てくれるなんて。偉いわ、蛇く~ん。なんておりこうなのかしら~」

 蛇君(大蛇)の頭をなでながら、ベルメリは感動して思いつく限りの、べた褒めである。感極まって涙は出て来るし、ご主人の魔法使いさんは誰かに殺されたという噂も思い出すしで、『ご主人の魔法使いさんは、亡くなったんでしたわね。残念な事でした。一人で寂しく暮らしていたんでしょ。可哀そうに、でも、良く育ったこと』コンタクトしながら、以前よりかなりでかい事に気付いたベルメリ。で、良く育ったと言っておくし、頭は撫で続けておく。

 その様子をスカイやセブンは驚いて口を半開分開けて見つめている。ベルメリの事はよくわかっているレンやヤーモ及びキャシーは苦笑いだ。

 そのうち大蛇は何と、人型に変わった。そしてベルメリに甘えたようにすり寄っていて、座り込んでいたベルメリの膝枕で横になりだす。眠る気なのか。

「……、蛇ちゃん、ずいぶんと寛いでいるのねー」

 ベルメリは蛇ちゃん(君から、ちゃんに呼び方代わる)の顔を覗き込むと、目を瞑って眠っているかの様だ。お顔は意外と可愛い。(ベルメリの主観)

 ベルメリは、辺りの皆を思い出して見回し、

「わりと大きいけど、お顔は可愛い感じよ」

 と実情を伝えるのだが、キャシーは、

「ここで飼えると思う?」

「見たでしょ、この子の活躍を」

「大蛇を家で飼えると思う?」

 もう一度キャシーが意見を言う。

 しかし、ベルメリは断固意思を貫き通すつもりで、

「ニールの館だったら、入るわ」

 キャシー、辛抱強く言う。

「家に入るか、入らないかの話じゃないのよ。何を食べさせるかが問題なのよ」(それだけ?)

「えーと豚肉とか鶏肉とか沢山だけれどー」ベルメリは考えて『牛肉は高くつきそう』

「それか、自分で山で調達してもらうとか、今まで自分で何とかしていたんだし。まさか人間は丸呑みしないと思うの。この子は使い魔なんだし。人間と同じ物で良いかも。今までストレスで食べ過ぎていたのかもしれないし」

 スカイは二人をほうっておいたら話の要点がどんどんずれて行くと思い、

「でも、こいつはどうしたいのか聞いてみたら。誰かの使い魔になりたいのか、とかね。砂漠で気ままに暮らしたいかもしれないし、知らんけど。ソールさんもやられちまったし、此処に居ても知った人は居ないからな」

「でも、呼んだら来てくれたんだから、ここの誰かが面倒見るべきよ。人間だって使い魔に恩義を感じるべきだわ」

「いやいや、俺としては本人?本蛇さんの気持ちを聞いた方が良いと言っただけで、本蛇さんが俺の使い魔になるつもりだって言うんだったら、せっかくだからOKてことでー」

 スカイがしどろもどろいいだすが、ベルメリは思った。『使い魔の契約は主人が言い渡すって言う決まり、スカイは知らないんだー、今言ったよね。スカイ』

 その時セブンは、

「えー、スカイ。使い魔は俺で決まりじゃなかったの」

 と言い出す。するとスカイは、

「お前って、つくづく頼りにならないって分かったからね。遠慮したいな。それに比べたら、この本蛇さんは、砂漠からここまで瞬間移動して来たろ。しかも到着後あの虫を即殺だろ。ヴァンちゃんも真っ青な能力と違うか。雇うなら能力重視だろ。こういうご時世だし。あ、でも、もう片付いたのか……しまった」

「ぷはっ」

 ベルメリは吹き出してしまった。きっとキャシーがスカイに指摘したと思えた。『しまったとか言って。本蛇さんを前にやっちまった感、暴露しちゃったけど。本蛇さんはどうするのかな』

 本蛇さん、ぱっちりと目を開けた。

 そしてスカイを見ながら、一言、

「カーピンちは、いー物食わせてくれそうだな。それに、テーブルマナーってのも習えそうだ。お前の使い魔になってやろう。俺、利口だし強い。お前も利口だから、分かって居そうだな」

「寝ていたんじゃないんだな。寝たふりか。俺の言った事、本気にしたな。と言うか、本気だって解釈したな」

 キャシーはにっこりと言った。

「ユンお婆ちゃん、『ふざけるな』っていつも言っていたそうじゃない。でも、今のは本気だったって、ふざけて居なかったって思う。此処に居る皆もそう感じたはずよ」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ