第20話
5月に入って、投稿が一日おきになっています。推敲が手間取っています。丁寧にしているという訳ではなく、(見返して表現を変えたりしています)後で見返して良くない気がしているのです。
これで出すと決める、決断力がは欲しくなっています。投稿は不定期です。
作者の小説を読んだ事のある方はお察しでしょう。ストーリーの行方は作者にも分からない領域に入っております。先が楽しみと言えるでしょう。作者も同じ感想です。
キャシーはノスさん所有の蔵書の管理をしている、獣人王つまりミーラさんから「本っ子ちゃん」と名付けられていたキャシーの仲間であるヘキジョウさんっ子の一人に会いに行った。
『本っ子ちゃーん、キャシーよっ。大変なのよー』
驚いて本っ子ちゃんはキャシーの側にやって来て、
「どうしたのキャシー、久しぶりに会うね。コンタクトで叫ぶって不思議な技を使うんだね。あ、キャシーの所の呪文、察しているようだけど、偽物だ。本物、直ぐ用意するからね」
本っ子ちゃんは直ぐに蔵書の中から呪文を見つけ、書き写して、原語にふり仮名を付けてくれた。そして厳しい顔になって、
「誰が書き換えたのかなと言うか、誰があいつらにやられてしまったのかな。きっとあの館に居るヘキジョウさんっ子だろうな。メイドさんはチーラさんがこっちに戻って付いて来たし、後は台所のコックさん達で、部屋には用が無いからな。掃除はキャシーが魔力でゴミをどかすし。滞在する人がいたにしても、普通の人があの呪文を置いてある部屋に入る事は無い」
本っ子ちゃんの推理を聞きながら、キャシーはすっかり落ち込んでしまった。
『セキュリティ、あたしとベルメリちゃんじゃ綻びがあったのかな』
『だとしても、この体制しかないだろ。はい。本物だよ。ヤーモさんの意見はどうなの』
『きっと具合が悪いのよ、眠ったままだもの』
『……、ヤーモさん眠っているんだ。それじゃ聞こえなかったんじゃないかな。本物だろうが偽物だろうがね。でも、かえって眠っていて良かったかもしれないな。その偽の呪文で、ヤーモさんに何か悪い影響が出たかもしれない。と言うか、眠っているのはヤーモさんの本能かも知れない。身を守るためのね』
『そうなの、じゃ偽物聞かなくて良かったんだ。眠っていたから』
『うん、だけど本物聞かせるなら、おこした方が良いと思うよ。その方が効き目がある筈』
「分かった」
キャシーは走ってヤーモさんの部屋へ戻った。早く魔術を消してあげたいものだ。ヤーモの部屋に近づくとセブン達やスカイが見舞いに来ているのが分かったし、ヤーモも気が付いている。
キャシーは部屋に飛び込むように入り、
「やはりあの呪文は偽物だった。本物を唱えてさっさと魔術を消すよ」
利口なスカイは、
「へぇー、誰の仕業かな」
と首を傾げた。
「じゃ、帰りに館に寄って、替えた奴が分かったら、ぼこぼこにしよう」
スカイの宣言で、「そうしよう、そうしよう」
と賛成するセブン達。
ベルメリは、
『スカイ、何時になくはしゃいでいるわ。何だかめぼしは付いて居そう』
キャシーはスカイの滞在期間はそれほど長くはなかったのに、目星がついているとベルべりが言うので、
『あたし、何でも白黒つけるのは苦手だったからね。オセロも下手だったからベルメリちゃんに勝つ事は無かったっけ』
そんな言い訳を考えていると。ゼラニウムを頭にのっけたヤーモは自分で呪文を唱えだした。
『あ、自分で言ってら。慣れている人が言った方が間違わなくて良いだろな』
スカイやセブンがなるほどと見ていると、ヤーモはすらすらと呪文を唱えた。
『そうよね、ヤーモさん、本っ子ちゃんが読んでいるのを聞いて居たはずだし、スカイにも言ったし、そう言えば文献には、自分にかかっている魔法を消した人も多いって書いてあるのよね、確か。さっきあたし達でつっかえ、つっかえ言ったのはヤーモさんが寝込んでいたからよね』
一人納得のベルメリ。キャシーは、
『最近ベルメリちゃんは、コンタクトに専念しているわね。何に懲りてそうなったの』
『ヤーモさんに、言い付けられた感じ。きっと館に居る奴は能力が強いんじゃない?分からなかったけど』
『うん、うん、そうよね。あたし達が気が付かなかったって言うのが、強い奴がやって来ているっていう事で……、お留守番のヘキジョウさんっ子、無事だと思う?』
セブンの一人が、
『キャシー、それを言っちゃあ不味いよー』
指摘は遅すぎ、ベルメリに異変が、
『うっ、うっ、うわーん、ヘキジョウさんっ子が、きっとやられているよー」
しばらく泣いて、キッとした顔で立ち上がると、
「かたき討ちだっ」
「で、討つ相手は分かっているのかな」
スカイにも指摘される。
「あんたらの後ろから行く」
ヤーモが、
『ベルメリちゃんとキャシーちゃんも、こっちにおいでよ。魔術掛けられて鈍感になってしまったね。さ、ゼラニウムも半分こしようね』
『うん、お願いします』
ヤーモさんに呪文を唱えてもらった後、キャシーは、『じゃ、あたしは瞬間移動は遠慮しといた方が良いでしょね』と思い至って言い出すと、ヤーモさんに、
『敵討ちは此処でするんだよ』と、言われた。
『え、と言う事は、誰なの』
スカイとセブンは、すっかり予想が外れて意気消沈だ。
ヤーモは、
「最近、レンが寝てばかりだから『妙だな』と思っていたんだ。人間は鈍感だからな、ある意味それがかえって良い結果になるのかな。レンは隠していたけれどあいつは磁気パワー持ちだ。とにかく、レンの不自然なまでの睡眠で何かが発見されるべきだった。おれがとうとう奴らの正体を破るコツの様なものを感じ始めた矢先、レンが爆睡を始めてね。そうなると頭から磁気パワーを一気に出してしまいがちになって、レンは磁気パワーをそうゆうふうにしてあいつらに渡さない工夫を始めたんだ。そこが俺にはピンと来なくて、もたもたしている内に、とうとう王がこっちにやって来ていた。王と入れ違いだったが、俺は俺で王の病室に一人で行ってみると、王のベッドはもぬけの殻、身代わりの王に化けた家来は俺みたいな刺客を待ち構えていて、俺は油断して思わず返り討ちみたいな事態になりそうだった。土産に魔術までもらってきちまったな。だが、これで王がこっちに来て直接磁気パワーを取り込む気でいるんだと分かった」
ベルメリやキャシー、そしてスカイやセブンは、ヤーモの話に耳を傾け、内心『それで王は何処に』と聞きたくてたまらない。後ヤーモはしゃべりからコンタクトに変えた言い方になったので、皆此処からが肝心だと分かる。
『王だけじゃないからな。その取り巻き的部下は3人いる。俺が向こうに行ってしまったから、犠牲者が出てしまった』『ヤーモさんの所為じゃないでしょ』ベルメリは思ったが、ヤーモはそれに反応せず、『王はソールに化けた、そして三人の部下は一人はこの館の主、チーラさん達の兄に成り代わり、あとの二人はレンの医師と看護人、昨日からレンが放出している磁気パワーを何とか集めようとしているから、俺達が勘付いた事は気付いていない様だ。俺はソールに化けた王をやる、医師と看護人はレンの部屋に居るが、この館の主は今ミーラさんと城の業務に行っている。城では対応が困難だから、ここの異変に気付いて城から戻ってくれば良いが、向こうで動きを見せだしたら。スカイとセブンで城に行ってほしい。その時は正体を現しているから対応し易いからな』『分かった』
『あたしとキャシーは?』
『見物してるってのは、ダメかな。とにかくキャシーは俺の側に来るな。妖剣でどこか切ったらと思うと集中できないんだ』憤慨するキャシー『まっ、そんな事ある訳無いです。ふん。じゃ、医師と看護人のとこで良いでしょね』
ベルメリはもう一度指摘する『あたしは、何処が良いと思う?』
ヤーモ、仕方なく、『行きたいところに行ってくれ。瞬間移動しろ、勘付かれちゃおしまいだ』
そう言ってヤーモはソールの居る所へ移動した。つまり蔵書の書庫だ。ベルメリはハッとする。蔵書が水浸しとか、もしかすると燃えだすかもしれない。ヤーモの後を追うべきだろう。




