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空(スカイ)へ~夜明けに気付いたドラゴン達は空へ飛び立つ。(気付かない内に運命急上昇中その6)  作者: 龍冶


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第12話

 

 べルメリの館のダイニングルームでの、今晩の晩餐はスカイ奪還の祝いの宴である。

 皆、スカイが心配で、食欲もなく気力だけで捜索に行ったのだから、祝う事は当然ではあるのだが、ヤーもは、いつ追手が来るのかと、心配のあまり宴会の席にはついたものの。油断なく辺りを窺っていた。

 そんなヤーモを、宴会を楽しむ他の者は見るとはなしに見てはいたが、宴会に加われと誘う訳にもいかず、盛り上がりに欠けるかと言えば、セブン及びその兄弟は、ヤーモの性格は承知していて気にせず騒いでいた。その盛り上がりは尋常とも言えず、スカイは、

『これは緊張がほぐれて、集団ヒステリー一歩前の状態と違うか』と分析していた。

 声を限りに歌い、叫ぶセブン及びその兄弟。とうとうヤーモに、

「うるせいやいっ」

 と凄まれてしまった。

 一応シュンとして見せる彼ら、ベルメリは、

「まぁまぁ、ヤーモさん。気持ちは分かるけどね、そんなに怒らないでね。せっかくのお祝いだし。ささ、コックさんが腕に寄りをかけたご馳走よ。ヤーモさんも少し位は食べないと先は長いのよ。体力はしっかりつけてね」

「はー、それはそうですが」 

 キャシーは、

『何時襲って来るか分からないからって、そうそう緊張しても居られないわね。身が持たないわ。それはそうと、スカイさんは今まで癒し能力が無かったのに、あちらの魔法使いの魔法で、何だか癒し能力が表れたんですってね。どうやって能力を出したのか知らないけれど、そういう魔法って、あとが残るって言うか、自分のかけた魔法って、魔法使いは自分のかけた魔法は追えるんじゃなかったかしら。ね、ベルメリちゃん、そんな話、聞いた事無かった?』

 そう、ベルメリにコンタクトして来た。きっとしゃべったらスカイが神経質になったろうが、ベルメリは利口なスカイはきっとわかって居そうだと思える。兎に角、今回の事件で、スカイは、今までの能力者に比べてではあるが、利口だ。磁気能力を自分で消している。

 あの当時、能力者の能力を奪い取るという魔法は、地下の魔物は元より、王と名の付く者でさえ、他人の能力を欲しがりその能力を奪う事に熱心だった。きっと育てていたロードさんが教えていたのだろう。「誰ぞに能力を奪われるな。油断するな」と。

 自分の能力を消せるのだから、おそらく魔法使いの魔法も消せるはずだが、戻った直後、

『ユンお婆ちゃんの足を治していたっけ。まだあの時は消していなかったようね』

 ベルメリはキャシーにそう返事した。キャシーは少し考え、

『ちょっと、ちょっと。そうゆうのって、もう自分の能力にしてしまったのと違う?消せるの、その後に』

『きっと本人の能力次第でしょうね』

 ベルメリは、そう言っておく。

 そこへ、ヤーモが加わる。

『きっと、スカイは消す気は無いな。役に立つ能力だからな。そして魔法使いの縛りを消そうとしているな。出来ればいいが』

『へぇ、そうなの』

 ベルメリと、キャシー、感慨深く物思いに沈む。

『良い子の利口な磁気パワー能力者だー。これからも、狙われるはず』


 スカイの心配をする彼の爺さんユン婆そしてヤーモとベルメリ、キャシー、実の爺さんソールの気持ちを知ってか知らずか、スカイはセブン達とふざけ合いながら、思い出したように話し出す。

「えーとそれじゃあ、僕らはそろそろセピアの家に帰ろうかな。爺ちゃん婆ちゃんは自分の家の方が寛げるだろ」

 ソール爺さん、目玉をぐるっと回し、

「おいおい、スカイはもう家には戻れんぞ。いつ例の奴らがスカイを攫いにやって来るか知れんのに。奴らは諦めないな。あの様子じゃ。俺らが守りを固めるしかない。と言うよりこっちの仲間、セピア公国や砂漠の魔術の国にしろ、ココモの収める土ドラゴンの国にしろ、スカイを守る気でいる。多分獣人国もな。戦いが始まれば味方として本気で戦う。今までの結界の中の魔物を押しとどめていた、コアの爺さんリューンへの恩義もあるし。スカイが攫われたときは、急な展開で対応できなかったが、これからはあいつ等が何時責めて来ようが、対応する気だし、準備は出来ていると、さっきコンタクトして来たからな」

「そんなに大事になっているのかー。結界の中の奴が居なくなったから、もう良いかなって思ったのに」

 スカイはがっかりしたような言い様だ。

 どうやら本人が、一番分かっていなかったらしい。

 ヤーモは、

「セブン達があまりけろっとしすぎているからな。お前ら大概にしておけよ。そんなにたらふく食っていて、今から襲ってこられて、戦えるのか」

 そう言われて、セブンは少し考えて、

「俺はあと十分で消化できる。お前らのうち十分より早く消化の終わるやつはー?」

「あーおれ、おれ」

 2,3人手をあげた。

 セブンはヤーモにニッと笑い、

「あいつらが先にやりだすからー。心配すんなって」

 ヤーモは眉をひそめたが、キャシーにも『あたしも戦うしー』と言われ、少し安心する。

 キャシーは普段大人しくしているが、ヤーモが見た感じでは、かなりパワーを温存している。もしかしたら、と言うより。実際、ヤーモより魔力があるのは分かっていた。


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