第15話自称火山の女神?!
「お前、珍しい武器を使うんだな?名前はなんて言うんだ?」
「え……あ、イリス、です」
「タメ口で良い!お前はアタシの命の恩人だからな!」
「いや、助けたのは俺じゃなくてエレミアの方……」
ズゥウウン
砂煙と共に水花龍の首と胴が別々に落下。エレミアは何かに取り憑かれたように爆速で水花龍の首元に顔を埋める。
絵面絵面!!これ放送しても大丈夫な奴か?!
ゴキュゴキュ。エレミアは水花龍の首から水を飲み込み、プハァッ!、一杯やっちゃってる。
「ちょっとアンタ!私とイリスの分も取っておきなさいよ!」
アヤが砂丘を滑り降りてくる。
「えぇ、アヤ、あんなの飲むのか?」
「命には変えられないでしょ。水筒に取ってくるから貸しなさい」
「は、ハイ」
まぁ確かに貴重な水だ。俺は大人しく水筒を差し出した。
「あの龍を一刀両断とは、人間にしちゃやるなぁ!アタシとどっちが強いか力比べしよう!」
この子はなんでダンジョンで一人だったんだ?しかも水花龍の頭に乗っかって……まさか本当に"火山の女神"なのか?
◇◇◇
571:龍啜りをもう一度見られる日が来るとは!感激爆笑でござる!
572:伝説の龍瞬殺。てかエレミアが倒しちゃうからなかなか見れなくて伝説になってる説
573:新キャラシュリちゃん可愛いhshs。イリスそこどけ変われ
◇◇◇
水花龍を倒した後、大きめのテントを発見。中は適温&魔物もおらず、セーフティエリアだと考えられる。
ちなみに水花龍の体内の液体は、冷たくて喉越し抜群。良い水だった。
「いやぁ砂漠でうっかり昼寝してたんだ!実は龍の頭の上だったみたいで、酷い目にあったよ〜」
「砂漠で昼寝って……こんなに暑い中よく寝られるわね」
「アタシは火山の女神だからな!ここは涼しいくらいだぞ!」
「女神って、冒険者に加護を与えられるっていう、あの?」
「そうだ!気に入った人間に加護を与え、その見返りに供物を貰う。供物をもらうとアタシのパワーが増して、神殿を治したり火山を噴火させることができるぞ!」
「噴火させないで貰って……」
「女神はこの世に四人いると聞きました。海、太陽、雷、火山の女神……神殿より私達を見守り、時に加護を与える、と。シュリさんはどうして地上、それもダンジョン内に?誰かに加護を与えるためでしょうか?」
水を飲み正気に戻ったエレミア。焚き火にて今夜の夕食をコトコト煮ている。
「いやぁそれには深い理由があって……
加護を与えるべき人間を空から探すって言うのがつまらなすぎてサボりまくってたら、穀潰しって神様に下界に投げられちゃったんだよねぇ」
あっはっはと高らかに笑うシュリ。
「最低でも三人に加護を与えないと天界に戻れないんだよ〜適当に与えても神様に怒られそうだし。んでぇ、ダンジョンなら面白い人間がいるかなって乗り込んだんだけど、広すぎて出口も分かんなくなっちゃって」
話の真意は置いといて、馬――
「馬鹿なのね。女神だなんだって言ってるけど、それも嘘じゃないの?そもそも加護を貰ったって言ってる人も聞いたことないわ」
「アタシは馬鹿じゃない!なんだこの女!」
「ちょ、アヤ。失礼すぎるぞ」
「自称女神かもしれないじゃない」
「アタシは嘘なんかついてない!神から生を受けたアタシに向かって失礼な女だ!火山にぶち込む!」
「やってみなさいよ。本当に火山の女神だって言うならね」
「ちょ、煽るなって……」
「でも私も本物か気になります。本当に女神様なら、会えて光栄ですから」
「ふん、良いだろう!アタシの大いなる力を見て、首を抜かすといい!」
「腰ね……首抜かないでもらって」
シュリは立ち上がると背中に手をやる。
「火山の女神、シュリの実力、とくと見――」
シュリの動きが止まる。シュリは背中に手をやったまま掌を開閉。そしてみるみるうちに青ざめていく。
「神器……落としたぁああ!!」
「お、落としたってどういう……」
「ヤバいヤバい!神様から貰ったアタイのヤマトカグラノミコト定宗ぇえ!あれが無いと加護も与えられないし神界にも戻れないよぉ〜」
シュリは頭を抱え上下に暴れご乱心。呆気に取られていると――
ガッ
強めに肩を捕まれ「ヒッ」と引きつった声が漏れてしまった。シュリは目をガン開きにしながら声を絞り出す。
「た、頼む……アタシの神器、一緒に探してくれ!」
「えぇ……」
火山女神のクエスト、勃発――




