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ダンジョンで潮干狩りを  作者: 大正
第三十四章:芽生ちゃん、頑張ってる!

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1500/1518

1500:リヤカー追加とマニュアル完成

せんごひゃく!

ダンジョンで潮干狩りを

Renta!等いろいろなサイトで発売中です。是非とも続刊のためにもご購入のほうよろしくお願いします。


 朝です。土日はやることもないのでホテルでゴロゴロしながらネットで情報集めをして、マニュアルのネタになりそうなものを探したり、近所の美味しい店を探して食べ歩いたりしている間に過ぎていきました。


 これが洋一さんならこの間に羽根を納品に行くとか色々やることはあるんでしょうが、実質こっちに来てるのが出張みたいなところがある私ですから、それほどやることもありません。


 あらかじめ時間つぶしになるような施設を検索しておけばよかったかな? とも思いますがしっかりとした休憩が取れたのは間違いないのでヨシとしておきましょう。


 そして、今日はパスタの気分です。朝から今日も品違いのパスタを三種類選ぶと、トーストを一枚だけ取ってバターをしっかり塗り、炭水化物と脂質の波に溺れることにします。この土日でしっかりと休養は取れましたし、もっと強欲にお金を稼ぎに行ってもいいぐらいですね。


 今日は何事もなければ六十三層に行きたいところですが、他の新しくDランクになったパーティーが荷物下ろしのためにエレベーターを使うかもしれませんので、専用リヤカーは使えないかもしれないですねえ。その辺を確認しておきましょう。


 その内Cランクパーティーが二個も三個もできるようになれば、ダンジョン庁専用リヤカーも増やしてもらえるかもしれません。自分の両肩にそれがかかってるとなると……考えても小西ダンジョンの時とあんまり変わらないですねえ。歴史は繰り返す、というやつでしょう。


 今日も元気に食事を済ませると、普段着からスーツに着替えてビシッと鏡の前で服装を整える。朝はキッチリしておかないといけません。月曜日ですし、今日から阿南さんのパーティーは七層行きの予定のはずですし、もしかしたら一泊するために色々と必要なものをそろえたり、足りないものを買いそろえたりするかもしれません。


 その分私は……私は後からサポートできるように午前中待機でもいい感じですかねえ。金曜日の続きという意味もありますし、中々忙しいことですが、暇よりはマシですしその間も給料は出ています。好きなことをやって給料をもらうこと以上に素敵なことはないでしょう。


 贅沢を言えば七十六層辺りに籠ってひたすらお金稼ぎ……というほうがより嬉しいことにはなる気がしますが、それまでにはいましばらくの時間がかかります。それまでは他の皆を引っ張っていく係に専従しましょう。


 さて、お出かけのお時間です。今日も天気は晴れ、傘は要らないので安心してバッグ背負って出勤出来ますね。


 メイク、ヨシ!

 スマホ、ヨシ!

 スーツ、ヨシ!

 お財布、ヨシ! 中身も……ヨシ!

 でっかいバッグ、ヨシ!

 お弁当、ナシ! 今日は……今日はどうしましょう? 進捗次第ですね。

 コップ、ヨシ!

 装備、ナシ! 一式更衣室に置いてある! 多分出番はある!


 指さし確認は大事です。今日もいつも通り……どうしようかな、お財布の中身少し足していったほうがいいでしょうか。途中のコンビニで考えましょう。


 ホテルからダンジョン庁までの間にあるコンビニのATMの前で少し悩んで、それから二万ほど下ろしておくことにしました。洋一さんみたいに保管庫があれば札束でポンと放り込んでおくんですけどねえ。


 仮にマジックバッグみたいなものがあったとしても、バッグそのものを無くしてしまえば中身はなくなってしまうわけなので、やはり保管庫の有無とマジックバッグで代替できるかどうかは別の話ですね。


 ダンジョン庁の建物に入り、みんなとおはようございますを言いながら探索課の部屋にたどり着く。半分ぐらいはそろっていました。そして、部屋の隅に揃っているキャンプセット一式。これはアレですね、今日のうちにキャンプを張ってしまおうという奴ですね。


 全員そろう前にパソコンを立ち上げて、早速土日でふと思い出したりここは要らなかったな、と思う文章を修正していきます。本当は文章だらけじゃなくて画像や動画を添えたいところですが、色んな許可とかそういうものを取らなければならないので文章力が試されますね。


 パソコンのモニタと格闘している間に全員そろい、巽さんも揃ったので月曜日の朝礼が始まる。


「みんなおはようございます。僕からの通達事項は特になしということで、各自の行動報告からしてもらおうかな。一応上司として、今週何するかぐらいの話は聞いておきたいしね」


 巽さんの一声で皆が順番に報告を始める。まずは高野君達からだ。


「高野パーティー……と便宜上呼びますが、こっちは引き続きソードゴブリンの相手ですね。ただ、俺自身は午後から合流、ということになると思います。理由は後から阿南さんが付け足してくれると思うので詳しくはそっちで話してもらうことになります」


「阿南パーティーは七層まで向かってキャンプを張る所まで進む予定です。キャンプ道具は高野君が遅れて一層からまとめて送ってくれることになったので、私を含めて五人で七層まで歩いて、到着しそうな段階で高野君に連絡を入れて出来るだけ同じタイミングで合流できるように取りはかろうと思います。キャンプ場所は……文月さんのパーティーに聞けばいいかしらね? 」


 阿南さんが今泉君に確認を取る。今泉君は行き慣れているのでキャンプの場所もはっきりとしているし、一緒に行けば時間的にいつから並び始めればいいのか、辺りの時間の逆算もできることでしょう。


「だったらこっちも一緒に行けばいいかな。目的は七層以降、九層になるだろうし、九層で戦うかどうかは置いといても、できるだけ固まった場所にキャンプは設営したいだろうしね。高野さんには俺から連絡を入れることにするよ。それでいいかな? 」


「問題ない。たまにはサボらせてもらおう。その間に荷物を全部リヤカーに積み込んでおいて、エレベーターで移動するだけの状態にしておく。ダンジョンに向かう前に荷物をリヤカーに積み込むのだけは手伝ってもらおうかな」


 リヤカーはやはり占拠されてしましました。これはリヤカーを二台体制にしてもらう交渉をしなければなりませんね。それぞれのパーティーで使えるようになればより快適に探索を出来るようになっているはずだ。また白く塗られるかもしれませんが、そこは色分けとしてわかりやすくさせてもらう点でもしっかりお願いしておこう。


「文月さんの予定は? 」


「リヤカーを借りて最深層にでも行こうかな……と思ってましたがリヤカーがいっぱいなようなので、新しいリヤカーをもう一つ用意してもらう必要がありますね。三パーティー体制になるのを見越して、一気に二台増やしてもらうことが出来れば何よりですが……まだちょっと気が早いとしても、いずれ必要なものをあらかじめ用意しておくのは悪い話ではないはずです。そんなわけで今日はデスクワークか、飽きたら他の部署を見回ってどんな仕事をしているか知る時間にしようと思います。思えばこの三週間ほど体験期間にもかかわらず結局探索課にずっといますし、最前線で仕事してる自分たちに対してどういうカバーをしてくれているかを学ぶいい機会かもしれません。短い時間になるでしょうが今日は一日ダンジョン庁をウロウロしようかと思います」


 それぞれの仕事が決まったところで巽さんがにっこりと笑いながら手をパンと叩いて注目を集める。


「全員やることがあっていいことだね。じゃあ、決まった通りの仕事をしようか。僕もリヤカーの手配を済ませ次第自分の仕事に戻ることにしよう。リヤカーは合計三台、つまり二台調達できればいいかな? 」


「そうですね、贅沢を言うなら四台欲しいところですが、一台停めっ放しになるのが目に見えていますし、この先を考えて多めに発注しておくよりも逐次投入のほうが予算の使い過ぎと言われなくて済むようになると思います。私が二回ほど個人で使わせてもらってるので元はもう取っているとは思いますが、もう一回ぐらいは使いたいところですね。それを理由に予算を勝ち取ってきてください。なんなら私の数日前のギルド税納付額を参考にして資材課に交渉に向かってくれてもいいので」


 リヤカー一台分の費用ぐらい一日で稼げた、話しておくことで費用の面は心配ない、回収できると伝えておくのがベターでしょう。巽さんもそれで納得したらしく、了承をしてくれたらしい。


「費用の面は真中長官に直接交渉することにしようかな。多分文月さんが個人で一回使った、と伝えれば納得してくれると思うし、少なくとも一台、多ければ二台ということで発注してもらえるようにハンコのほうは優先的に押してもらえるようにしよう。じゃ、今週もみんなよろしく」


 全体朝礼が終わり、各自の動きに入り始める。さて、私はマニュアルの続きを書きながら一段落するまでは書類仕事を……最近デスクワークが多いですねえ。体を動かしたいところではありますが、私個人の都合よりもみんなの都合が最優先です。私のわがままは我慢することにしましょう。


 さて、マニュアルの続きを始めますか。しばらくカタカタとキーボードを鳴らして作業をしていたら巽さんに呼ばれた。


「文月さん、ちょっといいかな」


 なんでしょうねえ。リヤカーの件で何かあるんでしょうか。


「はい、何か御用ですか」


「資材課にこの書類を届けてくれるかな。真中長官に連絡を取ったら一気に二台入れてくれることになったから、後は申請を通すだけなんだ。早めに送っておきたいだろうし、直接行ってきてほしい」


「わかりました。私の個人的なお願いでもあることですし、喜んで行かせていただきます」


 書類を受け取り、資材課には何度かお世話になっているので場所は解る。ついでに顔合わせもして来い、ということなんでしょうねえ。使いっ走りも仕事の内です、どうせ暇に近い状態ですし大人しく行ってきましょう。


 資材課に到着し、誰かに声をかける。


「あのー、探索課から資材のお願いなんですけど、誰に頼めばいいですかねー? 」


「探索課からですか。書類見せてください」


 受け取ってくれた人のネームプレートを見る。鈴木さん。電気設備課ではないけど鈴木さんが対応してくれた。覚えておきましょう。


「……なるほど、この前のリヤカーをもう二台ですか。わかりました。入荷したらまた白く塗って置いておきます。出来上がったら探索課のほうに伝えればいいですかね? 」


「それでお願いします。書類に不備はなかったですか? 」


「長官のハンコが押してあるんで全部すっ飛ばしで承認って形になってますね。風通しが良すぎるとは思うかもしれませんが、即断即決が出来るのは良いところだと思いますね」


 長官のハンコは各部署の承認をすっ飛ばして一気に確定まで持っていくだけの価値があるらしい。冷静に考えれば、課長印と長官印は探索課では同一の者なんだから、長官印をもらうということはそれだけでもう道中の稟議のあれこれはすっ飛ばしてしまっていいということなんでしょう。巽さんもパーティー数分は必要だという認識でいてくれるらしいですし、色々と好都合ですね。


「なるほど、では受け取っていただけるということで」


「はい、今週中には入荷してペイントして、乾かしておくことになりますので乾いたら直接探索課に連絡を入れることにします。では」


 思ったよりも簡素に手続きは終わってしまいました。これは暇な時間が増えましたね。部署に戻ってマニュアルの続きを書くことにしましょう。夕方には高野君も一度戻ってくるでしょうし、そこでマニュアルの再確認を行ってもらうことにしますか。


 部署に戻り、巽さんに無事受け取ってもらったことを報告すると、マニュアルの続きをまた書き始めます。四十二層のカニうま島ダッシュはドロップ品が重いことを除けば理想的な探索経験値の取得場であり、リザードマンだけを集中的に狙えるダンジョンであればドロップ品の少なさからかなり成長できることを記述しておきましょう。


 それから、四十五層以降の花園マップでは、効率は悪いが確実にマリモ……マリモ……正式名称が思い出せません。マリモの蔓を全部引き抜いてから戦い終わることで確実に種をドロップし、その種は成長し、その採取物を加工することによってヒールポーションのランク2程度の品質の代替材料となることを明記しておきましょう。


 現状、こちら側の文明レベルでポーションの代替品を作ることはこの手法しかないのでもしヒールポーションの大量入荷が必要な場合はこの階層で集めることが推奨されるでしょうね。でも、効率から言えばどんどん倒して行って周回するほうがスキルアップの意味でも身体強化を鍛えるにも上です。


 あくまで探索場所が混んでいる場合なんかに限定されるでしょう。と、そういえばマリモの確定ドロップってダンジョン庁に情報として上げてましたっけ……?


 まあいいです、とりあえず四十八層まで作っておけばもう立派な探索者と言えるでしょうし、長々と作るよりもこの辺でズバッと「ここまで出来たら一人前です。後は自分の道を進んでください」的な方法で無理やり終わらせてしまいましょう。多分この続きを作るのは来年以降になるでしょうし、その頃には世の中のダンジョン事情も変化しているはずですからね。

作者からのお願い


皆さんのご意見、ご感想、いいね、評価、ブックマークなどから燃料があふれ出てきます。

続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。

後毎度の誤字修正、感謝しております。

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― 新着の感想 ―
伝説の鈴木さんとかわかる人いるのかな……?
> せんごひゃく!」 出てこないおじさん > パスタを三種類選ぶと、トーストを」 接種カロリーも最深層級の芽生さん > 炭水化物と脂質の波に溺れる」 芽生さん > 今日は何事もなければ六十三層に…
ネットあるんだから正式名称調べたら良いのにw 省内ローカルネットワークでもいけそうだけど
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