1494:卵かけご飯のたれってどれが一番うまいのか
朝です。今日も気持ちよく起きられました。やはり適度な運動は適度に心地よい睡眠に陥るためには必要だということがわかりました。デスクワークも大事ですが、やはり時々は運動も必要でしょう。
シャワーを浴びるとメイクをして、私服に着替えて朝食を食べに行きます。今日は何を食べましょうかねえ。トーストは固定として……いや、たまには朝からご飯というのもいいでしょう。
ここは温玉も生卵も並べてくれていますので、TKG……卵かけご飯の種類もいくつか選べます。醤油もめんつゆっぽいものも、専用のTKG調味料もあるらしいです。この専用調味料というのを選んでみましょう。
後は……いつも通りサラダと、今日は少量のパスタを胃に入れましょう。今日はTKGの威力のほどを確認しておくとします。
温玉……というより半熟卵ですね、うまくくぼみをつけたご飯を入れたどんぶりの中に落とすと、プルンと卵が揺れる。その上から専用たれをかけて、程よくなじむまでかきまぜた後、ズズっといただきます。
ご飯と卵が絡み合い、そこに甘めの出汁醤油が口の中で合わさって美味しいですね。醤油や麺つゆとはまた違った、この何とも言えない甘さが卵の味と絡み合って幸せを感じます。朝はトーストも良いですが、TKGも悪くはない、ということを覚えておきましょう。
サラダもきちんと摂っていますし、朝食のバランスとしてはかなり完ぺきに近い栄養素をしっかりと食べて、今日も一日がんばるぞという気力がみなぎっていく気がします。後は味噌汁を飲んで、これで久々に和食っぽい朝食を取ることになりました。たまには良いもんですねえ。
もうちょっとサラダを摂ったほうが美容にいいかもしれません。デスクワークで一日動かない予定だからカロリーは控えめで良いとして、ミネラル分は変わらず失われていくものですからちょっと多めに取っておきましょう。どうせほとんど水分ですし、食べ過ぎで辛くても動かないなら問題ないはずです。
フレンチドレッシングで絡めたキャベツとレタス、ミニトマトに生タマネギのスライス、少量のコーンを追加するとしっかりと食べ、胃袋が八分目位になるまでサラダで満たしていきます。サラダはしっかり取ったし、昼食は食堂のワンコインランチで少なめにとる予定なので問題ないですねえ。
食事を終えたところでスーツに着替えます。最初からスーツで食事をしても良かったのですが、うっかりドレッシングがはねたりしないようにという意識もありますし、休みの日以外はほぼ着ない私服なのでこういう時ぐらいはちゃんと着こなしておかないといけません。それと、ちゃんとその私服が入るかどうか、ウェストがふくよかになっていたりしないかどうか確認する意味でも大事です。
さて、着替え終わっていつも通り出勤しましょう。
メイク、ヨシ!
スマホ、ヨシ!
スーツ、ヨシ!
お財布、ヨシ! 中身もヨシ!
でっかいバッグ、ヨシ! でも今日は使わない予定!
お弁当、ナシ! 今日は食堂!
コップ、ヨシ!
装備、ナシ! 一式更衣室に置いてある!
指さし確認は大事です。さあ、今日は一日マニュアル作りの予定ですから、お尻が痛くならない程度に時々体を動かしつつしっかりと仕事をしていきましょう。
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部署に早めに到着してマグネットを一日在籍に移動させる。今日は私一人寂しくデスクワークの予定です。私に出来る限りのことを出来るだけやっていく。それが今要求されているプランのはずなので、早速パソコンを立ち上げてマニュアルの作り込みに勤しみます。
マニュアルは作った先から日付か時間ごとに名前を変えてファイルを保存してあるので、もし途中で破損したりしても復旧できるようにはしてあります。前回の日付のマニュアルを引っ張り出して、今日の日付で早速コピーを取った後でマニュアルの続き作成開始です。
作り始めてからほどなくして、阿南さん、高野君、そして探索課の全員が顔をそろえることになりました。
「じゃあ、今日の予定だけど……私はちょっと用事があるのでダンジョンには行けないから、私のパーティーは今日は自分達だけでソードゴブリン対策をしてきてね。その分一人当たりの収入も増えるだろうし、Dランクに近づくのは間違いないと思うわ」
阿南さんは用事らしい。巽さんに呼ばれでもしているのでしょうかねえ。まあ、いいです。
「今泉君、西さん、石川君、森崎君、体調は問題ないですか? 一昨日の疲れが残っていたりはいませんか? 」
「はい、大丈夫です。今日もいつも通り九層で探索してくるので、明日の帰りの荷物の移動をお願いします」
「わかりました。安心して送り出すことにします。でも、無理はしないでくださいね? 途中で違和感や疲れを感じたら、多少査定で返ってくる金額が安くなっても構いませんからポーションで身体の調子を整えるなりしてください」
「そのために一日休みを取ったので大丈夫ですよ。なあみんな」
頷く一同。どうやら本当にパーティーとしてきっちり活動できるようにはなっているらしいですねえ。これならCランク試験も無事に突破して帰ってくるかもしれません。安定感が出てきた、ということでしょう。この際荷物を私が持ち帰っているのは例外としても、探索自体には問題はない、と判断していいでしょうねえ。
「じゃあ、俺のパーティーはいつも通りゴブリン……と行きたいところだが、その前に一回装備を新しくしてソードゴブリンが相手になっても良いように一段階良い装備にしてこようと思う。その為に外出するわけだがこれも仕事の時間のうちに入るよな? 」
高野君達もソードゴブリンに挑み始めるらしい。確かにゴブリン相手にするのとソードゴブリンを含めて戦っていくには一段階防御なり攻撃なり装備をそろえる必要があるのは確かです。懐かしい話ですが、装備が貧弱すぎて一回返り討ちにあった洋一さんを思い出します。
「薄手の刃物を使っている人は厚みのある武器を使うようにしたほうがいいと思います。そうしないとソードゴブリンの剣に打ち負ける形になると思いますので物はしっかり吟味しておくべきです。店員さんならその辺も詳しく教えてくれると思いますので、他人の意見をしっかり聞いておくのが大事ですね」
「一応仕事に使うものを吟味するのだから、就業時間に含めてもいいと思うわよ。休みの日にまとめて買い出しに行ってこい……というのもおかしな話だからね。後、ダンジョン庁の経費で落とせなくても副業扱いの個人事業主の経費ではおちるとは思うから、レシートはきちんと残しておくのよ」
阿南さんがちゃんと経費のことまで考えて伝えている。個人用の装備なのでダンジョン庁負担にはならないが、個人経費にはできるだろう、ということを伝えている。
私の槍も今年と去年で二年かけて減価償却してるはずなので、今年の経費がいくらかかっているかも計算しなきゃいけませんねえ。戻ったら経費の計算のためにまずは佐藤税理士の所へ行くべきでしょうねえ。
「私は一日デスクワークの予定です。何かあったら私に連絡をくれれば、非常時の助けにでも何でも駆け付けられるので気軽に連絡できるようにしておきます。なので私は一日ここにいる、とだけ覚えておいてくれればそれで充分です」
「じゃあ、それぞれ行動開始で。今日もご安全に」
「ご安全に! 」
それぞれのパーティーが自分のやることをきっちりし始めるために行動を開始する。私と阿南さんを置いて、それ以外はダンジョンと買い物へ出かけた。阿南さんはしばらく経った後、私の席まで来た。
「文月さん、ちょっとお願いがあるんだけど」
「なんですか? できる範囲のお願いならお手伝いしますが」
阿南さんは机の引き出しの取っ手をそっと触りながら話を続けてくる。その引き出しにはドライフルーツが入っているんだけれど。
「ちょっとストレス解消兼能力アップに付き合ってほしいのよ」
「つまり、その引き出しの中身に用事があるってことですね? 」
「そう、ドライフルーツでの強制強化法という奴。もしかしたらダンジョン庁探索課の職員が全員スキル持ちになった時に同じようにレベルアップさせられるように、手順とかやり方とか限界とか、そういうのを知っておきたいの」
なるほど、自分の探索が出来ない分、せめて自分の実力アップだけでも済ませておきたい、ということですか。確かに、監督者としてあれは一度味わっておいたほうがいいでしょうね。私も何度もお世話になりましたし、他の人を引率する立場としては不安がる他の人を説得するにも体験しておいたほうがいいだろう。
「わかりました、お付き合いします。好きなタイミングでいいので教えてください。そちらも仕事が一段落したところで良いので」
「じゃあ、準備が出来たら声かけるからその時によろしくね」
阿南さんは自分の仕事を片付けに何処かへ行ったようです。何か報告とかありましたっけねえ。まあ、向こうのパーティーにも報告することや聞いておきたいことなんかもあるでしょうし、私も問い合わせなければならないことがあるとすれば、このペースで進んだ場合何日後にCランク試験が受けられるようになっているか、辺りは調べなければいけないでしょうねえ。
しばらくマニュアル作りに集中します。とりあえず五十六層までのフォーマットを作り切ってモンスター情報を入力して、戦い方や注意点、ここまでに入手しておきたいスキルや多重化しておきたいスキルなどを記入していく。ここまでに何かしらの攻撃スキルを二重化ぐらいはさせておきたいところですねえ。
やはり、難しいとはいえ全員に【隠蔽】を装備させておいたほうが楽なのは間違いありません。特に五十五層の密度が小西ダンジョンと同程度ならば、かなりの激戦が予想される。土竜の人たちもしっかりと実戦経験とスキルを積み上げて今の場所にいるはずでしょうから、追いつくのはなかなか難しそうですねえ。
うーん、やっぱりここらで今泉君たちにもスキルの恩恵が必要でしょうねえ。どこかでスキルを調達する必要があるでしょう。私の財布から出す……というのはなしにしても、真中長官に掛け合ってパーティーごとにスキルの一つずつぐらいは持たせてあげたいところだけど……やはりスキルの調達については相談が必要でしょうねえ。
モンスターからドロップするダンジョニウムのインゴットは現代冶金技術との融合によってより切れ味の鋭く硬い武器や防具に加工することが出来、現在防衛省でも何らかの武装の材料として活用される可能性がある魅力的な金属である。
また加工に関してもまだ発展途上のため、この件に関しては……ここマニュアルに書く必要ないですねえ。備考欄にしてあとがきの形で取り付けることにしましょう。いずれ誰かが直してくれるはずです。
五十六層までの話を纏め終わったところで、阿南さんが帰ってきた。
「お待たせ、お付き合い願えるかしら? ストレス解消に」
「丁度いいところでした。お付き合いしましょう、ストレス解消と自己鍛錬に」
二人でダンジョンにマグネットを移すと、引き出しから一回分ずつに分けられたドライフルーツを持ち出し、それぞれの武器を持って五百円玉を片手に高輪ゲートウェイ官民総合利用ダンジョンの中へ入っていく。ごめんみんな、ずっと探索課にいるとは言いつつダンジョンに潜ってます。
一層に入り込んでちょっと奥になり、行き止まりのところでスライムが少し溜まっているところを掃除し、早速阿南さんの火魔法の出力の様子を見届けることにした。
「まず、持久力を鍛えたいのかそれとも火力を高くしたいのか、それを聞いておきたいですねえ。前者の場合は一回眩暈がするまで打ち切った後、ドライフルーツを噛み砕いて暑熱感と清涼感を感じながら、ひたすら繰り返すことになります」
「火力を高くしたい場合はどうなるの? 」
「その時は頭で考え事をしながら、ということになりますね。イメージを作ってしっかりとした形の強いイメージを作って打ち出す、というイメトレに近いものになります」
イメージが全てを形作る……と洋一さんは言っていた気がしますし、六重化させるにもイメージづくりに相当苦労していた気がします。今阿南さんが火魔法を多重化しているのかどうかはわからないけれど、出来うるだけの出力を出してみてほしいものです。
阿南さんはまず壁に向かって全力で火魔法を出力する。出力は……多重化されているかどうか、ぐらいの中々の強さのイメージですね。洋一さんの四重化ほどの出力はないにせよ、Bランク探索者としては充分な火力であると考えられます。さて、どうしますかね。
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続きを頑張って書くためにも皆さん評価よろしくお願いします。
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