本当にリリース初日ですかねこれ。
「そういえばゲームなんで気絶なんて出来ませんでした。はい、閉幕。」
周りを見渡すと、竜との激戦の跡地に居たままだった。フィナはどうやら安堵から気を失ったらしく、横になっていた。キョーカはフィナの頭の下にローブを畳んで枕にしてやる。
一瞬の気絶とも思える放心状態を終わらせたのは大量のアナウンスだった。
「わ、ワールドアナウンスってナニよ!?!?え、これそんなに大事だったの…いやEXTRAクエストだもんね。そりゃ初日から無理矢理CLEARしてる人なんて僕だったらどうかしてると思っちゃうしなあ。」
「真竜…僕戦ったの魔力だったけど。あれでも本物判定されるのね。」
禍の竜、ファグアデルグ…とても強い敵だった。とても初心者が倒せるようなモンスターではなかった。なんで僕はあれを倒せちゃったんだろう。もう、本当に自分が何をしてどう攻撃してるのかもまともに考えられなかった。ポーション様様ダヨ!!
でもやっぱり1番は
「…この力だよなぁ」
キョーカは自身が得た特殊ジョブのスキルボードを見ながら冷や汗をかく。
ーー特殊ジョブ【刀神】:砕絶の刀神ーー
古の時代に名を轟かせた伝説の放浪者〖サイゼツ〗の力を受け継ぐことで解放される固有の職業。
特殊ジョブ発動と同時にステータスが解放され力の一端を得ることが出来る。(レベルに比例しパラメーター上昇効果が変化する。発動終了と共に封印状態に変化する。)
特殊ジョブ発動と同時に特殊ジョブスキルが解放される。
特殊ジョブ発動と同時に【燿剣燦切】、【覇杖空断】が解放可能状態に変化する。(なお、上記の武器を解放せず他の武器を装備することも出来る。)特殊ジョブ習得に応じてプレイヤーに【燿剣燦切】、【覇杖空断】、【嵌合竜の機鎧】が帰属する。
「なんか…絶対的に戦闘職への冒涜を感じる。生産職目指してる人が持っていていい力じゃないでしょこれ。」
まあ手に入れた力は今更どうにもできないから何とも言えない気持ちは抑えなければならない。しかし、そんなことよりもキョーカの頭には最大の疑問があった。
「あのラストアタック。あの爆炎入ったい何だったんだ…あんな魔法スキルは持っていませんけど。」
禍竜にトドメを刺したあの凶悪な一撃。全くもってキョーカには身に覚えのない魔法的な攻撃だった訳だが、自分ではあんな魔法取っていない。というか取れるような段階には居ない自負がある。
「やっぱりこれも刀神関係?でも刀の神って呼ばれる位なのに魔法?」
とにかく、あの爆炎が上がっていた時にキョーカが行った行動を思い出してみる。
「えーっと、確かあの時は謎に飛び始めた禍竜と対面して…アレも本当に終わったかと思った。今まで翼なんて生えてなかったし、完全に仕留め切ったと思っていたのに。1回は致命傷も耐え切る仕様だったのかな?もうあれとは戦いたくもない。」
考えが脱線してしまった。
「飛んだ竜と最後の攻防を覚悟して、特殊ジョブの抜刀スキルを発動しようとして空断を鞘に収めて…あ!!刀身をちょっと出した時にあの炎が吹き出した気がする!!」
キョーカは急いで件の太刀を出して情報を見る。
ーーー【覇杖空断】ーーー
古の刀神が長い時を共にした伝説の一振。
その一振は空を断ち斬る程の力を有する。
記憶の精霊の加護を宿すこの刀は、嵌合竜と戦い刀にかの竜の力を宿したことで姿を変化させ、一振の太刀は魔力を覇する杖となった。
刀で魔法攻撃を受けることでその攻撃を吸収し、刀に魔力を貯めることができる。納刀状態からの解放で吸収した魔力の属性を選択し、魔法を放つ。(魔力の分割消費可能)。また、放つ魔法は貯めた他の魔力を使用し強化出来る。この刀は、所有する者の力量によって貯蔵可能量が変動し、最大値に達した状態になることで、所有者の力を超える魔法を発動可能となる。
「なんと言う破格の性能。絶対にこれを使って魔法を出したんだな。魔力は沢山ブレスで貯められただろうし……でもあれは竜のブレスとはまた違った魔法だった。………もしかして、妖精爆弾?」
竜の尻尾を破壊する時に使用した妖精爆弾。たしかにあの魔力爆発は範囲が広かったため、この刀が吸収しててもおかしくはない。刀が触れたなら自動吸収ってことか?
「運が良かったとしか言えないな。はぁ、なんか一気にどっと疲れた。ゲーム初日だよまだ。何やってるんだか…」
初日の進捗とは思えない大業を成したキョーカ。しかしまだこのクエストは完全には終わっていない。
「さて、なんか一気に色んなもの手に入れたからな。竜を倒した時のドロップアイテムでも見てみるか。」
「シュ〜♪♪」
「お?なんか不思議なものいっぱいだな。これは、鎧か?」
嵌合竜の機鎧。これも帰属アイテムってさっき書いてあったな。ん?形成前状態?えーっとなになに、自分で鎧の形を決められる!?
「何そのハイテク鎧…」
「シュッシュッシュ〜♪」
……
………
……………
「誰!?!?!?!?!!!!!!????」




