エルフの大森林 その4☆
大森林での戦闘パートです
『大鬼主』のいる場所へ辿り着いた私たちは、ついに『大鬼主』の討伐を開始します。『小鬼』の他に、『大鬼』を引き連れながら、辺りを散策している『大鬼主』。私たちは、リリアが考案した作戦の通りに行動を開始します。
少し遡り、作戦を話し合います。
「『大鬼主』は本来、『大鬼』を引き連れながら縄張りを支配するんだ。だけど、この森にいる『大鬼主』は『小鬼』まで引き連れている珍しい個体だ。さっきみたいに背後に警戒しながら、『大鬼主』を討伐する必要がある」
「結構すばしっこいからな。俺が前衛で引き寄せているとしても、後衛の2人とアリーシェだけじゃ、少しまずいだろう?」
「そうだね。ガイウスの援護にアリーシェを置いたとしても、後衛の私とクラリスが危険に晒される。なら、前衛と後衛を入れ替えよう。私とクラリスが前衛になり、ガイウスとアリーシェが後衛になる。それなら『小鬼』の背後からの攻撃も対処できるはずだ」
私はリリアの判断に驚愕をします。詠唱に時間がかかる魔法職あえて前衛に置くという作戦のようです。
「それって、私に死ねっと言っているような感じですが?」
「いや、あえてこうするんだよ。そのほうが『小鬼』に対処できるしね。なら始めるよ。あいつがここから移動するまでには、討伐する」
リリアの作戦通り、私とリリアが前衛に立ち、その後ろをアリーシェさんとガイウスさんが歩くという編成になります。すると、リリアの読み通りに『小鬼』が背後から奇襲を仕掛けてきました。ですが、ガイウスさんは『小鬼』達をあしらうように迎撃します。
そして、『大鬼主』が出現し、私たちは戦闘を開始します。
「ブオオオオオオオオオ!!」
「すごい咆哮ですね。これは相当強い個体みたいですね」
「こりゃ、予想以上に強いな。だが、狩らせてもらう!」
私とリリアは、『大鬼主』と対峙します。『大鬼主』の棍棒が私たちに振り下ろされるが、それを簡単に避けます。
私は奇跡を唱え、バリアを展開します。周囲を見渡すと、『大鬼』が次々と現れてきます。
「次々と現れましたね。汚らしい図体がウジャウジャと湧いてきますね」
「『大鬼主』の能力だろう。次の咆哮が来れば、私たちによっては不利になるだろう」
『大鬼主』の咆哮で、『大鬼』が次々と現れます。私たちは、『大鬼』を倒していきますが、『大鬼主』の攻撃も合間、苦戦を強いられます。
「『主よ 我が敵に光の礫を』」
私は神の奇跡を唱えると、光を光線上に放ちます。すると、『大鬼』の群れに直撃し、『大鬼』は次々と倒れていきます。
「今ので大分片付いただろう」
「えぇ。でも、『大鬼主』には当たらかなかったみたいです」
『大鬼主』は傷がついていない状態で立っております。どうやら、子分の『大鬼』が盾になったそうです。
「こいつは厄介だ。自らを守るように指示されているな」
「どうやら、本体を倒すには『大鬼』がいない状態を狙うしかないようですね」
厄介なことに、『大鬼』は『大鬼主』の身に何かあった際に自身を守るよう指示しているようです。
『大鬼主』に先ほどの奇跡が当たらなかったのも納得がいきます。
「今からデカいの放つ。クラリス、援護を頼む」
「もう、私は攻撃職じゃないんですよ」
リリアは魔法を放つために詠唱を開始します。すると、『小鬼』が『大鬼主』の背後より出現し、私たちに襲い掛かります。
しかし、リリアは詠唱中にも関わらずに火球を放ち、『小鬼』を返り討ちにします。
「詠唱中に別の魔法を放つなんて、人間業じゃないですよ」
「だが、詠唱は完了した。後はこれを放つだけだ」
私たちは、『大鬼主』を引き寄せながら、『大鬼』を倒します。しかし、『小鬼』が後ろから襲い掛かりますが、その後ろから矢が『小鬼』の頭部を目掛けて飛んできました。
「二人とも、大丈夫?」
「アリーシェさん、助かりました。そっちは終わったのですね」
「あぁ、『小鬼』は何とか全滅させたから、後はこいつらだけだ」
アリーシェさんとガイウスさんが合流しました。どうやら、『小鬼』たちを全滅させて来たみたいです。それを見たリリアは、少し微笑みました。
「さぁ、そろそろ終わらせるよ」
リリアの声に、ガイウスさんは『大鬼主』に攻撃を仕掛けます。アリーシェさんも援護するように弓を構えます。
「『竜の一矢』!」
魔力を込めた矢を射抜くアリーシェさん。すると、リリアに襲い掛かる『大鬼』の頭部を吹き飛ばします。
「はぁぁぁぁぁ!」
ガイウスさんは『大鬼主』に向けて斧を振り下ろします。しかし、『大鬼』が壁となりその攻撃を防がれます。
そして私は、奇跡を唱えます。
「『父なる大地を 我が敵を束縛せよ』!」
大地の神の奇跡を唱え、『大鬼主』の体を拘束します。すると、『大鬼主』は暴れながら木の拘束を解こうとします。ですが、その抵抗も空しく、すぐさまリリアの魔法が放たれます。
「滅せよ。『星戟剣』」
空から巨大な剣が降ってきます。すると、『大鬼主』の頭部から剣が突き刺さり、『大鬼主』を串刺しにします。そして、摩擦熱の影響により、『大鬼主』の体が蒸発し『大鬼主』が焼き焦げてました。
「さすが、相変わらずチートですね。その魔法」
「すげぇ、剣が空から降ってきたなんて、初めて見たぜ」
「『大鬼主』を一瞬で倒すなんて、リリアさんすごいよ」
リリアは杖に乗りながら私たちの方に振り向きます。
「二人は初めてだったね。これが私の得意な魔法、『剣を創造する魔法』だ。私が思う形の剣を自在に創ることができる魔法だ」
リリアの得意魔法である『剣を創造する魔法』は、彼女自身が思った剣を自在に創ることができる魔法です。
彼女がその場で想像した剣を詠唱することで創造する極めて稀な魔法だそうです。私は彼女と長く旅をしているので見慣れてますが、初めて見る二人は驚いているのも無理もありません。それぐらい、珍しい魔法ですから。
「『大鬼主の牙』も手に入れたし、そろそろ帰るよ」
「そうですね。さすがに疲れましたね」
私たちはエルフの里に戻ります。そして、長老様に『大鬼主の牙』を見せると、長老様は喜び、宴を開始します。
しばらく祝宴に参加し、私たちはそれぞれの部屋に戻ります。私とリリアは部屋着に着替え、日記を書きます。すると、リリアが星空を見上げながら何か考えていたようです。
「どうかしましたか?」
「いや、なんでもない。日記も書いたし、寝ようか」
リリアがランタンの火を消すと私たちは眠ります。しばらく眠り、ふと目が覚めるとリリアがベッドからいなくなっていました。
私はリリアを探していると、偶然ガイウスさんと出会います。
「ガイウスさん。リリアを見ませんでした?」
「見たって、俺水飲みに起きたんだけど」
ガイウスさんにリリアがどこにいるか尋ねますが、わからなかったようです。すると、民家の庭でリリアとアリーシェさんが何かを話しています。
ガイウスさんと息を潜め、二人の様子見ます。そして、私は驚くのでした。
「まさか、アリーシェさんが……」
次回でエルフの大森林での回は終わります。
もしよければ、ブックマークやいいね、評価の程よろしくお願いします!
レビューや感想も是非!!




