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知人

 ここ最近は一日に依頼を二件ずつこなすようになった。


 今までは街道から外れた大平原方面しか行ったことなかったけど、俺たちもレベルが上がりハーピー三姉妹も仲間に加えたのでそろそろ違う方面や少し離れた場所にも行ってみたいと思うようになった。

 ただFランクの討伐系依頼が一番効率良く済ませられるのは平原方面だと言うことでまずはランクを昇格させてからにしようと言う方針に決めた。


 そして、今日で十個目のFランク討伐系の依頼を終えて昇格試験の受諾条件をクリア。

 もう昼過ぎているので万全を期して試験は明日にしよう。


 所持金は地味に増えて8000Gとなった。ベンさんが言うには初心者の割にかなり稼いでいるほうらしい。依頼のペースも早いそうだ。

 確かに少し急ぎ気味かもしれないが、無理をしている感じではないので大丈夫だと思う。


 「さて、少し遅めだが昼食にしようか」

 「そうっすね」

 「「「ゴハンッゴハンッ」」」


 売店で少しボリュームのあるサンドイッチ風料理と炭酸飲料のような物を幾つか購入し、街の中央辺りにある大きな広場で昼食をとる。

 人も多いが広々としているのでハーピー三姉妹も伸び伸び出来るし、少しぐらい騒いでも周りの喧騒に打ち消されるし良い場所だ。

 俺とホシコは先程購入した物を食べスーラやハーピー三姉妹には魔物を与える。


 「うん。美味しい」


 外での食事って和むよな。開放感もあって気分も良い。


 と、まったり昼食タイムに興じながらふとスーラへ目線を向ける。

 ホシコに指摘されて気付いたことなのだが、どうも最近スーラが大きくなってきているみたいだ。毎日見ていると中々気付けないが少しずつ変化しているらしい。


 魔物は特定の条件を満たすことで上位の魔物へ進化することがあるので、もしかしたら進化の前兆かもな。

 スライムは最下級の魔物だから自然で生き残るのは厳しいが、保護下に置いて成長させることが出来れば進化も早いし条件も単純だった気がする。俺がネトゲ時代に初めて配下に加えたスライムもレベルを上げていたら普通に進化した。


 「いっぱい食べて大きくなれよ、スーラ」

プルンッ


 相変わらず最高の手触りだ。スーラの感触を堪能していると、魔物を食べ終えたハーピー三姉妹が俺の食べている物に興味を示し群がってきた。


 「ソレ、チョウダイ」

 「タイシノ、タベタイ」

 「分かったから落ち着け。お前らの分もあるから」

 「ヤッタヤッタ」

 「ほれ、仲良く食べろよ」


 ハーピー三姉妹は食欲も好奇心も旺盛なので魔物以外に普通の料理も食べたがる。なので、その分も購入済みだ。そのせいで日々の食費が計算よりも若干多くかかっている。


 「今日はこの後どうするかな……」


 明日昇格試験を受けるつもりだし、もう宿に戻ってゆっくりしても良いが……。


 「レナさん……で、ございますの?」


 ん? 何だか気品漂う女性とピシッとした老人男性の二人組がこちらに近づいてくる。


 一人は金髪で、編み込んだ髪の束を後頭部でお洒落に纏め上げたお嬢様風な女性。上品さが漂う端正な顔立ちで瞳は青。青を基調とした貴族が着るような装飾が華やかで品のある、スカート部分が膨らんだドレスを着ている。

 もう一人は白髪をオールバックにして眼鏡を掛け、先がクリンとカールした口ひげを生やしている執事風の老人。ビシッと黒の執事服に身を包み、背中に大きくて重量感があり、煌びやかで高価そうな盾を携えている。


 いかにも上流階級の人たちらしい高貴なオーラと佇まいだ。

 レナさんとか言ってたが……人違いか?


 「やはりそうですわ。その黒が混じった暗い青髪のツインテールと端正な御顔……でも、少し体調がよろしくなさそうですわね」

 「何ですか? どちら様ですか?」


 二人とも俺を無視して隣に座っているキャシーに話しかけているようだ。知り合いに話しかけるような感じで……え、もしかして。


 「確かにその御姿はレナ殿のようですな。しかし、血の通わぬ白い肌に白く虚ろな瞳。一見人間と変わらぬようですが、どことなく漂う異質な雰囲気……お嬢様、これは」

 「それは……ま、まさか……フレッシュ・ゾンビとでも仰りますの!? あの強さと英知を併せ持つレナさんが死んだと……そのようなこと、あるはずありませんわっ!!」

 「し、しかし、私共を見る目に警戒と敵対の色が見えますぞ。虚ろな瞳でありながら的確に対象を見据える、このような反応はフレッシュ・ゾンビのもの」

 「そんな……それでは、本当に……」


 すごく陰鬱とした雰囲気だ。

何となく状況は理解できた。恐らくこの人たちは生前のキャシーと知り合いだった人物なんだろう。

 となると、現キャシーの飼い主である俺から挨拶しないと駄目だろうか。

……入りにくいな。


 「あ、あの~……」

 「ん? 何ですの、あなたは」

 「お、俺は冒険者で魔物使いの青空大志と申します。レナさん? の飼い主と言うか何と言うか……」

 「か、飼い主……ですって? まさか、あなたがレナさんを殺害した張本人ですのっ!?」

 「え、いやいや、違いますって!! 俺は洞窟でレナさんと遭遇して仲間に引き入れてそれで……」

 「きっとそうですわ。レナさんはその辺の魔物にやられるような方ではありませんし、自分の実力を見極め勝てない相手に手を出すようなことはしない聡明な方……この男がレナさんを自らの奴隷とするために暗殺し、魔物へと変貌させた後に調教を施したのですわっ!!」

 「ちょ、待って待って!! 話を聞いてっ!!」

 「汚らわしいっ!! 爺や、この者を捕らえなさいっ!!」

 「いや、誤解だってばっ!!」

 「そうっすよ。マスターはそんなことしてないっす」

 「タイシ、ヤサシイ」


 ホシコやハーピー三姉妹が俺を擁護してくれた。ありがとうお前ら。


 「なっ……よく見れば裸のハーピーを三体も連れているじゃありませんのっ!! 可愛らしい女の子にもこんな体のラインがハッキリと出る衣服を着せて、やはりこの男は性欲に支配された汚らわしい獣なのですわっ!! それでレナさんも」


 げっ!! 完全に裏目に出たっ!!

 確かにハーピー三姉妹は胸をさらけ出したままだったな。魔物と言う認識が強くて忘れていた……嘘だ。おっぱいプルンプルンが見たくて忘れたフリしてました……俺のバカ。


 「落ち着いて下され、お嬢様。このお方の話を聞かずして決めつけてはいけませぬぞ」


 爺やと呼ばれた老人が女性をなだめてくれている。

 た、助かった~。このまま牢獄へGOしちゃうのかと冷や汗ダラダラだったわ。


 「はぁはぁ……そうですわね、もう大丈夫ですわ。お話を聞かさせて頂けますか?」

 「あぁ、はい」


 キャシーと出会った場所、手懐けた方法、キャシーと言う名前で呼んでいたこと等々を話した。


 「洞窟になぜ……」

 「確か……出て行かれる少し前にレナ殿が“珍しい魔物”がどうとか仰られていたのを小耳に挟みましたな。魔物の使役魔術関連などにも秀でておられたようですし」

 「では、その魔物に関係しているのでしょうか。その洞窟に行けば手掛かりが掴めるかもしれませんわね」


 何とか話が収まるかと思ったその時……。


ピュー……バサバサッ


 強い風が吹き、キャシーの羽織っていた赤いマントがはためいた。

 そして、中のあられもない姿がお披露目されてしまった。


 「あっ!! いや、これには訳が……」

 「け、汚らわしいですわっ!! やはりこの男は信用出来ませんわっ!! 先ほどの話も全てでっち上げなのですわっ!!」

 「これは……擁護出来ませぬな」

 「あぁ……」

 「マスター、頑張って下さいっす」


 俺は性欲に支配された獣だな。







 必死に弁明してどうにか納得していただいた。

未だにキツく疑いの眼差しを向けられているが……結局は俺のまいた種だし仕方ない。


 そして、何だかんだ話した結果全員で洞窟へ赴き、キャシーの死に関する手掛かりを探しに行くことになった。

 俺も身の潔白を証明する為に必死だ。


 今日は微妙な時間帯なので明日の朝、門付近で合流し洞窟へ向かうと言うことになった。

 昇格試験は後日に延期だな。



徐々にお気に入り登録して下さっている方が増えてきて嬉しいです。評価を下さった方も有り難うございます。

余り練られたストーリーやキャラなどは技術不足で出来ていませんが、少しでも成長できるように精進していきます。

感想も良ければお待ちしています。短いのでも長いのでも気軽にどうぞ。

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