第48話 裁判が迫る夜と、眠れない私の心臓の音
裁判実行日まで、あと2週間になった。
前回は、クソ弁護士と話の通じない裁判書記官たちのせいで、直前になって、裁判が取り消された。
あの時の悔しさと虚しさは、今でも胸の奥に残ってる。
だからこそ、今度こそ!
今度こそは、絶対に実行させる!
そして、予定されてる裁判で、離婚を成立させる!
そう思えば思うほど、胸の奥がざわついて、不安に駆られてたから、神棚にいつも、手を合わせてた。
「今度、予定されてる裁判は、無事に行われるだろうか?」
「1回の裁判で、『既婚者』という肩書きから、解放されるだろうか?」
「これ以上、自分を蔑ろにしたくない!」
「裁判って、どんな雰囲気なんだろう?」
「何があっても、今度こそ、離婚を成立させたい!」
そんな複雑な思いが、夜になると一気に押し寄せてきて、眠れない日が続き、裁判予定日の2週間ほど前から、心臓の鼓動が速くなった。
心臓の音が、ドクドクと耳の奥まで響くほど、大きく聞こえる。
まるで、不安と緊張が、身体の中で暴れてるみたいだった。
裁判というものに、私は生まれて初めて立ち向かう。
誰も助けてくれない。
弁護士もいない。
全部、自分でやるしかない。
それでも私は、ここまで来た。
書類も、証拠も、説明も、全部ひとりで整えてきた。
あの日、家を出て自由を手に入れた私が、今度は
『既婚者』
という鎖を断ち切るために、最後の戦いに向かっている。
不安で眠れなくても、頭痛で動けなくても、心臓がうるさくても、私は前へ進む。
だって、ここを越えたら、ようやく本当の意味で
『私の人生』
が戻ってくるから。
そう何度も、自分に言い聞かせた。




