第38話 暗がりの中でつかみ直した灯り
短大に入ってから、私は同時にバイトも始めた。
最初は
「奨学金のために働かなきゃ!」
という気持ちで続けてたけど、だんだんとバイトの方がやりがいを感じるようになっていった。
学校が終われば、ほぼ毎日バイトへ向かい、気づけば生活の中心は、学校ではなく、バイトになっていた。
そんな私を見て、母はこう言い放った。
「こんなに働いて、短大と両立できるの?」
「どっちが優先なのか、分かってるのか?」
奨学金の返済のことを散々、口うるさく言ってきたくせに、いざ働けば、文句を言う。
「そこまで言うなら、援助してくれたっていいじゃん!」
「自分のことは自分でやってるんだから、その日の気分で、いちいち口出ししないでくれる?」
と、心の中でそう叫んだ。
1年通い続けた頃、私は薄々気づき始めた。
「ここは、私の求めてた場所じゃない」
学校に行くこと自体がストレスになり、心がどんどん重くなっていった。
そして、ついに中退を決めた。
辞めると伝えた時、私に意地悪をしてきた講師たちは、
「どうして辞めるの?」
「他にやりたいことでもあるの?」
と、まるで興味を示すように根掘り葉掘り聞いてきた。
それを聞いて私は、
「私が辞めようと思った理由は、お前らの態度が原因なんだけど!」
「いい大人が、何寝ぼけたこと言ってんだ!」
と怒りが込み上がった。
中退の手続きが終わったあと、講師たちは口を揃えて言ってきた。
「頑張ってくださいね」と。
「誰のせいで辞めると思ってんだ」
「思ってもないことを言って、私を舐めんな」
と、胸の奥で、さらに怒りが静かに増した。
中退後は、残っていた奨学金を返済するために、ひたすらバイトを続けた。
そして、ついに一括で返済を終えた。
その瞬間、心の中でひとつの決意が固まった。
「都会で1人暮らしをする!」
「もう、この家から出てやる!」
「ずっと憧れていた場所で、今度こそ、自分の人生を生きよう!」
実家暮らしは、本当に息苦しかった。
都会に出たい理由は、ただの憧れだけじゃなかった。
「自分の人生を自分で選びたい!」
という強い願いが、胸の奥でずっと灯っていた。
こうして私は、ようやく『自分の灯り』に向かって歩き出す準備を始めたのでした。




