第37話 短大で見失いかけた灯り
短大に入学する前、説明会があった。
地元ということもあり、中学校の同級生がちらほら来ていた。
その顔を見た瞬間、胸の奥が『ずしん』と重くなり、
「あぁ、やっぱ辞退したい」
って思った。
母にその気持ちを伝えても、
「地元なんだから、いて当然でしょ」
と、あっさり切り捨てられ、その言い方が、妙に冷たく感じた。
高校までは、児童相談所に通っていたけど、18歳になると『卒業』という決まりがあった。
通わなくなった途端、母の『あの感じ』が、また戻ってきた。
「この数年、あんたのことで我慢してきたんだから!」
そんなオーラを全身から放っていた。
「どれだけ相談期間に通っても、この人だけは変わらないんだ」
そう思った瞬間、胸の奥で、何かが静かに切れた。
「やっぱり、この毒親たちから離れないといけない」
「このまま実家で暮らし続けると、私は一生、こいつらに支配され続けてしまう」
「縁切った方が、自分のためだ」
そう強く思った。
短大での生活は、想像していたものとは、大きく異なった。
楽しくもなければ、私が求めていたものとは、全く違うものだった。
奨学金まで借りて通ってるのに、何のために、ここにいるのか分からなくなった。
さらに、追い打ちをかけるように、差別意識の強い事務員たちがいた。
なぜか私にだけ、風当たりが強く、傘がなくなった時には、
「それは、あなたの自己責任」
と突き放された。
他の人が悪い場面でも、なぜか私だけが責められたこともあった。
その事務員に、似たような講師もいた。
他の生徒にはにこやかに接するのに、私にだけ冷たい。
遠回しに意地悪を言ってきたり、素っ気ない態度を取ったり。
その講師は、毎回、くどいくらいに自分の子どもの話ばかりしてきたから、この人の授業に出ているのがバカバカしく思えた。
「なんで私だけ、こんな扱いを受けないといけないのか?」
次第に学校に行くのが、しんどくなっていった。
奨学金を借りてまで通ってるのに、心はどんどんすり減っていった。
短大での生活は、私にとって
『新しい灯り』どころか、『闇の始まり』
だったのでした。




