第34話 取り戻した相談室の灯り
高2の時の担任は、女の先生ではあったが、私から見ると、とにかく声が大きく、相談事を持ちかけても、別室に移動することはなく、その場で完結させようとするタイプの人だった。
人の目がある前でも、平気で話を進める感じがどうしても苦手だったし、一言で言うと、
『デリカシーがない』
それが、私の正直な印象だった。
それでも、担任である以上、頼らざるを得ない場面もあった。相談室に
『トラブルメーカー』
が毎日のように来て、私の居場所を奪っていくように感じる日が続いてたから、私は思い切って相談してみた。
担任は意外にも真剣に聞いてくれ、
「相談室の先生に、あなたとヤツが一緒にならないよう、配慮してもらうよう、伝えておく」
と自ら言ってくれた。
その言葉に少し安心したが、数日経っても、状況は何も変わらなかった。
それどころか、ヤツは相変わらず相談室に来ては、私たちの会話を遮り、自分の話をねじ込んできた。
「言い忘れたのか?」
「本当に伝えてくれたんだろうか?」
そんな不安と苛立ちが混ざり合い、私は再び担任に相談した。
今度はしつこいくらいに、はっきりと。
その数日後、ヤツは突然、相談室に来なくなった。
理由は分からないが、担任が直接、本人に言ってくれたのか、相談室の先生が何か伝えてくれたのか、それとも、ヤツ自身が飽きただけなのか?
けれど、私にとって大事なのはそこではなかった。
また相談室で、落ち着いて過ごせるようになったから、それだけで充分だった。
あの時、勇気を出して担任に相談した自分を、少しだけ誇らしく思えた瞬間でした。




