第29話 厳しさの中で育った小さな灯り
高1の時の担任は、とにかくストイックで、厳しい先生だった。
入学式が終わり、初めて教室に入った瞬間、先生は淡々と告げた。
「高校は単位制です。3年間で5日以上は、欠席しないように」
「どうしても体調が悪い場合は、1度学校に来てから帰りなさい。」
その言葉は、まるで『逃げ道を塞ぐ』ように聞こえた。
けれど私は、中学校で不登校だったから、高校では
「挽回しよう」
「何があっても毎日行こう」
そう決心し、雨の日も、しんどい日も、心が重い日も、私は学校へ向かった。
その結果、高校3年間は皆勤賞だった。
実は、パソコンのことで相談する前から、部活に入ることを強く勧められてたが、興味のある部活は特になく、授業についていくので精一杯だった。
だから、授業が終わると、私はすぐに帰宅した。
それでも先生は、私が真面目に授業を受けているのを、ちゃんと見てくれていた。
「いつもよく頑張ってるね」
その一言が、胸の奥に、じんわりと灯りをともした。
厳しい先生だったけれど、私の努力を見てくれてる人だった。
家庭科の先生とも割と仲が良かったから、よく目をかけてもらっていた。
授業中、クラス全員が自分の意見を発表する時間があり、私はいつも緊張しながらも、自分の感じたことを言葉にしたことがあったが、先生はいつも、優しい目でこう言ってくれた。
「あなたの考えは、ユニークで素晴らしいね」と。
その言葉は、私の心に、そっと寄り添ってくれてる感じがした。
私は、家庭科の先生のことが、とても好きだった。
けれど、学年が変わる頃には、転勤してしまい、少しだけ寂しくなった。
それでも、厳しい担任の先生と、優しく見守ってくれた家庭科の先生。
先生たちの存在は、私の高校生活の中で、確かに灯りになっていたのでした。




