第27話 灯りを求めて踏み出した高校生活
高校に上がると同時に、私は携帯電話を買ってもらえることになった。
その頃には、スマートフォンを持つ同級生も増えてたから、私も思い切って、
「スマホが欲しい」
と、何度も頼み込んだ。
けれど、父は
「これからお金がかかる」
と、当然のように反対し、母は
「姉ちゃんも高校の時、ガラケーだったんだだから、お前も高校卒業するまで我慢しろ」
と、意味の分からない理屈を一方的に押し付けてきた。
「そんなこと、知らんわ」
「時代が違うんだから、姉がどうとか関係ないじゃん」
こうやって、私が何かおねだりすると、いっつも姉を基準にするけど、これがもし、私が姉で姉が妹の立場だったら、
「時代が時代なんだから、しょうがねぇだろ」
って絶対言ってただろうし、姉も姉で自己主張が強い性格だから、
「私もスマホがほしい!」
って言って、自分の主張を押し通しては、絶対にこいつらを説得させてたと思う。
心の中で不満に思いながらも、結局私は、ガラケーを持つことになった。
それなのに、携帯電話を買って、しばらく経った頃、携帯の充電ができないなどのトラブルが起きた時、父は私に向かって、
「お前は別に何でもいいんだろう」
と、無責任なことを言い放ってきたことがあった。
私は
「あれだけ欲しい」
と何度も主張した。それを、自分たちが高圧的に
「ダメだ」
って言ってきたくせに、まるでなかったことにされた。
親だからって、勝手に決めつけて、勝手に話を終わらせられたことに対して
「ふざけるな、クソオヤジ」
って胸の奥で、怒りがジワっと燃え上がった。
高校生になってから、私の人見知りは、さらに加速していた。
なるべく、同じ中学校の同級生が狙わない高校を選んだつもりだったが、それでも私を含めて5人くらいは、同じ中学校から来てたから、
「絡まれたらどうしよう?」
「中学校の出来事を暴かれたら、どうしよう?」
そんな不安が、胸の奥で渦巻いていた。
入学式が終わり、教室に入った瞬間、私は緊張で周りを見ることすらできなかった。
久しぶりの教室という空間が、まるで知らない世界のように感じられたのでした。




