第26話 期待と圧力の中で、それでも前へ
カウンセラーの先生は、私が誰とも話さないのを不思議に思ったのか、
「愛羅ちゃんはどうして、ここにいるみんなと話そうとしないの?」
と聞いてきた。
私としては、
「無駄に話をしたくない」
というのが正直な気持ちだった。
私の性格上、おしゃべりをすると、そっちに集中してしまい、やるべきことに身が入らなくなる。
それが分かっていたからこそ、必要以上に人と関わりたくなかった。
担任の先生も同じように、
「愛羅ちゃんは、真面目で頑張り屋なのはすごくいいところだけど、もっといろんな人とコミュニケーションを取れたら、もっと良くなるのに」
と、そんなどうでもいい説教をしてきた。
高校受験では面接もあり、練習をしている時に、担任の先生は
「そんな質問、面接官が聞くわけないでしょ」
というような内容をわざと、投げかけてきたこともあった。
まるで、私を貶めているように感じ、嫌気が差した。
高校の体験入学もあったが、同級生と鉢合わせする可能性が高く、正直言って行きたくなかったから、先生たちに
「行きたくありません」
と正直に伝えると、
「別に行かなくていいけど、試験はどうするの?」
と言われ、母にも同じことを言われた。
「それって結局、遠回しに行けって言ってるのと同じことじゃん」
「だったら最初から、そう言えばいいじゃん」
「自分たちが、めちゃくちゃなことを言ってるっていう自覚もないんですか?」
そう思いながらも、言われるがままに参加したが、特にトラブルはなく、実際の雰囲気を体験できたから、良い経験にはなった。
そして、1年間の努力が実り、志望校に合格した。中学校を卒業する時には、
「これでやっと解放される!」
「もう人目を気にしながら、学校に行かなくて済む!」
そう思え、肩の力がふっと抜けるような感覚を味わったのでした。




