第23話 家の中にも居場所はなかった
姉とは言い合いになるたびに、
「学校に行けよ、この引きこもり」
と、毎回罵られた。
少しでも言い返すと、
「テジのくせに、言い訳するな」
と暴言を吐かれ、時には暴力まで振るわれた。
さらに、
「お前がそんな性格だから、碌に友達もできねぇんだよ」
と、私の心をわざと、踏みにじるような言葉まで投げつけてきた。
『学校にも家にも居場所がない』
そう感じた私は、ついに我慢の限界に達した。
その様子を察した相談員さんは、児童相談所と連携してくれ、
「一度、お母さんと一緒に相談に来てください。お母さんには、私から伝えておきますね」
と言ってくれた。
しかし、母はなぜか、私に怒りをぶつけてきた。
「お前はどれだけ、親に迷惑をかけたら気が済むんだ」
「相談員さんも、こいつの言いなりになって」
「明日は仕事休んで、児童相談所に行くんだから、感謝しろよ」
と、まるで私が悪いことをしているかのように、責め立ててきた。
それでも、児童相談所に通うようになってから、母は第三者の意見に耳を傾けるようになり、怒鳴りつけるような言い方は、少しだけ減った。
けれど、私の辛さを理解しようとする姿勢は、最後まで見受けられなかった。
不登校になった私は、
「同級生やご近所さんに会うのが怖い」
と母に打ち明けたけど、返ってきたのは、
「だから何?」
「そうやってオドオドするから、目をつけられるんだよ」
という、さらに傷つく言葉だった。
「どうしていつも、否定的なことばかり言うんだよ。やっぱ、母に相談するだけ無駄なんだな」
そう悟った私は、この日を境に、自ら母に相談するのを辞めたのでした。




