第21話 初めて届いた私の声
ひと通り話し終えた後、相談員さんから
「今日は、電話してきてくれてありがとう」
と言われ、その言葉が胸にじんわり染み込んだ。この時、誰かに
『ありがとう』
と受け止めてもらえたことが、すごく嬉しかった。
電話相談では、学校のことだけではなく、家庭のことも少しだけ話した。
すると、相談員さんは、
「もしよければ、お母さんとも一度、お話がしたいのですが、一緒に来てもらうことはできますか?」
と提案してくれた。
私は母に
「学校に関わることだから」
とだけ伝えると、母は意外にもあっさり了承してくれ、後日、母と一緒に相談員さんの元へ足を運んだ。
その時、私は別室で待機していたから、母と相談員さんの1対1の時間になった。
後で母から聞いた話によると、相談員さんは母に、こう伝えてくれたそう。
「愛羅ちゃんは、かなり限界に達しています。今は無理をさせず、休ませてあげてください。無理は禁物ですから」と。
その言葉を聞いた母は、渋々ではあったが、自分の行いを少し見つめ直してくれ、これまでのように強要してくることは、ほんの少しだけ減ったように思えた。
けれど、同時に、私は心のどこかで感じ始めていた。
「うちって、他所の家庭と違って、なんかおかしいのでは?」と。
その違和感は、この頃から静かに、芽生え始めていたのでした。




