表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
灯りの記録 〜幼少期から実家を出るまでの記録 番外編〜  作者: なかみね ひまり


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

2/33

第2話 風邪を引いても看病をしてくれなかった母


母は、姉が熱を出した時は必ず看病し、病院にも付き添っていたが、私が熱を出した時は


「仕事だから!」


と言い、看病も付き添いもしてくれなかった。



私を病院へ連れて行ってくれたのは、いつも父方の祖母だった。


しかも、私が風邪を引く時は、たいてい姉から移された時ばかり。


なのに母は、私だけを責めるように扱ってきた。



ある日、祖母と病院の待合室で順番を待っていた時のこと。


混み合った待合室で、私は自分の名前が呼ばれていたことに気がつかなかった。



だけど、祖母はすぐに診察室へ入っていき、私は


「祖母も診てもらいたいところがあるのかな?」


と思っていた。



ところが突然、診察室の奥から祖母が大きな声で私の名前を呼び、


「早く来い!」


と叫ぶように言ってきた。



その声に、待合室の人たちが一斉に私の方をジロジロ見出して、


「何してるのかしら?」


「呼ばれてるのに気づかないなんて」


と、ボソボソと陰口を叩かれ、嫌な気持ちになった。



その瞬間、胸がぎゅっと痛くなり、


「もう誰にも付き添ってほしくない」


と強く思うようになった。



この時を境に、病院に行くこと自体が、ただの治療ではなく


『恥ずかしさ』や『怖さ』


と結びついてしまった。



小学生の頃、インフルエンザに2回くらい、かかったことがあった。


高熱でつらくて、ただ、そばにいて欲しかっただけなのに、母は


「お前の免疫が弱いから、病気になるんだ」


と、いつも決まってこう言ってきた。



「どうしてこんな時まで、責められないといけないのか?」


弱っている時ほど、心に刺さる言葉だった。



この時の私はただ、悲しくて、苦しくて、泣きたくなる気持ちを押し殺していたのでした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ