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第10話 わがままを受け止めてくれた先生
保育園までは、送り迎えがあったけど、小学生になると、自分の足で登校しないといけなくなった。
私の家から小学校までは、徒歩で30〜40分ほどだった。
少し遠い地域に住む子たちは、スクールバスに乗れたが、私が住んでた地区は
『ギリギリ徒歩圏内』
と判断され、バスに乗れなかったことが、悔しくてたまらなかった。
さらに、近所に同級生もいなかったから、当然ながら、一緒に帰る友達もおらず、いつもひとりで帰ってた。
小学生になりたての頃は、ひとりで帰ることが怖くてできず、担任の先生に無理を言って、途中まで一緒に来てもらったこともあった。
そのたびに、同じ方向に帰る男子たちからは、
「ひとりで帰れないなんてダサい」
と罵られることが多く、彼らと帰る時間が重なるのが嫌で、先生が来れない日は、わざと図書室で時間を潰してから帰っていた。
今思えば、このお願いは、本当にワガママだったと思う。
それでも、嫌な顔ひとつせず、私の不安に寄り添ってくれた小1の時の担任の先生には、思い出すたびに、感謝の気持ちしかないのに、その時のお礼が言えないまま、私は、小学校を卒業したのでした。




