四 拒否
約束の時間の1月3日午前8時になった。タクミは、約束の場所でミコトを待っていた。数分遅れて、ミコトが来た。
「ごめんなさい、ちょっと準備に時間がかかって、遅れちゃって…」
「全然大丈夫ですよ。あなたにならいくら待たされてもいいです。」
タクミは、遅れたミコトに起こることもせず、笑って許した。
「それで、返事なんですけど……ごめんなさい、私あなたの想いには答えられません…私には、大切な家族や友人がいるんです……本当にごめんなさい…」
ミコトは、頭を下げて謝った。
「そう、ですか……そうなんですね……」
タクミは、感情のこもっていない声でそう答えた。
「あの、最後に顔を見つめさせてもらってもいいですか…?」
ミコトはそれくらいならいいと思って、了承した。それを一生後悔するとも知らずに───
タクミは、ミコトの顔を手で挟んで目線を逸らせないようにした。そして、目をじっと見つめて言った。
「あなたを逃がしたりなんか、絶対にしない…あなたは僕の番になる人なんだ…僕が幸せにしてあげるから…体の隅々まで、骨の髄まで、血の一滴まで、どこも余さず愛してあげますから…だから、絶対に逃がさない…」
タクミは、彼の能力『洗脳能力』を使った。彼の声に支配されたミコトはだんだん目が虚ろになっていった。
「それで、もう一度答えを聞いてもいいですか?」
タクミは、優しい笑顔で聞いた。しかし、その目は笑っていなかった。
「あなたの番になります…一生そばに居させてください…」
ミコトは、感情のこもっていない機械のような声で返事をした。
「ふふっ、そうですか。僕と一緒になりたいんですか」
タクミは満足そうに笑った。
「今度はその言葉を自分の意志で言えるようになるまで、僕の愛を君の体にしっかり調教してあげるからね……それじゃ、一緒に神界 僕たちの家に帰ろうね……」
タクミはミコトをやさしく抱きしめて言った─────




