乱戦(7)
「ソード2、チャーリー・ランパード機、ロスト。生命反応消失」
アレン機を含むジフォス中隊3G部隊全機の脳波リンクに、無慈悲な電子音声が流れる。
バカな・・・あり得ない。ランサーストラトスを一撃で撃破だと? 帝国の兵器ならいざ知らず、反乱軍にそこまで強力な武器などあるはずがない。
アレンの困惑が僅かな隙を生む。
「しめた!!」
ローガンのアッシュハウンドがアレンのエクリプスランサーからの急速離脱に成功した。
しかし戦線を離脱するわけにはいかない。すでに味方機は4機のみ。ここでローガンだけが生還しても、残るゼナ、セーブル、ベネトは落とされる可能性が大だ。
ローガンは固まった左腕を右腕で無理矢理動かし、盾を前面に構えたまま戦場へと急加速する。
「主よ。困ったことに次弾までクールタイムが30秒かかるぞ」
3GのGBUシステムによるハイスピード戦闘では、1秒もかからずに戦況は一変する。
「フルパワーは一時封印!! 速射優先じゃ!!」
先ほどの一撃で敵はグングニルを最大警戒しとるはず。ならば速射で牽制したほうがよい。できれば敵を混乱させたい。
「速射で乱れ撃ちじゃ!!」
「一撃必殺を捨てて、乱射と来たか・・・狙撃屋としての私のプライドなどお構いなしだな」
「言ってくれるな。この戦いは死んだら負けなんじゃ」
「主よ・・・貸しにしとくぞ」
グングニルが光子弾を四方八方に次々と撃ち放つ。まるで狙っていないような乱射にもかかわらず、全弾敵を掠めるような射撃なのはグングニルの意地か。
挨拶代わりとでも言わんばかりに、グングニルは戦場の敵3Gの全て14機に光子弾を撃っていた。
当然、ゼナの相手をしていたマイクとクリスにも光子弾が飛んでくる。二人の意識は完全にゼナに集中していたため、意識外からの攻撃に二人は一瞬だけ体を硬直させてしまった。
この時とばかりに乱入してきたのは満身創痍のアッシュハウンドだ。ゼナのスノーバードとマイクのランサーストラトスの間を割り込むように通過した。
「隙あり!!」
ゼナのスノーバードがPPAを両拳に纏わせ、至近距離のマイクへと猛ダッシュをかけた。
反応が遅れたマイクだが、必死に身をよじりスノーバードを躱す。
しかしゼナの狙いはマイクではなく、偶然一直線上に並んだ後方にいるクリスのランサーストラトスだった。
光子弾とローガンの戦場乱入により完全に不意を突かれたクリスは、盾を構えるのが精一杯だ。
「無駄ぁっ!!」
スノーバードの右拳に宿った光子がランサーストラトスの盾に吸い込まれ、位相崩壊により大爆発を起こした。盾は左腕と共に跡形もなく弾け飛び、ランサーストラトスは無防備になった腹部を曝け出す。
「もらったぁっ!!」
スノーバードの光る左フックがランサーストラトスの脇腹に突き刺さった。




