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重霊機モルスレプス(Gravity Ghost Gear MORS LEPUS)  作者: 高戸 賢二
初陣

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34/48

激突(3)

 ザクセンのオベリオスが46部隊の3Gを視認した。5機が一塊の密集隊形に布陣している。中央の3Gが光の弾を放つロングライフルを撃っているようだ。

「見つけたぞ、反乱軍。まずは蹴散らしてくれるわ」

 艦首を46部隊に向けたオベリオスが、踊るように突撃してきた。

 セーブルの2丁撃ちとゲラルドの中距離Gサイクロトロン銃が正面から迎え撃つも、弾丸はオベリオスの艦首に傷一つ付かない。

「危ない!!」

 セーブルのハイホークXが動きの鈍いクラフターの手を引っ張り、オベリオスの突進を間一髪で避けさせた。

 すれ違いざまにローガンのアッシュハウンドがGサイクロトロン銃を放ち、ゼナのスノーバードが接近戦を試みるもどちらもオベリオスに躱されてしまう。

「あの図体で、なんていう動きだ・・・」

「デカいくせにちょこまかと!!」

「豆鉄砲など効かぬわ!! 砲撃手、何をボサッとしておる!! ワシの動きに構わず撃たんか!!」

 オベリオスの動きに翻弄されていた砲撃手が、慌ててGサイクロトロン砲を撃ち始めた。しかし照準を合わせられず明後日の方向へと放つのみだ。

「当てようと思うな!! 近づけさせなければよい!! 弾幕のつもりで撃ちまくれ!!」

 オベリオスがUターンよりも鋭角なV字でターンする。

「そこじゃ!!」

 クラフターのグングニルが火を噴いた。

 ガガーン!!

 光子弾がオベリオスの横っ腹に直撃した。

「「「うわぁぁぁぁ!!」」」

 オベリオスが激しく揺れ、乗組員が驚声を上げ何人かが転げまわる。ザクセンも足をふらつかせ艦橋で跪いた。

「ハッ!! 反乱軍もやりおるわ!! だがグラビウム製の特殊複合装甲は貫けまい!!」

「くう・・・グングニルでも効かんか・・・」

 ベネトが呟いた瞬間、霊子通信ではない接触通信のような声が脳裏に届く。

「・・・主よ」

「ん? 誰じゃ?」

 クラフターには誰も接触していない。

「私だ。グングニルだ」

 自律行動できるインテリジェンスウェポンだと聞いていたが、グングニルの声は初めて聞く。精悍な壮年の男性のような声。ベネトは驚きのあまり返事ができなかった。

「主よ。耄碌して耳が遠くなったか?」

「はあ?」

 何じゃ? これがグングニル? これがインテリジェンスウェポン? インテリジェンスと言いながら、知性の欠片もないではないか・・・

 中世の頃にできた初期のAIは人間らしさを強調するために砕いた言葉を使うことがあった。親しみやすさを加味することにより、単純に言えば「売れる」ことを優先したのである。しかし宇宙時代のAIに必要なのは正確性と情報量。簡潔で過不足なく要求に応えることが必須であり、人間らしさなどは二の次なのである。

 DPWDが作ったにしては、あまりにもAIとしての方向性が違う。

「爺さん!! ボーッとすんな!! 死ぬぞ!!」

 ゲラルドに引っ張られ、敵の弾丸が頭を掠めたベネトであった。




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