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ゼナのスノーバードの改修を終えたカシアン達DPWDの宇宙船は、46部隊の野営地から去っていった。
「私たちはまだ仕事が残っていますので、しばらくはテラクア星系に留まります。何かあったら連絡をください。私たちにできることならば、微力ですが協力は惜しみませんので」
との言葉を残して。
「何から何まで世話になりっぱなしだったな」
「仕方ねえだろ。本部より頼りになるんだから」
「違えねえ!!」
「「「ハハハハハ」」」
DPWDの宇宙船を見送りながら、暢気なことを言い合う隊員たち。クリューにはDPWDの思惑がどうしても見えない。
「ガキが難しいこと考えてんじゃねえよ。貰えるものは素直にもらっとけ。ここは戦場なんだ。下手なプライドは身を亡ぼすぞ」
ローガンがクリューの頭をクシャクシャと撫でまわす。
「なあ、オヤジ!! 早速訓練しようぜ!! アタシのPPAを試してみたいんだ!!」
「オヤジと呼ぶなって言っただろ!! ったく・・・」
「ワシからも頼むぞぃ。グングニルがどんなものか試してみんとな」
「どいつもこいつも目の色を変えやがって・・・しょうがねえな」
ローガンはニヤリと笑う。
「整備班!! 機体の準備急げ!! ゼナ!爺さん!! 使い方は教わったんだろうな!?」
「モチのロン!!」「当然じゃ」
「よっしゃあ!! 1時間後に実戦形式の訓練をすっぞ!! 各員、今のうちに体調を整えとけ!!」
「オッケー!!」「了解!!」「任せとけ!!」
暢気な空気が一変する。各自がそれぞれの役割を果たすべく、バラバラに散っていった。
「おめえは爺さんの見学だな」
「わかってるって」
マロウの言葉に口をとがらせながら頷くクリューは、12歳らしいあどけない表情を見せていた。
そこにキャロルが慌てた様子で司令テントから飛び出してくる。
「隊長!! 本部から霊子通信が入ってます!! 緊急案件のようです!!」
「ちいっ、こんな時に!! 敵襲かっ!? すぐ行く!!」
ドスドスと足を鳴らしながら、ローガンが司令テントへと駆けていった。
「緊急案件の霊子通信か・・・」
ローガンの後姿を見つめながら、マロウが呟く。
「・・・ヤバいの?」
意味がわからないクリューが、マロウに尋ねた。
「ロクな話じゃねえってことだな・・・あ痛っ!!」
マロウの後ろからセーブルが頭をひっぱたいていた。
「そんなんじゃ、わからないでしょ!! クリューにもわかるように説明しなさい!!」
「叩くことねえじゃねえか・・・お~痛え~」
「早く!!」
「はいはい・・・いいか、クリュー。本部っつ~のは大規模レーダーとかで常に敵の動きを追っている。そっからの緊急案件っつ~のは、大体が敵の大規模な動きだったりすんだよ。中隊クラスの敵が結集してるとかな」
クリューは黙って頷く。
「当たり前の話だが、敵が結集してきたらどっかを襲撃する準備ってことだ。こっちも対応しなきゃいけねえ。迎撃とかな」
「霊子通信を使うってことは、一方的な指令じゃないってこと。リアルタイムでのやりとりが必要ってことね。本部との齟齬が無いようにディスカッションするのよ」
「けっ!! 本部っつ~のはいつでも一方的な司令しかしねえけどな!!」
マロウが吐き捨てるように言う。
クリューは実戦の匂いを感じ取った。




