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DPWDの宇宙船から積み荷が全部下ろされた。巨大なコンテナはまだ開封されてはいないものの、日用品や食料などのコンテナはすでに解体され倉庫テントへと運ばれ終わっている。
「ゼナは?」
クリューがローガンに尋ねると、ローガンは肩越しに親指を宇宙船へと向けた。
「スノーバードといっしょに検査とデータ解析だとよ」
「ふ~ん・・・」
ゼナの愛機である3Gスノーバードは、DPWDの宇宙船のカーゴドッグに収納されている。オーバーホールとメンテナンスも兼ねた、戦闘の詳細データを抜き取っているらしい。ゼナも同時に精密検査されているようだった。
「クリューは気に入らねえんだってな? 実験台が」
「気に入らねえんじゃねえ。気が乗らねえってだけだ。ゼナを否定してるわけじゃないんだぜ。何かさ・・・胸の奥の方がゾワゾワするんだよ」
「トラウマか? お前、実験台にされたことがあんのか?」
「さあな。覚えてねえだけであんのかもしんねえし・・・」
「そうか。でも俺は実験台も悪かねぇと思ってる。少なくとも戦場で人殺しするよりは、な」
「あ~・・・そうかもな・・・そう考えりゃあ、悪くねえのか・・・」
「ゼナのことなら、心配すんな。アレは喜んで実験台をやってるよ」
「それならいいけどさ・・・」
クリューの目はDPWDの宇宙船から、近くに置かれた大きなコンテナに移る。
開封されていない大きなコンテナは長さが20m以上もあるが、かなり細いため新型の3Gではなさそうだ。察するに3G用の武器であろう。
いったいどんな実験に付き合わされることになるのやら。
「興味ありますか?」
クリューが未開封の大きなコンテナを見つめていると、カシアンが声をかけてきた。クリューの目はローガンを見やる。
「あ~、カシアン殿。コイツの名は『クリュー』これでもダイバーだ。見習いだけどな」
「見習いは余計だ」
「そうですか、あなたもダイバーでしたか。よろしくお願いします、クリューさん」
カシアンが丁寧に右手を差し出してきた。
明らかな子供であっても、相手が顧客とも言えるダイバーだからだろう。カシアンはクリューに「さん」をつけ、大人と同様の態度で接した。
「よろしくお願いします、カシアンさん」
好感を持ったクリューも丁寧にカシアンの右手を握り返す。
「クリューさんはあのコンテナの中身が気になりますか?」
「はい。興味はあります」
クリューは気づかずに「は」を強調していた。
「興味はあるけれど、実験に付き合うつもりはない」
言外にそう言っているクリューの言葉に、カシアンは表情を変えない。12歳の子供らしからぬクリューの態度は、逆にカシアンの興味を引くこととなった。
「ゼナさんといい、クリューさんといい、将来有望な若手を二人も抱えるなんて、ローガンさんもさぞかし鼻が高いでしょうね」
カシアンの笑みに、ローガンは溜息で答える。
「頭が痛えだけですよ。死んだら将来もクソもねえんですし」




