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重霊機モルスレプス(Gravity Ghost Gear MORS LEPUS)  作者: 高戸 賢二
初陣

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「みんな!! 朗報よ!! 補給が来るわ!!」

 通信員のキャロルが司令テントから笑顔で飛び出してきた。

「補給だぁ??? ウチに補給なんてあるわきゃねえだろが」

 ただでさえ太っているゲラルドが、ふくれっ面で顔を丸くしている。

「そうだそうだ!!」「気休めはやめろ!!」「冗談ならもっとうまいこと言え!!」

 他の隊員たちもゲラルドに呼応するかのように、笑顔でキャロルに罵声を浴びせていた。

「うっさいわね~。アンタたちには何も回さないよ!! ゲラルド、アンタ副長なんだから隊長呼んできて!!」

「え~、めんどくせえな~・・・おい、ジョージ。隊長を呼んで来い」

 仏頂面で髭をこすりながら、ゲラルドが隣にいた痩せた男に声をかけた。

「頼まれたの、アンタじゃん!!」

「うっせ~! 副長命令だ。さっさと行け!」

「きったね~、いつもは副長らしいことしねえくせに~」

「俺は太ってっから、動けねえの!!」

「貸しにツケとくかんな!! ちゃんと返せよ!!」

 ジョージは3Gのメンテナンスをしているローガンの方へ走っていった。


「キャロル、詳しい報告をしろ」

「はい。明日、DPWDが補給に訪れると霊子通信が入りました」

「いやっほ~!!」「やったぜ!!」「天は我を見捨てなかった!!」

 隊員たちが喜ぶ中、クリューだけが事情を飲み込めていない。

「何だ?D・・・ナントカって?」

「アタシのスノーバードちゃんをくれたヒトたちだよ」

 ゼナが笑顔で答える。ゼナが駆る3G「スノーバード」はDPWDから支給された実験機だった。

「ふ~ん・・・」

「クリューが知らねえのも無理はねえ。前に来たのは2年前だからな。DPWDは宇宙国家とは関係ねえ、地球を拠点とした軍事業者だ」

 マロウも珍しく高揚している。ベネトですら笑顔だ。

「何で軍事業者がウチみたいな弱小部隊を支援すんだよ?・・・何か、ウラがあんじゃね?」

 46部隊全員が浮かれ気味の中、クリューだけが素直に喜んでいない。

「そりゃあ、あるだろ。ウラぐらい」

 ローガンがニヤリと笑う。

「・・・いいのかよ?」

「ウラがあろうがなかろうが、現ナマほどありがてえモノはねえんだ。いちいち気にしてられっか」

「そうだぜ、クリュー。本隊は碌なもん寄こさねえからな。やっと支給されたと思いきや、クラフターだぞ? 頂けるもんは、どっからだろうとありがたく受け取るのがウチの流儀だ」

 ローガンに続きマロウも肯定する。

「ふ~ん・・・」

 クリューはいまいち腑に落ちない。

「気にし過ぎだって、ポチ~。お前の新兵器もあるかもしんねえしさ!!」

「ひっつくな!! それと名前で呼べ!!」


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