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重霊機モルスレプス(Gravity Ghost Gear MORS LEPUS)  作者: 高戸 賢二
初陣

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19/31

見習いダイバー(7)

 日もとっぷりと暮れ、46部隊のテントでは夕食の時間だ。テントの周囲で隊員たちが焚火に集まり、それぞれ適当に分かれて食事を摂っている。

 仕込み銃でのコウモリ狩りを行うクリューを残して、ゼナとマロウ、ベネトの3人は固まってスープとパンの乗ったトレイを簡易テーブルに置いて座っていた。

「ゼナは意外と力があるんじゃのぅ」

 帰りはマロウではなくゼナがベネトをおんぶしていたようだ。

「ベネト爺ちゃんが軽すぎるんだよ。ちゃんと食べてる?」

「フォッフォッフォ~。じじいはメシより酒が好きじゃからのぅ」

 見るとトレイにはパンではなく液体の入ったコップが置いてある。

「ああ、酒は『命の水』だぞ。これが無きゃ、戦争なんかやってらんねえよ」

 マロウのトレイには山盛りのパンと大きなジョッキも乗っていた。

「酒の味だけはわかんねえよ・・・アタシはストロベリージュースの方がいいね」

 ゼナのトレイには真っ赤な液体の入ったジョッキが乗っていた。

「嬢ちゃんはそれでメシ食うのかよ・・・信じられん」

「いいじゃん!! 女の趣味にアレコレ言うと、モテねえぞ!!」

「女がいたら、こんなとこにいねえよ!! もっと田舎で女と乳繰り合ってらぁ!!」

「ゼナよ、マロウはセーブルがおるから、ここにおるんじゃ」

「あ、な~るほど!! 合点がいった!!」

 するとゼナはイスから立ち上がり、配膳をしているセーブルに向けて手を上げた。

「お~い、セーブル! マロウが話があるって!!」

「お、おい! バカ!! よせっ!!」

 慌てたマロウが、ゼナの手を無理矢理下ろさせる。しかしセーブルはエプロンを外し、自分のトレイを持って近づいきた。

「ちょうど一段落ついたからね。私も御相伴に預かろうかしら」

「どうぞどうぞ」

 ゼナがニヤニヤしながら、マロウの隣にセーブルを座らせる。

「あら、マロウ。アンタ飲み過ぎてんの? 真っ赤じゃないの」

「・・・うっせ~」

 マロウは赤い顔のまま、セーブルから顔を背けぶつぶつ言っていた。

「そういえば、クリューは? 一緒だったんじゃないの?」

「・・・修行じゃ」

「コウモリ狩りしてるよ」

「はぁ? なにそれ」

「だから、修行じゃよ」

「コウモリなんて狩って、どうすんのよ。食べられないでしょ?」

「クリューは食べるんだとさ」

「心配すんな。どうせ1匹も獲れやしねえよ」

「そうだよね~」

「わからんぞぃ?」

「ほぅ~。じゃあベネトさん、賭けるか?」

「よかろう。ワシはクリューのオケラに10クレド」

「あ、きったねぇ~!!」

「アタシも!! クリューはゼロだね!!」

「嬢ちゃん、金持ってんのか?」

「オヤジに強請れば、出してくれるよン。ああ見えて娘にゃ甘いんだ」

「アハハ、わかる~。アノ人、強面のくせに甘々だよね」

「俺も、クリューは狩れないと見た」

「ズルい!! それじゃあ、賭けになんないじゃん!!」

「セーブルがいるだろ!!」

「私? 私も賭けるの? だったら金なんて無粋な真似はやめて、賭けに負けたら何でもいうことを聞くっていうのはどう?」

 3人の目がキラリと光る。

「「「乗った~!!!」」」

「よくわかんないけど、クリューは狩ってくるわよ。きっと・・・」



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