表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
重霊機モルスレプス(Gravity Ghost Gear MORS LEPUS)  作者: 高戸 賢二
初陣

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

16/31

見習いダイバー(4)

「どれ、ワシをクラフターに乗せてくれんかのぅ。クリューに見本を見せてやりたいんじゃ」

 隊列訓練の前に、ベネトがローガンに進言する。ローガンの目から見ても、クリューは伸び悩んでいるように見えていた。クリュー本人は全く悩んでいないのだが。

「爺さん、無理はするなよ」

 80歳を超えたベネトは杖を突いており、通常歩くことも覚束ない。ローガンが心配しているのは訓練そのものよりも、3Gへの乗り降りの方だ。軍用3Gよりも若干小さいクラフターであっても、コックピットは10m以上の高さにあるのだから。

「私がフォローするわ」

 ベネトは昇降ワイヤーを使わず、セーブルのハイホークXの手に乗りコックピットへ乗り込んだ。

「フォッフォッフォ~。ええのぅ、若い体は。新車はええのぅ」

 憑依したベネトから司令テントに電波無線機からの音声が流れる。

「マロウ、ワシへの指示はいらん。クリューよ、デコイからの映像でクラフターの動きを目に焼き付けておくんじゃ」

 ベネトのクラフターは、予備のGサイクロトロン銃を手にした。

「借りるぞい。さすがのワシでもクラフターで接近戦は無謀じゃからの。フォッフォッフォ~」

 高らかな笑い声と共に、ベネトのクラフターが空へと舞い上がっていった。


<I字隊形に移行>

 ベネトのクラフターは他の4機の動きを見て、すかさず最後列に並ぶ。周囲からは一呼吸遅れるものの、マロウが電波無線機で伝えたクリューのクラフターの時よりも数倍速い。

<V字隊形に移行>

 同じように一呼吸遅れながらも、ベネトのクラフターはピタッと左前に位置した。

「クリューよ。味方の動きは常に把握しておくんじゃ。味方を活かせば自分も活きる。逆に味方を混乱させれば、自分は孤立する。戦争は一人でやるもんじゃないからのぅ」

 クリューのような異常ともいえる速度は出さないものの、無駄のない動きで味方に合わせている。優雅ともいえる動作は、クリューだけでなくマロウも見とれるほどだ。

(誰だよ・・・「今や46部隊のダイバーの誰よりも、クリューはクラフターを使いこなしている」なんて言ったヤツは・・・俺だよ。いや、思っただけで言ってねえか)

 マロウが内心でひとりボケひとり突っ込みをしていた。

<散開し、仮想敵を攻撃せよ>

 他の4機が隊列を崩しバラけるのを見たベネトは、クラフターを後方へと下げた。

「味方の4機はシンクロしとるからのぅ。邪魔しないように下がるのは鉄則じゃ。特に味方の射線に入っては、いかんぞぃ」

「でも爺っちゃん、それじゃあ敵を倒せないじゃん」

「ええんじゃよ。味方が倒してくれれば。こっちは敵を牽制するだけでいいんじゃからのぅ」

 クリューは真剣なまなざしで、デコイから送られるベネトのクラフターの映像に見入っていた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ