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重霊機モルスレプス(Gravity Ghost Gear MORS LEPUS)  作者: 高戸 賢二
クリューという少年

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12/31

クリューという少年(12)

 クリューは海が一望できる丘の草むらに寝転がって、ぼ~っと空に浮かぶ大きな輪を伴った月を見ていた。

 そういえば、アレって月じゃねえんだな・・・何て言うんだろう・・・

 突然クリューの視界から空が遮られる。代わりに透き通るような白い素肌の細い両足と、付け根を被う白い布。

「ほら、美少女のパンツ見て元気出せよ、ポチ」

「だ、誰がゼナのパンツで元気が出るか!!」

 赤くなったクリューが、慌てて上半身を起こす。

「そうだよな。嬢ちゃんのパンツ見て元気になるのは、ロリコンのゲラルドぐらいだぜ」

 マロウが後ろからゼナのスカートをめくり、しゃがんでパンツを眺めている。

「ひゃっ!」

 ゼナは素早くスカートを押さえて飛び退いた。

「「マロウ!!」」

「よっ、お二人さん。相変わらずイチャイチャしてんな」

「「してねえし!!」」

「息もピッタリじゃねえか・・・」

 にこやかなマロウはゆっくりと立ち上がる。

「よっこらせっと」

「何しに来たの?」

「別に嬢ちゃんのパンツを見に来たわけじゃねえよ。用があんのはチビの方だ」

「オレ?」

「おう。『反則負けのクリュー君は、見習いダイバーとして、しばらく教官のもとで勉強しろ』との隊長様からの命令だとよ」

「ちぇっ・・・見習いかよ・・・」

「そうゆうこと。んで、俺様がその教官」

「マロウが戦い方を教えてくれんのか?」

「お前に教える戦い方なんかねえよ。反則とはいえ、クラフターでセーブル相手にあれだけやれりゃあ言うこたねえ。お前に教えんのは、常識だ」

「じょうしき???」

「そりゃそうだろ? おバカに戦場をひっかきまわされちゃあ、命がいくつあっても足りねえとよ」

「じょうしきがありゃあ、強くなれんのか?」

「アハハ。強くなるかはともかく、背中を預けられるようにはなるんじゃねえのか? 今のお前は危なっかしくて、手に負えねえ」

「そっか・・・」

 クリューは深く考え込むような仕草を見せる。

「マロウ・・・いや、マロウさん。よろしくお願いします」

 深々と頭を下げるクリューに、拍子抜けしたのはマロウの方だ。

「ど、どうした? やけに素直じゃねえか・・・」

「仲間といっしょに戦うなんて、思ってもみなかった。戦争って一人で戦うわけじゃないってことなんだろ? オレさえ強けりゃいいって思ってたけど、そうじゃないことを教えてくれるんなら、それはもう一つの強さだから・・・その・・・」

「ポチ、何言ってっかわかんねえぞ?」

「おバカだからな、それぐらい大目に見てやれ」

「お前ら、いい加減、クリューって呼べよ!!」

「「アハハハハ」」

 ダイバーとしてのクリューの旅が、これから始まる。



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