第335話 日米あいの子の車
ネットの配信で爆発炎上している米国報道局の建物を見ながら、エリーちゃんは有る疑問を口に出す。
「そういえば、日本の配信会社の人たちは何をしているですかね?」
〝ニラニラ動画の記者なら上司と卓球配信している……〝
〝配信見たら、朝から風呂入って上司と卓球してて草ww〝
〝上司も部下の監督っという名目で旅してて草wwはい、リンク先〝
コメントから送られて来たリンク先を開くと女性記者が男性上司と楽しそうに卓球をしている光景が映し出される。
「わぁ、エリーちゃん楽しそうだね!私もやってみたい!」
「こんど、温泉に入ったらリーリエもやってみましょうね!」
「この女の人、暖かくて好き……前のインタビューも優しかった」
「ふーん、リーリエが言うなら今後は、この人たち独占でインタビューにしましょうね」
今、この瞬間、金と銀の公爵令嬢達に質疑が出来るのはニラニラ動画に決まった。
この影響は凄まじく、時間外取引でニラニラ動画の大株主である株式会社KAD〇KAWAの株価がストップ高になる。
〝KAD〇KAWA株が昇竜拳過ぎるww〝
〝ナニコレww数分で5倍ってオカシイやろww〝
〝そういえば、リーリエちゃん達が居る車広くない?〝
空気の読まない視聴者が突如としてコメントをする。それに対して、他のコメントがそのコメントを吊るし上げる。
「お、良いとこ所に気がついたね!俺は安場って安場ホテルっていうシガナイ企業の社長をやっている!この車は、元はルミちゃんの最新魔導車の技術を流用した、元次期米国大統領専用車の試作品だったんだ!詳しくはそこのタブレットを見てね!」
〝アバホテルww社長何やって居るですか?〝
〝大陸からは嫌われて、日本人に好かれている企業ww〝
〝奥様の方が有名な企業じゃないですかww〝
少女達は、置かれていたタブレットでこの車の由来と詳細を見る。
当時、民主党内では大統領専用車が簡単な段差で引っかかって止まるっといった構造的な問題や燃費の悪さに頭を痛めていた。
そこで、米国の自動車企業や友好国の自動車企業に次期大統領専用車の試作を依頼した。
十数回の競争の結果、残ったのは三社。
【TOYOHARA-☆-USA】と【General M〇tors Company】
TOYOHARA-☆-USAは最新の魔導を組み込んだ最新魔導車。
General M〇tors Companyは、米国の科学技術を突き詰めた新時代の車。
どちらも米国政府に預けられ、数年に渡り厳しい耐久試験や調査を終えてどちらかに決まりかけた時に、米国第47代トランブ大統領が誕生した。
米国は政権が変われば、担当している人間は解雇され新しい担当者に替わり前政権の物は全て叩かれ排除される。
その対象は次期大統領専用車も例外では無く、この試作品は民主党政権による無駄な事業の一環として現政権から叩かれバッシングを受けた。
それぞれの車は、米国政府から【TOYOHARA-☆-USA】と【General M〇tors Company】に返却され、両社は車両を廃棄する予定だった。
それをルミナス財団が止め、この二社の間に入り両社の試作車を合わせた魔改造車を作るに至る。
で、なぜ、その車が日本にあるか?
それは米国に有ると現政権の誹謗中傷の的になってしまう為、日本に隠されたのだ。
書類上では、【TOYOHARA-☆-USA】がトヨハラグループの社長専用の車を日本に輸出するという名目で出荷され、【General M〇tors Company】の持つコネで米軍の物資運送網を使い日本に送られた。
本来なら、協力し合わない二社が協力してこの車を日本に送り出した事から、二社とも現政権のしたことには腹立たしく思っているが伺える。
〝科学と魔導が合わさった車ww〝
〝厨二病全開の車で草ww〝
〝価格みたら、両方車で合わせて1兆円近い値段ww〝
「まぁ、当時は1兆円っという値段で叩かれたんだよなぁ……で、トヨハラグループの社長から俺が借りて運転していると……いやね、社長曰く自分の手元にあると絶対に爆走させたくなるからって言われてねwwだってこれ、最大500km出るから」
そう、この車の最大速度は500km。スピード狂のトヨハラグループの社長に持たせてはいけない車。
そのうち、「あるからいけない」「あるからいけない」っと言いながら車を運転するかもしれないと思ったトヨハラの社長は、友人の安場社長に依頼して車を運転して貰っているのだ。
安場社長は、社長でありながら放浪癖があり、業務は奥さんに全てを任せ、最新の車で全国を回っているのだ。
「あ、そういえば、この車はまだ0.001%も本気を出していないって社長が言ってたな……そこの3つの紋章達に触れ作動した時に起動出来れば本来の能力が出るらしい……でも、その紋章を作った米国の呪術師は流行り病で死んで起動条件が分からないらしい……」
「赤い紋章がある、火の模様?」
「蒼い紋章が有りますわ、水の模様?」
『黒もあるね、月の模様かな?』
レイ、テル、ルミがそれぞれの色の紋章を触った瞬間、針が3人の手の甲を貫く。
『「「いたっつ!!」」』
3人は冒険者であり対人やモンスター相手では、警戒をしていた。
しかし、魔力を内蔵した車に攻撃されるとは思わず、完全なる油断により防御をするまも無く手の甲を貫かれたのだ。そして、針を通して持って行かれる大量の魔力と血液。
【魔力と血液の接収により臨界点を突破、本来の機能を展開】
車内に無機質な声が流れる。
さて、どんな機能があるのか?
次回 この車の本気と管理者と使用者




