第十三章 公共土建事業
現在、東名高速道路の老朽化から改修工事を行っていますね。
公共事業と言うものは内需経済再建の為、公共事業を媒体としたバラ撒き政策でもあり、古くから使われる手段の一つです。
既に東名高速道路に着手しているという事は、もはや小手先の補強工事ではどうにもならなくなったと、お認めになったのでしょう。
加えて公営住宅もまた国営ではないにしても、公共事業としての側面があります。国としては支援金を出してでもテコ入れすべきところまで来ていると申し上げたいと思います。
昨今の地震被災に対する老朽化による耐久力への懸念に加え、元より単身者向け公営住宅は圧倒的に供給が追い付いておりません。
一方、東京五輪で使用された施設等の今後につきましては、利用頻度が見込めない…もっと平たく言ってしまえば利益率が見込めないものに関しては、早急に解体し、跡地へ公営住宅などを建てるべきです。
全てが負の遺産という訳ではないでしょうが、全てを維持しようとすれば巨額の赤字を捻出し続けます。
損切りは早めの決断だからこそ利益となるのです。識者やスポーツ団体がどうこう申し出ようが、断固として決断し、赤字物件に関しては解体して更地にするべきです。
他方で自治体に求められる公営土建事業に「公園」があります。
子供達を家に閉じ込めず、遊ばせておける場所として、幼い子供達を抱えた世帯では特に需要が注目されたりします。
かつまた「公園が必ず平場でなければならない理由もありません」。維持費はかかりますが。
しかし地域における公園の役割には、一時的な避難所などの役目も期待されていたはずです。
地震、氾濫など、都市部で懸念される被災があった場合を前提に「平場のみ」での避難集結地は危険に過ぎます。
また公園は子供達が自由に遊ぶ為の場でもあり、非常に甲高い声を発する場所でもあります。単に開けた場所である場合、騒音公害として被害を出す場合もあります。
これらの問題を考え、次のような「公園」を提案したいと思います。
まず従来のような開けた平場スタイルを捨てて、防音対策、耐震対策を施した箱型の建造物を敷地に建てます。
氾濫や地震に対向できる躯体が前提である為、鉄筋コンクリートで堅牢に仕上げます。
内部は基本的に三階以上の構造とします。
地域によって氾濫水位は異なるでしょうが、まず一階は水没するでしょう。これを前提とし、一階は基本的に『避難所として使用致しません』。
一階は管理人室、倉庫の他は基本、全面フローリングの体育館のような場所とします。倉庫の道具も、管理人に断わりを入れれば、自由に持ち出して使い、自分達で片付ければよしとします。
二階についても、地域次第では水没する可能性があると判断し、避難スペースとして考えない方がいいでしょう。
二階は幼児達専用スペースと、ドッグランを入口も空間も物理的に遮断して分け、運用できたらと考えます。
三階は被災時の一時避難所となる為、被災備蓄庫を併設します。
三階の備蓄庫には主に食料、寝具、水、乳児雑貨、簡易ベッドなどが入っていますが、救出される事が前提の為、籠城日数分も多くない備蓄で設定致します。
また三階にはいざ氾濫した際の非常用「生活用水水源地」として、井戸と昇降式ポンプを設置します。
日頃は封印カバーで使えないようにし、イタズラや破損に備えます。
非常時に陥った際にはカバーを外し、水を汲み上げます。
さて、三階の平時での用途ですが、静かにベンチで寛ぎたいという方もいらっしゃるでしょうから、多少の販売機も設置した上で、読書もできる天蓋付きのベンチスペースにしたいと思います。
有事にはベンチを留めている留め具を外して片付け、代わりにパーテーションを設置できたら良いかなと考えます。
屋上は有事に際しての救助用ヘリポートとし、被災時に使用します。予備の移動手段として、ゴムボートも設置しておきます。
また屋上には非常用の装備として「自家発電機」「燃料」「水」など、比較的大型のものを備えて置き、かつ夏季の熱波にも耐えられるよう、防護を施しておきます。
管理人様には基本、ご町内の方から雇用されるべきですが、雇用に耐え得る人材で生活保護を受けている方がいらっしゃれば、その方にも加わっていただくのも、一つの方法かも知れません。
重要な事は、ご町内に詳しい方が管理人に就く、という点ですね。
以上までが提案する私の公園像ですが、ここまで立派ですと市町村・集落の予算では、維持することすら不可能になって来るのではないかと思われます。
経年劣化による修繕費だけでも、相当な負担になるでしょう。
ですので都道府県レベルで予算補助を行い、地域の公共施設維持費として支援すべきであると申し上げる次第であります。
さて、この公園にあった「井戸」とは別に、氾濫被災に備えた「被災時用井戸」の設置も、同時に提案致します。
この井戸は平場に設置し、氾濫に際しては濁流に呑まれる事を前提と致します。
昇降式ポンプを堅牢に作って漂流物によってポンプが破損しないよう耐久性を高めておく必要があります。また濁流に沈み、水圧にも耐えねばなりません。
泥水に浸入され、ポンプとしての機能が死んでしまっては元も子もなくなる為、封印カバーもまた、相当に堅牢さが求められます。
この「被災時用井戸」を、都市部の市町村、集落毎に1基ずつ配置します。
常日頃は全く使用しない前提ですから地下水汲み上げによる地盤沈下などの心配はありませんが、一度、氾濫となって泥水に埋もれたら、異臭と暑さが立ち込める中、瓦礫と泥から掻き出し、カバーを外すだけでも凄まじい重労働のはずです。
しかし自衛隊からの給水車が届くまでの間、市町村民にとって大量に必要となる「生活用水」を、手動とはいえ汲むだけで無尽蔵に手に入れられるのは、非常に重要な水源地となるはずです。
ないに越した事はありませんが、都市が濁流に沈むほどの大氾濫があってから後悔するのではなく、未然に防護策として水源地を設置していただきたく思います。
今一つ、見直して頂きたいことがあります。
「第七章 人材育成」で触れました小・中学校の見直しもまた、全国区を対象に行うことで、内需経済に帰依する土建事業と成り得るのではないでしょうか。
しかし、この話については「第二節」にて語りたいと思います。




