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忍者の末裔は忍ばない ~ダンジョン産のアイテムで一般人が化け物みたいに強くなったから、俺も本気を出して良いらしい~  作者: 木塚 麻弥
第4章 新たな階層

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第46話 〈配信コメント欄〉

 

それがしが姫様を完璧に守ってみせましょう』

 

〈いや、かっこよ〉

〈めちゃくちゃ良い!!〉

〈スイちゃん、いいなぁ〉

〈私もレン君にそれ言われたい!〉

〈普通はサムい台詞なんだけどね〉

〈実力ある奴って何言っても絵になるな〉

〈3連射を簡単に弾いちゃうんだもん〉

〈(・∀・)ニヤニヤ〉

〈マジこいつ見てて面白れぇ〉

〈俺もスイちゃん守りたい!〉

Tier 1(ティアワン)を……、守る?〉

〈それ出来るの、レンくらいなんよw〉

〈おまいらじゃ無理〉

〈ところでハヤカナペアはどうなった?〉


 ダンジョン管理法では、ダンジョンに入る際はひとり1台の配信用ドローン所持が義務つけられている。そして目視できる距離にいる者は同じグループで活動中とみなし、グループ単位で配信をすれば良い。なお、良い絵を撮るためにパーティーメンバー全員分のドローンで配信している攻略者もいる。


 同じパーティーであれば、複数台のドローンを使用していても配信は同じブースで行われる。その配信をドローンごとに画面を分けて視聴するか、どれか1台を選択して大画面で見るなど選択が可能だ。


 シノヴァーズでは現在、蓮と翠のペアを映し出すドローンと、颯と奏多を映し出すドローンの2台体制で運用していた。



 ──***──


 蓮たちが少し足を止めている時、颯と奏多は全速力でボスに迫っていた。


〈こいつらなんで全力で走ってんの?〉

〈遠距離持ちにはそれが最適解〉

〈弓使いは基本、近接に弱いからな〉

〈そそ、近づいた方が安全なの〉

〈それは分かるけどさ……〉


 ボスに近づくにつれ、打ち込まれる矢の威力も上昇している。


『──ぐっ! いてて。手が少し痺れたっす』


『カナタ、大丈夫? 変わろうか?』


『いや、もう少しだけ俺が前をやるっす。ハヤテのオートガードスキルは発動時に足が止まるから、そのタイミングで本命の攻撃を打ち込まれる可能性もあるっす。やるならもっと接近してからの方が助かるっすね』


『そっか。じゃあ、もう少し頑張ってくれ』


『はいっす!』


〈なかなか良いコンビだな〉

〈うんうん〉

〈レンハヤだけじゃなくハヤカナもあり〉

〈カナタ、仕草がちょっと可愛いもんね〉

〈そわそわ(〃ω〃)〉

〈カナハヤも良きと思いませんか!?〉

〈ちっちゃい方が攻めとか最高〉

〈↑の人らとは美味い酒が飲めそうです〉

〈ちなみに確認だけどカナタって男だよな?〉

〈声は中性的な感じ〉

〈俺って言ってるし、装備は男物だな〉

〈えーっと。てことは……〉

〈┌(┌^o^)┐ホモォ…〉

〈最近はブロマンスって言うんですよ〉

〈でもその先に進めば┌(┌^o^)┐だろw〉


 奏多が男装を止めないせいで配信コメント欄が混沌カオスと化していた。



 ──***──


〈今更だけど、配信者たちの高速移動を完璧に追いかけてるドローンって凄いな〉


 蓮と翠の配信側で、そんな疑問を持つ視聴者がいた。


〈配信用ドローンの最高速度は300km/h〉

〈マジ? そんな速いの?〉

〈しかも急制動するために抑えてその速度〉

〈それで攻略者の動きを完璧に撮れるのか〉

〈ちなみにドローン制御は攻略者が設定する〉

〈設定が下手だと配信は見れたもんじゃないぞ〉

〈その点、シノヴァーズの設定は凄いな〉


 ピローン


 軽快な音ともに赤文字でコメントが書き込まれる。


〈レン君にドローン制御を叩き込んだ師匠は俺ね〉


 それはとあるインフルエンサーの書き込み。


〈でたハルヒコww〉

〈レンの最古参ファンが来たぞぉー〉

〈最古参ってさぁ……〉

〈自分でファンサイト起ち上げんのズルい〉

〈んじゃお前らもやれよ〉

〈サーバー管理費いくらかかると思ってんの〉

〈インフラと思って大人しく会員料金払え〉

〈それな〉

〈ドローン制御はハルヒコ仕込みか〉

〈どおりで見やすいわけだ〉

〈シノヴァーズってもう大手と遜色ないな〉


 最強クラスの攻略者が複数人いて、その配信技術はフォロワー30万人のダンジョン配信解説系インフルエンサーが指導したもの。


 あと彼らに足りないのは──


〈戦力とか配信技術は申し分ないよ〉

〈最小限の動きで対処するのは凄い〉

〈でもなぁ〉

〈もうちょっと派手な動きが欲しいよね〉

〈そう、それ!!〉

〈贅沢な望みだってことは分かってるけどな〉

〈もっと出来るだろって思っちゃうんだよ〉


 その書き込みを蓮は見ていた。

 そして颯に教えてもらった技術を思い出す。



『では、こんなのはどうでしょうか』


 再び超高速の矢が飛来した。

 今度はタイミングをずらした四射。


 蓮は一射目をクナイで弾きつつ、身体を回転させる。本来腕の動きだけで充分対処できるものを、あえて身体全体を飛躍させた。


 回転しながら二射目を弾き飛ばし、着地と共に前方に踏み出す。


 踏み出した勢いのまま、飛んできた三射目に向かって行く。そしてと呼ばれる矢の軸の部分を掴むと、矢の勢いを殺さぬように半回転して飛来してきた方角へと放った。それが次に飛んできた四射目と空中で激突し、ふたつの矢が粉々に砕け散った。


〈うおぉぉぉぉ! なんだ今の!?〉

〈回転技かっけぇ!!〉

〈いやいやそれより最後の!〉

〈飛んできた矢を掴みにいった!?〉

〈そんでそれを投げて別の矢に当てた?〉

〈い、意味が分かんねぇ〉

〈どんな動体視力とコントロールだよ〉

〈えっ、待って。蓮って人間だよね?〉

〈攻略者って超人だけど、それとも別次元〉

〈矢を掴みに行く変態は初めて見たww〉


 この配信コメント欄を見て、蓮は視聴者たちが満足してくれたと判断した。


『スイ、そろそろ行こう。のんびりしてたらハヤテたちに負けちゃう』


『うん。でも私、これ以上速くは走れないかも』


『じゃあ()()しよう』


 そう言って翠を蓮が抱きかかえた。


『え、ちょ。レン君!?』


『俺がボスを探して走る。見つけたら合図するから、魔法の詠唱をはじめて』


 赤面する翠。そんな彼女を全く気にせず、蓮は走り出した。


〈ふぉぉぉぉぉぉ!?〉

〈スイちゃんをお姫様だっこだと!?〉

〈ここここいつら、合体しやがった!!〉

〈合体wwww〉

〈まぁ、確かにそうではある(笑)〉

〈最速のレンと最高攻撃力のスイちゃんか〉

〈最強の戦車だな〉

〈ステルス爆撃機じゃね?〉

〈あー。そっちかもww〉

〈マジで速いじゃん〉

〈ドローンがちょっと離されてるぅぅ!〉

〈えっと、300km/h出せるのでは?〉

〈これ大丈夫? スイ、生きてる?〉

 

 翠が身に着ける伝説級レジェンダリー装備の性能をもってすれば、300km/hで高速移動するのは大した問題ではない。問題があるとすれば、蓮に抱えられた状態であるということ。

 

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