第17話 ホンマか!?①
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嫉妬の醜犬(D)を倒しました。
経験値を獲得しました。
報酬:2389円獲得しました。
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「お?」
「あ!」
「ん? どうかしたか?」
翌日、Dランクダンジョンでモンスターを倒していると、雅と京子が同時に声を上げる。
二人とも何かあったみたいだ。
「えーっと。雅さんからどうぞ」
「そうかい? と言っても、僕のは大したことじゃないよ。やっと鍛冶師のランクがⅩになったってだけだ」
「おぉ! おめでとう!」
「おめでとうございます!」
「雅さん! おめでとぉ!」
「三人ともありがとう」
どうやら、雅の鍛冶師のジョブがやっとランクⅩになったらしい。
いつかはなると思っていたが、思っていたより早かったな。
うちのパーティでは一般職のランクⅩは二人目だ。
昨日のうちに朱莉の盗賊もランクⅩになっていたからな。
まあ、盗賊の場合、ランクⅩになっても特に何かあるってわけじゃないみたいだが。
他のジョブを育てるにはジョブを変更する必要があるんだが、それをすると朱莉の索敵能力が下がってしまうため、ジョブは変更できていない。
盗賊のランクがⅦになった時、盗賊をより攻撃特化にした狩人というジョブも発生したらしい。
狩人は雅が昔ついていたジョブで、弓を主に使う遠距離物理アタッカーだ。
うちのパーティでは物理アタッカーは俺一人で十分だから、その方面への変更は行なっていない。
それに、雅が黒鍛冶師になれば物理アタッカーに加わることになる。
これ以上物理アタッカーは必要ないだろう。
「じゃあ、黒鍛冶師が出たのか?」
「あぁ。ちゃんと出ているよ。ただ、実際に黒鍛冶師として戦闘に参加するのはもう少し先になるかな。黒鍛冶師はこの足ではちょっと難しいかなと思うんだ」
鍛冶師のジョブがⅩになったことで雅のジョブ一覧には情報通り、黒鍛冶師のジョブが出ていたらしい。
黒鍛冶師のジョブはおそらく、ゲームなどで戦闘もできる鍛冶師である刀鍛冶を意味するブラックスミスからきているのだろう。
じゃあ、ジョブ名も刀鍛冶にしろよと思うのだが、刀鍛冶はまた別に生産特化のジョブとしてある。
なんか色々とややこしいのだ。
ちなみに、回復系の鍛冶師である、白鍛冶師というのもあるらしい。
色々ごっちゃごちゃになってるな。
まあ、それはさておき、元が刀鍛冶のジョブのため、メイン武装は刀になる。
バリバリの前衛職だ。
しかも、防御力がそこまで強くないので、回避することも必要になってくる。
片足が動かない状況では前衛に出るのは無理だ。
だから、雅が黒鍛冶師として戦うのはだいぶ先になるだろう。
でも、ジョブについているだけで経験値は入るし、ジョブは変更すると思う。
鍛冶師のジョブが一番役に立つのは非戦闘時だし、ランクⅩになればこれ以上経験値は入らないからな。
変更しない理由はないだろう。
「うーん。どうしようか?」
「何かあるのか?」
「実は、黒鍛冶師と別に、見習い魔導装備技師というジョブが出現していてね。足が治るまではそっちにしようか悩んでいる」
「見習い魔導装備技師?」
「あぁ。この車椅子のような攻撃も防御もできる武装を魔導装備と呼ぶらしい。それを作れるジョブのようだ。鍛冶師と防具職人と錬金術師のジョブを合わせたジョブのようだね。僕が聞いたことのないジョブだから、多分レアジョブだろう」
「へー」
どうやら、黒鍛冶師と一緒にレアジョブも出てきたようだ。
レアジョブは往々にして強い。
そのため、レアジョブが出ればレアジョブを選択するものが多い。
今回発生したこの魔導装備技師だって鍛冶師と防具職人と錬金術師を合わせたようなジョブなのだ。
言ってしまえば、三つのジョブの上位互換だ。
かなり強力なジョブだし、そっちにつくことも考えているようだ。
「……ねぇ。それってユニークジョブとか、特殊ジョブじゃないの?」
「うーん。おそらく違うだろう」
「? どうして?」
「ユニークジョブや特殊ジョブはそのジョブ名と同じ称号も一緒に手に入るんだ。狂戦士のジョブは狂戦士の称号がないと手に入らないし、奴隷商人のジョブは奴隷商人の称号がないと手に入らない。勇者や魔王だってそうだ。魔導装備技師という称号がないので、ユニークジョブや特殊ジョブではないだろう。魔導装備技師のジョブはそこまで規格外の性能はしていないと思う」
「へー。そうなのか」
「あまり知られていないことだけどね」
俺は勇者の称号も魔王の称号も持っていた。
でも、俺は勇者のジョブも魔王のジョブも持っていない。
おそらく、その二つはユニークジョブなのだろう。
危なかった。
勇者か魔王があればそっちについていた可能性が高い。
いや、聖女も見習い僧侶をランクⅩにしないと出てこなかったから、称号を手に入れただけでは出てこないのかもしれないな。
もし出ても間違ってジョブ変更しないようにしよう。
雅から聞いた話なのだが、勇者は性格がかなり独善的に変わってしまうらしいし、魔王のジョブは鍛冶師や防具職人など庶民がつくようなジョブがなくなってしまい、まともに探索できなくなってしまうそうだ。
「そういうわけで、とりあえず、見習い魔導装備技師についてみようと思うのだが、いいだろうか?」
「ああ。いいんじゃないか?」
「私は雅さんのやりたいようにするのがいいと思うよ!」
「ありがとう。ん? 京子くん? どうかしたのか?」
俺たちが京子の方を見ると、京子は何か言いたそうにしていた。
そういえば、さっき京子も何か声をあげていたな。
さっきも途中から会話に加わってきていなかったし、何かあったのかもしれない。
「えーっと。手に入っちゃったんです」
「え? 何が手に入ったんだ」
「偽エリクサーが手に入ったんです」
「ホンマか!?」
どうやら京子の発言によって今までの前提がひっくり返ってしまったようだ。




