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【書籍化】高卒、無職、ボッチの俺が、現代ダンジョンで億を稼げたワケ〜会社が倒産して無職になったので、今日から秘密のダンジョンに潜って稼いでいこうと思います〜  作者: 砂糖 多労
第3章 ボッチ男とオタク少女

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第18話 ホンマか!?②

「えーっと。はい。これです」

「ホンマや! これ、間違いなく偽エリクサーや!」


 雅は京子の取り出した偽エリクサーをひったくるように奪って自分のアプリ内にしまう。

 そこで、名前を確認したらしく、飛び跳ねんばかりに喜んでいる。


 普段隠している方言が出てしまっているので、相当喜んでいるのだろう。


「雅。口調口調」

「は! 本当だ! これは間違いなく偽エリクサーだ!」


 雅は両親についてあちこちを転勤していたので、色々なところの方言が混ざってしまい、おかしな方言になってしまっているらしい。

 そのため、普段はできるだけ方言を出さないようにしているそうだ。


 その結果としてあのおかしな話し方になっているのであれば、それはそれでどうなの? と思わなくもないのだが。


「すみません。もっと早く言えればよかったんですけど、三人が魔導装備技師の話で盛り上がっていたので」


 どうやら、この偽エリクサーはさっきの戦闘でドロップしたようだ。

 京子は戦闘後に何かを言いたそうにしていたのはこれのことだったのだろう。


 だが、その後、魔導装備技師の話が始まってしまい、言い出すに言い出せなかったようだ。


 京子は聖女のジョブのおかげか、俺たちパーティの中でドロップが一番いい。

 そのため、偽エリクサーも京子に出るんじゃないかとは思っていた。


 こんなに早く出るとは予想外だったが。


「そんなことはいいんだよ。それで、京子くん。これは僕に売ってもらえるっていうことでいいのかい? いくら出せばいい!? 今の手持ちでは足りないかもしれないが、必ず出す!」


 偽エリクサーはかなりのレアものなので、相当値が張るらしい。

 場合によっては一億を超えることもあるそうだ。


 まあ、動かなくなった足を動くようにできるんだから、値が張るのは当然のことか。


 雅は生産職として結構長い間稼いでいるそうなので、結構な蓄えがあるそうだが、流石に一億は持っていないだろう。

 それでも、今、俺たちのパーティでかなり稼げているし、一億くらいなら稼ぐことは可能だろう。


 俺たちだって協力を惜しむつもりはない。

 パーティメンバーの雅がパーティメンバーの京子に一億払うために京子を含めたパーティが協力するっていうのはなんかおかしな構図だが。


「お金はいいですよ。パーティで使うものですから、そのまま使っちゃってください」

「しかし……」

「雅さんの足が治ることが何よりの報酬ですよ。欲を言うなら、今後もサグルさんを助けてあげてください」

「京子くん……。わかった。今後もこのパーティのために尽力すると約束しよう!」


 雅はぎゅっと大切そうに偽エリクサーを抱きしめる。

 その顔には満面の笑みが浮かんでいた。


「ねぇねぇ。ここで使っちゃうの?」

「あぁ。わざわざ外に出る必要はないだろう。ここで使ってしまうつもりだ」


 そう言って、雅は偽エリクサーの蓋を開け、一気に呷る。

 すると、雅の右足が淡く光り出す。


ーーパシュ


 だが、その直後、その光は何かに弾かれたようにかき消えてしまう。


「「「え?」」」

「……」


 俺たちは間抜けな顔になっていたと思うが、雅は真剣な顔をしていた。


 その後は何事もなかったかのように元の状況に戻っていた。

 雅は左足を上げたり下げたりしているので、右足も動かそうとしているようだが、雅の足は動く様子はない。


「え? どうなったんだ?」

「おそらく、呪いに偽エリクサーが弾かれたのだろう」

「えぇ!」


 Dランクダンジョンで受けた呪いなら、Dランクダンジョンで手に入る偽エリクサーで治るはずなんじゃないのか?


「こうなることは想定していた」

「どういうことだ?」

「トラップはイレギュラーだったという話をしただろ? だから、それによって受けた呪いもイレギュラーな可能性はあると思っていたのだ」


 雅から、この呪いを受けた時のことは聞いていた。

 雅の罠探知をすり抜けたトラップだったので、おそらくイレギュラーと呼ばれる、上位ランクのトラップにかかってしまったのだろうという話だった。


 上位ランクのトラップにかかって受けた呪いのため、呪いも上位ランクのものだったということだろう。

 つまり、Cランクのダンジョンに潜って偽エリクサーを見つけないと雅の足は直せないということだ。


「……三人とも、悪いんだが、今日の探索はここで終了にしてもいいだろうか? あぁ。三人でこの先も潜りたいと言うのであれば、それはそれで構わない」

「……いや、俺たちも一緒に帰るよ」


 京子と朱莉の方を見ると、無言でうなずいてくれる。

 二人も同じ気持ちなんだろう。


 今の雅を一人にするのは少しこわい。

 雅は子供じゃないのだから、衝動的に何かをすることはないだろうが、できるだけそばにいたほうがいいだろう。


「そうか、すまないね」


 俺たちはその日はそのままダンジョンを後にした。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ~「すみません。もっと早く言えればよかったんですけど、三人が魔導装備技師の話で盛り上がっていたので」 このように台詞で既に説明しているのに、 ~ だが、その後、魔導装備技師の話が始まっ…
[良い点] 朝の更新お疲れ様です★ まさか偽エリクサーが弾かれるとは!? これはもう呪いを解くには王子(サグル)様との熱いキスしか・・・ [気になる点] サグルたちはCランクダンジョンにすぐ挑むのだろ…
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