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君を知って、恋を知る ~学校一の聖女様と秘密の同担オタクライフ~   作者: 浜焼き三太郎
第3章 君と夏

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71話 千春さんファンミーティング

ご覧いただきありがとうございます!


「付き合ってるの?」というお決まりの質問から始まる、とある放課後の一コマです。

勘違いから始まる、ちょっと賑やかで甘酸っぱい(?)空気感を楽しんでいただけたら嬉しいです。


それでは、どうぞ!


「僕と千春さんが付き合ってる―――だって?」


目の前にいる彼女を見つめながら、そう聞き返した。

当の本人は否定もせず、不思議そうに僕を見つめている。


「まさか~。そんなわけないって」


丁寧に、朗らかなトーンで言い切った。


「本当に?」

「あぁ。というか、そもそも……」


流し目で千春のいる方を見る。


「僕らの関係って、元クラ対リレーの仲間ってだけだし。別にそんなんじゃないよ」


目元にしわを寄せて、快く笑ってみせた。


「雰囲気がどうとかも、別に僕だからってわけじゃないしね」


ピッと親指を横に向けた。

その指線の先には、千春に抱き着いている来栖さんの姿。

これ以上ない説得材料だった。


でも同時に、僕の胸で何かが裂ける音がした。


「そう、なんだ……」


拍子抜けした様子で、目の前の少女は少し肩を落とす。


「?」


逆に彼女は、僕らにどうあってほしかったのだろう?

そんな疑問が浮かび、首を傾げた。


「……でもあの感じ、少なくとも千春さんは」

「ん? どうかした?」

「えっ! い、いやいや、こっちの話だからっ……!」


彼女自身も無意識だったのか、慌てて口をつぐむ。

両手で口元を押さえながら、僕と、なぜか千春の方をちらちらと交互に伺っていた。

何かあるのだろうか?


「あの、さ……。聞きたいことがあるんだけど」


言いづらそうに彼女は言った。

指同士を落ち着きなくこねくり回し、視線を泳がせている。


「僕に答えられる範囲なら」


(どうせ勉強の話だよね)

心の中でそう思いながら、手元の問題集をペラっとめくり、次の言葉を待った。


意を決したような彼女の呼吸音が聞こえる。

顔を上げた僕と目が合った瞬間――


「―――千春さんって、どんな感じの人?」

「へっ?」


まさかの質問に、僕の思考は一旦フリーズ。

それから、はたと我に返った。


「ち、千春さんのこと? 勉強とかじゃなくて?」

「そうだけど?」


お互いにポカンとした顔で見つめ合う。


「その話、俺も気になるわ」

「俺も~」

「雅之に、達也まで……」


さっきまで静かにしていた奴らが、まさかの刺客として参戦してきた。

雅之はテンションが高いのか低いのかよく分からない返事だが、残り二人(※)はめっちゃ食い気味だ。達也に至っては鼻息すら荒い。

なんていうか、推しを語るときの自分を見ているみたいだ。


「ちなみになんで僕? さっきも言ったけど、そこまでの関係でもないんだけど」

「けど、体育祭のとき一番話してたの優斗だろ」

「だから俺らの知らない千春さんのことも、オメェなら知ってんじゃねぇのか?」

「それは……」


流れで、目の前の彼女の方へ視線を戻した。

その瞳は宝石箱みたいに爛々と煌めいていて、好奇心に満ちあふれている。


「少しのことでもいいよっ! だから千春さんのこと、教えてほしい!」


ふんっ、と勢いよく意気込んだ様子で僕に詰め寄る彼女。


「私、千春さんのファンだから!!」


鼻先に息がかかる。

さっきも思ったけれど、この子は距離感が近い。


(まぁ、これくらいで意識してるようじゃ、オタクなんてやっていけないよな)


諦めたように両手を挙げ、やれやれと首を振った。


「わかったよ」


開いていた参考書を優しく閉じる。

それから、わざとらしくひとつ咳払いをした。


「それじゃあまず、何から話そうか―――」


こうして僕らの『推しを語る会』が始まった。

最後まで読んでいただきありがとうございました!


面白いと思っていただけましたら、ブックマークや評価で応援していただけると励みになります!


今後ともよろしくお願いいたします。

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