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君を知って、恋を知る ~学校一の聖女様と秘密の同担オタクライフ~   作者: 浜焼き三太郎
第3章 君と夏

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72話 わたし千春。今、あなたの後ろにいるの

【前書き】


ご覧いただきありがとうございます!


勘違いから始まった放課後の「千春さん推し語り会」。

妄想と愛が暴走して盛り上がる主人公たちですが……どうやら誰かに聞かれていたようで?


テンポよくサクッと読めるコメディです。最後まで楽しんでいただけたら嬉しいです!

「話してみると分かるけど、千春さんは結構普通の女子だよ」

「え、そうなの?」

「マジかよ……」

「うん。ってか、達也には言ったと思うんだけど……」


とぼけたような、本当に覚えていないような顔の達也。

彼にそんな器用な真似ができるとは思えない。

たぶん、後者なんだろう。


「私、千春さんは何でもできる超絶美少女だと思ってた」

「あながち、超絶美少女って表現は間違ってないでしょ」

「むしろあの美貌は神の領域だよな」

「だよね、ビジュが良すぎる」


僕ら三人で顔を揃えて頷き合う。


「千春さんの顔から湯気出てる!! 誰か水、水!!」

「本当に大丈夫?!」

「だ、大丈夫です!!」


千春のいる方向が急に騒がしくなった気がしたが、そんなこと僕らにとっては別にとどうでもよかった。

ただただ、推しへの愛を語るのに夢中になっていたのだ。


「みんなから完璧美少女って思われてるのも無理はないよ……」


カチカチとシャーペンの芯を出し入れしながら、僕はホゥと息をつく。

僕自身、千春と出会ってオタ友になるまではそう思っていた。

……と、素直に口に出すわけにもいかず、言葉の先を飲み込む。


「だからこそ、そういう一面が人間らしくて良いと言いますか」

「なるほど、なかなか深みがありますな~」

「え? ギャップ萌えなんだが」

「「だよね~~~」」


二人の声がハモる。

この女子、なかなか分かっているじゃないか。


「ちなみに、千春さんの『普通の女子ポイント』ってどんなところ?」

「う~ん、そうだなあ」


顎に手を当てて、しばし考える。


「例えば……ぬいぐるみとかの可愛いものに目がない、とか?」


「あばばばば!!」

「あべべべべ!!」


僕の前で激しく悶え出す男女。

『てぇてぇ』という名の電撃に打たれて、全身に痙攣が走っているみたいだ。


「なにそれ! 想像するだけでめっちゃ可愛くない?!」

「愛らしさといじらしさのハーモニーや~」

「それはほんとにそう」


頭に浮かぶのは、出会った頃の千春の姿。

人形に向かって話しかける彼女は幼げで、控えめに言ってCUTEマシマシだった。


(要するに、千春は素のままでも十分魅力的なんだよな)


ふふっと頬が緩んでしまう。

不思議だ。数年前までは、三次元にトキメクことなんてなかったはずなのに。

いまになって、色んな感情を再確認させられている。

どれもこれも、千春と出会ってからのことだ。


『優斗君―――』


あの日を境に、僕の中で何かが変わり始めている。

それが良い変化なのか悪い変化なのか、僕には見当もつかない。

けれど、そんな日々も悪くはないな――なんて思う、今日この頃だった。


「なるほど~、それで一体なんの話でしたっけ?」

「あぁ、え~っと確か、千春さんが可愛いって話を―――ッ?!」


声をかけられて、咄嗟に返事をしてから我に返る。

首をギギギと軋ませるようにして、ゆっくりと後ろを振り返った。


そこには、笑みを浮かべつつも頬を真っ赤に染めた千春本人が立っていた。

目元がやけにピクピクと引きつっていて、いろいろと爆発寸前といったご様子だ。


「随分と楽しそうな話をしているのですね?」


なんだろう、普段の聖女モード以上の威圧感を感じる。

その瞬間、直感が僕の取るべき行動を導き出した。


そして―――


「あの……なんかすみませんでした」


僕は、誠心誠意あやまるのだった。

最後まで読んでいただきありがとうございました!


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今後ともよろしくお願いいたします。

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