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君を知って、恋を知る ~学校一の聖女様と秘密の同担オタクライフ~   作者: 浜焼き三太郎
第3章 君と夏

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60話 近づく二人

こんにちは、浜焼き三太郎です。


体育祭編を経て始まった新しい日常。

今回は水族館デートの中でも、比較的静かなお話です。


けれど、派手な出来事がなくても人との距離は少しずつ変わっていくもの。


優斗と過ごす時間の中で、千春もまた少しずつ前へ進んでいます。


そんな二人のやり取りを見守っていただければ幸いです。


それでは本編をお楽しみください。


「なんとなく分かる気がする」


僕も水槽の中の魚を見上げて言った。


「自分の好きなものが言えなかったり、本当の自分を隠したり。

なかなか人って自由には生きられないんだよな」


「うそ? 優斗君は違うでしょ」


「いやいや、そうでもないって」


チッチッチッと顔の前で人差し指を振る。


「僕だって結構セーブしながら生きてるよ……おっと、その顔信じてないな?」


「そ、そういうわけじゃ。ただ驚いたっていうか」


彼女が言葉を選ぶように口をもごつかせる。


「優斗君って学校でもその、純度100%のガチオタクって感じだから……。

あれで全力じゃないんだって」


「そりゃそうでしょ。全力出してたら今頃校内、“はし恋”一色になってたし」


「……」


「ちょ、サラッと引くのやめてよ」


見ると千春の口元がわずかに引きつっていた。


「でもそれは前までの話」


「?」


不思議そうな表情の千春と目が合う。


「今の僕には千春がいてくれるし、思いっきり100%オタクで話せるからさ。

そういう意味では、かなり自由に生きられているのかも」


少し照れながらそう言う。


「だから僕は、千春が自由に生きられる手助けがしたい。

居場所になれたらなって思っているよ」


薄暗い照明が並んだ僕たちを照らしていた。


「それが今できる、せめてもの恩返しだから」


「……」


「な、なんてね~。と、とりあえず次のコーナー行ってみようよ!」


言い切った途端、恥ずかしさが一気に押し寄せてきた。


千春が黙ってしまったせいで余計にだ。


この場所が暗くて良かった。


今の表情も顔色も、絶対に彼女には見せられないから。


気まずさに耐えきれず目を逸らし、ぽりぽりと首筋を掻く。


千春

最後まで読んでいただきありがとうございました!


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