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君を知って、恋を知る ~学校一の聖女様と秘密の同担オタクライフ~   作者: 浜焼き三太郎
第2章 君と駆ける

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56話 第二章 ”君と駆ける” 堂々完結!! ~~千春の話~~

皆さま、いつもありがとうございます。


今回のお話をもちまして、


第二章 『君と駆ける』 堂々完結!!


体育祭という大きなイベントを通して、優斗や千春はもちろん、周囲の仲間たちとの関係も少しずつ変化してきました。


そして今回の視点は千春。


彼女自身もまだ気付いていない胸の変化や、優斗への特別な想いが少しずつ形になり始めています。


第二章の締めくくりとなるひとときを、ぜひ最後までお楽しみください。


プシューッ。


蒸気が抜けるような音を立てて、ゆっくりと電車の扉が開いた。


降りる間際、来栖さんが振り返る。


「それじゃあ、千春っち。また明日」


「ッス」


その隣では五十嵐君が軽く会釈していた。


「う、うん。またね」


私もぎこちなく手を振り返す。


二人はどこか嬉しそうな様子でホームへ降りていった。


『一番線、ドアが閉まります―――』


アナウンスと共に扉が動き、ガコンッと音を立てて閉まる。


そのまま座席横の仕切りに背を預け、窓の外へ目を向けた。


去り際の二人の姿が見える。


《……幼馴染って、なんか良いな》


五十嵐君が来栖さんに小突かれていて、彼は不満げに何かを言い返している。


長年の付き合いというか、なんというか。


お互いの勝手を分かり合っているというか、言葉にしなくても通じるような空気があった。


そこには妙な安心感と心地よさがある。


《来栖さんと五十嵐君、恋人みたい……》


離れていく二人の後ろ姿が少しだけ羨ましくて、どこか愛らしく見えた。


これが推しを愛でるって感覚?


よく分からない。


けれど―――


「私も、いつか誰かと……」


走り出す電車。


「って、何言ってるんだろ」


窓に映った自分の顔は、うっすらと朱に染まっていた。


気恥ずかしくなり、慌てて手元のスマホへ視線を落とす。


画面にはいくつかの写真が並んでいた。


その中の一枚をタップする。


「体育祭、本当に楽しかったな」


そこには、リレーメンバーで撮った集合写真が映っていた。


一番背の高い小野寺さんに自撮りで撮ってもらったんだよね。


画面に入り切らないからって、みんなで身を寄せ合って撮ったのを覚えている。


《おしくらまんじゅうしてるみたいで、なんか面白かったな~》


改めて写真を見返す。


小野寺君も来栖さんも楽しそうに笑っていて、私は……やっぱりもう少し笑顔の練習をした方がいいかもしれない。


そして、優斗君を見つけた瞬間。


「ふふっ。優斗君、目半開きだし」


口元がふっと綻ぶ。


彼にとってはタイミングが悪かっただけなのだろう。


それなのに、その絶妙な表情が何だかおかしくて、一人でツボに入ってしまった。


「っ、ふふ……」


笑いを堪えようとして、かえって声が漏れてしまう。


たぶん今の私は、周りから見たら少し変な人だ。


口元を押さえながら、落ち着くのを待つ。


《なんか、優斗君といると楽しいな》


スマホから顔を上げる。


そして背中を預けた仕切りに体重を任せるように、数センチほど身を沈めた。


そっと目を閉じる。


頭をよぎるのは、これまで見てきた色々な彼の表情。


それと―――


【いつだって君の傍に―――】


あの時の言葉。


本当に嬉しかった。


スマホをぎゅっと胸に抱き寄せる。


「ふぅ……」


最近の私、どこかおかしい。


優斗君のことを考えると顔が熱くなる。


もっと一緒にいたい。


もっと彼のことを知りたい。


そんなことばかり考えてしまう。


《やっぱり変だよね》


ブブーッ。


不意にスマホが震えた。


画面を見る。


どうやらネットニュースの通知らしい。


「これ……!」


内容を確認した次の瞬間には、メッセージアプリを開いていた。


見慣れた二文字のアイコンをタップする。


そして、私は急いで文字を打ち始めた。

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました!


改めまして、


第二章 『君と駆ける』 堂々完結!!


体育祭編としてスタートした第二章でしたが、気付けば優斗と千春だけでなく、来栖や五十嵐、穂乃花たちも含めた「人との繋がり」を描く章になったように思います。


そして今回の千春視点。


幼馴染同士の距離感を羨ましく思ったり、何気なく写真を見返して笑ったり、優斗のことを考えて顔を赤くしたり。


本人はまだ「最近の私、変だな」くらいに思っていますが、読者の皆さまからするとかなり分かりやすかったのではないでしょうか(笑)。


特に最後のシーンは、千春の中で生まれ始めた感情がはっきり見えた場面でした。


そして物語はここで一区切り。


ですが、もちろん二人の物語はまだ終わりません。


むしろここからが本当のスタートです。


第三章では、新たな出来事や出会い、そしてさらに変化していく二人の関係を描いていく予定です。


優斗と千春がどんな未来へ向かって走っていくのか、これからも温かく見守っていただけると嬉しいです。


それではまた、第三章でお会いしましょう!


第二章 『君と駆ける』 堂々完結!!

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