↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君を知って、恋を知る ~学校一の聖女様と秘密の同担オタクライフ~   作者: 浜焼き三太郎
第1章 君を知る

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
5/73

4話 彼女の秘密

プロローグや一話などの設定やセリフ、口調を変えみました。


前回までのあらすじ。


立ち入り禁止の屋上から、

声が聞こえたので向かってみた。


すると、学園の聖女様とばったり遭遇。


何やら様子も違うし、編みぬい持ってるしで困惑した僕は、

うっかり扉の外に出てしまう。


そんで彼女に見つかり、

いよいよ逃げられなくなったってオチ。


「あは、ははは……。」


情けない自分に、乾いた笑みが出た。


「……。」


千春さんはそれを黙って見ている。


《この状況、気まずいなぁ……。》


チラチラと視線を送ってみるが、それすらも微動だにしない彼女。


だけどその右手は、確実に僕の腕を掴んでいた。


「あの~、ちはるさ―――」



―――ギンッ!!



「ひっ?!」


大きく見開かれた瞳が僕を捉える。


綺麗な顔も相まった狂気の表情(カオ)。


ホラー映画さえ目じゃないくらいの怖さだった。


「……あなた、聞いていましたよね?」


小さく僕に問われる。


「な、何のことでし―――」


「誤魔化さないでください!さっきのことですよ!!」


ピシャリと言い放つ。


手入れの行き届いた艶髪が、

意思を持ったようにゆらゆらと蠢いている。


同時に、怖いくらいに瞳孔が開いていた。


「聞いてたんですよね?見てたんですよね?


そこの所どうなんですか、答えてくださいよ!!」


声音に余裕の無さが滲み出ていた。


どうか嘘であってくれ、

そう思わせてくれ。


彼女の叫びが、

手の震えを通して伝わってくる。


「い、いえ。僕はなにも……。」


条件反射で嘘をついていた。


これが、お互いの最善の策だと思ってしまったから。


《……正直、千春さんの気持ちは痛いほど分かる。》


見ず知らずの、ましてや異性に、自分のあられの無い姿を見られた。


恥ずかしいとかそれ以上に、

不安や恐怖、悲しみが押し寄せていると思う。


だったら、この話を僕だけに留めてしまえばいい。


だから僕はしらを切った―――のだが、


「ちょ、イタいっ!」


腕がミシミシと軋みだした。


「ほんとちぎれるっ!ちぎれちゃうからっ!!」


眉間にしわを寄せ、恨みがましく見つめる千春さん。


翡翠の瞳が不鮮明に揺れていた。


「……うそ、つきましたね。」


「べ、別に嘘なんか。」


「もういいです。全部話します。」


そう言って、僕の腕を振り解いた。


「本当の私を知られた以上、もう隠す必要も無いので。」


悲しげに目を伏せ、肩を落とした。


「聖女じゃない私に価値なんて無いんです。」


千春さんが呟いた。


「こっちの私は、オタクで陰キャで人見知りのどうしようも無い人間。


きっと皆さん幻滅するし、離れていくんですよ……。」


「そんなこ―――」


「そんなことあるんですよ!」


キッパリと言い放った。


「だから日々バレないよう、演じる努力をしてきた。


今の生活を守るために必死だったんです!!」


ブレザーの裾を握りしめ、彼女は叫んだ。


胸の内がヒシヒシと伝わってくる。


「だからお願いです、小鳥遊さん。」


苦しそうな顔で、胸に手を当てた。


「ここであったこと、誰にも言わないって約束してください……。


でないと今から―――」


千春さんは一歩後ろへ下がった。


その背中が、屋上のフェンスに触れる。


「あなたの前で飛び降ります。」


空気が震えた。


「……へっ?」


冗談には聞こえなかった。


その証拠に彼女の瞳は、

一切の瞬きをしていなかったから。


僕は。


とんでもないことに巻き込まれたようだ。


最後まで読んでいただきありがとうございました!


面白いと思っていただけましたら、ブックマークや評価で応援していただけると励みになります!


今後ともよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。