44話 星屑の弾丸
体育祭回です。
果たして優斗の必殺技(?)は炸裂するのか。
そして千春の応援は届くのか。
よろしくお願いいたします。
『これより第49回、北央高校体育祭を開式いたします。』
選手代表によるアナウンスがグランド中に響き渡る。
途端に生徒たちの空気が変わり、今日という日に浮足立っていた。
「優斗、今日のコンディションはバッチリか?」
各自解散し始める中、雅之が声を掛けて来た。
「そうだなぁ……。」
もったいぶってから、
「控えめに言って最高だよ。」
と言い切った。
「それを聞けて良かったぜ。今日のリレー絶対勝とうな。」
「あぁ、もちろんだとも。」
差し出された彼の右腕に僕の左腕を重ねた。
互いにコツンっと、ぶつかり合う。
「早速クラスの応援行くか。」
「だねっ。」
雅之の後に続いて、一種目目の応援に向かうのだった。
***
「しっかし千春さん、やっぱ圧巻だったわ。」
「だね。無双しててビビったよ。」
先ほどの短距離走を思い返しながら呟く。
僕らのクラスの走者はもちろん千春。
「スポーツ万能とは聞いていたけど、まさかこれほどとは……。」
「しかもうちのクラスの個人種目、大半は千春さんが出てるしな。」
「良く疲れないよな~。僕ならキツくて多分死んでる。」
「リアルフィジカルギフテッドってとこか? きっと本職の連中涙目だろうな。」
一緒に走った人の中には、現陸部のエースや期待の新星らしき人もいたとか。
にもかかわらず、彼女達を差し置いての一位。
「すごいよ、ほんとに。」
「だな。」
『次の種目は、男子玉入れ―――』
「僕らも負けてらんないよね?」
「おうよ、ちょっくら本気出すとしますか。」
「強キャラ感出てる~。彼女に良いとこ見せてやろうよ。」
「フッ、そのつもりだっての。」
不敵な笑みを浮かべる雅之に続いた。
ふと、入れ違いに戻ろうとしていた千春と目が合った。
すると彼女は、
「が ん ば っ て。」
っと、口パクで告げてから、僕だけに見えるようガッツポーズしていた。
《ったく、千春ってば……。》
無意識にほおが緩んだ。
「ん? どうした優斗、行かないのか?」
「いやなんでもない。すぐ行くよー。」
そう言いつつ、一瞬千春に目をやった。
『なぁさっき、千春さんが俺のこと見てた気がする。』
『寝言は寝てから言うんやな。多分あれはワイを見てたんや。』
『いいや俺!』
『ワイ!!』
『小生でござる!!』
『『なんか増えてる!?』』
後ろの男子がどうも騒がしかったが、気にせず僕らの持ち場に着いた。
周囲のざわめき。
ピストルを鳴らすまでの張り詰めた空気。
その全てが僕らのテンションをぶち上げる。
玉とカゴの距離、およそ数メートル。
僕の必殺“星屑の弾丸”(スターダスト・バレット)の射程圏内だ。
足元の砂をジャリっと鳴らす。
『それではみなさんっ! よーーーーい。』
パァンッ!!
「喰らえっ!! スターダスト・バレェェェェッ―――!!」
開幕と同時に、僕の第一投が放たれた。
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