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君を知って、恋を知る ~学校一の聖女様と秘密の同担オタクライフ~   作者: 浜焼き三太郎
第2章 君と駆ける

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41話 私は知りたい。

皆さんこんにちは。浜焼き三太郎です。


最新話を更新しました。


今回は千春がなぜ優斗のことをあれほど心配していたのか、その理由が明かされます。


一方で、優斗もまた自分の抱えていた思いと向き合うことに。


「知りたい」と言って踏み込んでくる千春と、なかなか本音を言えない優斗。


少しずつ距離を縮めていく二人を楽しんでいただければ幸いです。


それでは今回もよろしくお願いいたします。


「ちょっ、千春さん!」


慌てて周りの人達が誰も見ていないのを確認する。


前の二人は相変わらずで、それ以外は大丈夫そうだ。


「……千春。その、顔上げてよ。」


ゆっくりと顔を上げた。


真っ直ぐ僕を見つめている。


「……いきなりどうしたの?何の話?」


出来るだけ声を抑えて聞き返す。


「今日の練習中のこと。その、優斗君の前で声を荒げちゃって……。」


「思い出した。あの時のことか……。」


黙ったまま頷いた千春。


「気にしなくていいよ。あれは僕が悪かったし。」


「でも……。」


「心配してくれたんでしょ?」


そう言って笑いかける。


けれど千春は下を向いたままだった。


数秒の沈黙の後。


「……昔。」


「妹が熱中症になっちゃったことがあるの。」


ポロポロと千春が言葉を落とした。


「夏休みに私と一緒に遊んでたらあの子、急に倒れちゃって。」


表情に少しずつ影が差していく。


「そのまま救急車で運ばれて、軽い熱中症だって診断された。」


「……。」


「幸い、命に別状はなかったんだけどね。」


千春は、明らかに無理して口角を上げていた。


「でも……。」


唇を嚙み締めるように固くつぐんだ。


「今でも……怖いんだ。


身近な大切な人が、目の前であんな風に倒れちゃうんじゃないかって。」


手の震えを抑えるように、もう片方の手でギュッと掴んでいた。


暗がりの夜道でも、千春の顔が青ざめて見える。


僕は強い罪悪感に駆られた。


《僕のせいで、彼女にあんな記憶を思い出させてしまったなんて。》


「僕は、なんてことを。」


彼女の不安が伝染したように、僕の指先も震え始めた。


「千春……本当にごめん。」


「いえ。そこはほんと、私が心配性なだけなので……。」


「でも―――」


「それよりも。」


青ざめていた彼女は、今度は不思議そうに首を傾げた。


「どうしてあんなに頑張っていたの?」


「えっ?」


「……様子、変だった。」


そう言われ、返答に詰まった。


なにせ、千春のことばかり考えていたとか、

離れていくのが寂しかったとか言えないし、どうするべきか。


「僕、疲れるの大好きで―――」


「嘘、教室で苦手だって話してた。」


「体育祭のモチベが……。」


疑わしそうな目で見られた。


こうなるともう、たじたじである。


「優斗君。」


「……はい。」


「本当のこと言ってほしい。」


至近距離で彼女のエメラルドみたいな瞳に見つめられて、全身が熱暴走を起こしそうだった。


不思議な引力があるのか、目が離せなかった。


「いやそれは……。自分が小さく見えるって。」


「優斗君の器が小さいのなら、私はミジンコ以下だよ?」


「僕自身でも何言ってんだって話だから……。」


「そうだとしてもっ!」


彼女が更に距離を詰めてきて、僕は堪らず仰け反った。


「私は知りたい。君の悩みを、本心を。」


僕の手を千春の掌が包み込む。


「だってそれが、オタ友……でしょ?」


「っ。」


胸に波紋が広がった。


彼女の言葉が、その温もりと一緒に胸の奥深くへ沈んでいく。


いつまでも消えそうになかった。


「ふぅ~……。」


観念して大きくため息をつく。


「千春。その、距離が……。」


「あっ?! ご、ごめんっ!!」


慌てて手を放した千春。


名残惜しそうに自分の手を見つめた気がした。


……多分、見間違いかな?


ひとまず、


「話すけど、もし気持ち悪いって思ったのならすぐ言ってね。潔く腹を切るから。」


「後半、すごく物騒なワードが聞こえた気が……。」


ぼそぼそ呟く千春を前に、一つ呼吸を整えた。

最後まで読んでいただきありがとうございました!


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今後ともよろしくお願いいたします。

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