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君を知って、恋を知る ~学校一の聖女様と秘密の同担オタクライフ~   作者: 浜焼き三太郎
第2章 君と駆ける

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40話 一緒に帰ろ?

皆さんこんにちは。浜焼き三太郎です。


最新話を更新しました。


今回は体育祭練習後のお話です。


気まずさを抱えたまま帰ることになった優斗と千春ですが、来栖と雅之の計らい(?)によってまさかの四人での下校に。


少しずつ言葉を交わしながらも、まだどこかぎこちない二人。


そんな中で千春の本音が少しだけ漏れてしまいます。


楽しんでいただければ幸いです。


あの後も1時間ほど練習した僕ら。


日も暮れてきたころだったので切り上げて帰ることにしたのだが。


「あれ~? 二人とも今から帰り?」


校門を出たところで、後ろから声を掛けられた。


暗い中振り返ると、校門前の外灯に照らされた二人の少女がいた。


「おっ、来栖に千春さん。そっちも今帰りか?」


「そうだよ~。駅まで一緒に帰るの。」


「へぇ~、なるほどねぇ。」


チラッと、雅之が僕を見た気がした。


「なら俺らも一緒していい?」


「えっ?」


「はぁ?」


僕と千春が声を上げたのは、ほとんど同時だった。


「だってよ~、せっかくのクラ対リレーのメンバーどうし交流しなきゃ損じゃね?」


「だろ、来栖?」


そう言って、来栖さんを伺った雅之。


「ウチは全然いいよ~、千春っちはどうする?」


「わ、私は……。」


言葉を言いあぐねている千春。


そりゃそうだ。


来栖さんみたいな聞き方をされたら、嫌でも断りづらくなるだろ。


「……大丈夫、です。」


「よっしゃ~。」


その場で飛び跳ねて、腕を振り上げた来栖さん。


「千春っちからのオッケー出たことだし、とっとと行きますかっ。」


彼女の一言を皮切りに、僕ら四人での下校が始まった。


***


「でさ~、蒼ブレの主人公が―――」


「そのシーン激熱だったよな! 俺、涙止まんなかったぜ!!」


前を見ると来栖さんと雅之が、絶賛蒼ブレの話題で盛り上がっていた。


それに比べて僕らはというと。


「「……。」」


お互いに無音の状況が続いていた。


さっきの一件があったからか、あるいは色々と僕が緊張しているからか。


話題も振れず、口は縫い留められたみたいに動かなかった。


《何かしゃべらないと、でもどうしたら……。》


そう思って、千春の顔を盗み見ようとした時だった。


「あ……」


不意に目が合う。


僕が見るより先に、彼女の視線がそこにはあった。


それから気まずそうに彼女が目を逸らす。


「……千春さん?」


「す、すみませんっ。そんなじっくり見るつもりは無かったのですが……。」


恥ずかしそうに顔を逸らしたまま、早口で千春は言った。


「え? もしかして、顔になんか付いてた?」


「い、いえ、特には……多分。」


「その反応、逆に怪しいんだが……。」


慌てて持ってきていたタオルでガシゴシと顔を拭く。


拭き終えても、千春の反応は変わらない。


「そうではなくて。その……眼鏡、外してるんだなって。」


人差し指で目元をトントンと叩きながら、彼女は言った。


「朝からずっと掛けていたので、気になってて。」


「あぁ~、そういう事。」


ようやく合点がいった。


「オーケー、ちょっと待ってね。」


ガサゴソとカバンの中を漁って、四角いケースを取り出した。


カパッと開ける。


「邪魔になるから、練習前に外しておいたんだよ。」


取り出した眼鏡をそのまま掛けた。


「にしても良く気付いたね。いつもとそんな違和感無いから、大抵の人は気付かないよ?」


「それは……。」


千春は人差し指同士を気まずそうに突き合わせる。


唇をきゅっと結び、もじもじと足元に視線を落とした。


「……普段から優斗君のこと見てるからで―――って、今のなしっ! 忘れてください!!」


余程恥ずかしかったのか、顔の前でブンブンと手を振る千春。


その様子にあまり深くツッコまないようにしていたのだが。


《いや、深い意味はないよな。きっと。》


考え込んでいると、前方から視線を感じた。


「ん?」


顔を上げて見てみると、そこには先ほどと同じように話し続ける二人がいた。


「でさー、その時のシーンが。」


「ソッカソッカ。ソレハ、メッチャスゴイヨナ。」


《見間違いか? 一瞬、にやけた二人がこっちを見ていた気が……。》


「……ねぇ、会話めっちゃ棒読みじゃんっ!」


「……し、仕方ないだろ。こういうの初めてなんだし。」


「……バレてたらどうすんの?!」


「……。」


二人の様子が気になったけれど、今はそれどころじゃない。


「千春さんっ。」


名前を呼ぶと、彼女の瞳がこちらを捉えた。


「あ、え、っと。」


《どうしよう、何を言いたかったんだっけ……。》


話を切り出したはいいものの、肝心の内容が出てこなくて焦った。


何か、盛り上がるような話題があれば―――


「あの……優斗君。」


その名前を聞いた瞬間、弾かれたように焦点を絞った。


それから前の二人が見ていないのを確認して、ゆっくりと千春が口を開いた。


「今日は―――本当にごめんなさい。」


「っ?!」


重々しく頭を下げた彼女に対し、僕は戸惑いを隠せなかった。

最後まで読んでいただきありがとうございました!


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今後ともよろしくお願いいたします。

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