↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君を知って、恋を知る ~学校一の聖女様と秘密の同担オタクライフ~   作者: 浜焼き三太郎
第1章 君を知る

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
26/73

25話 これからもあなたの傍に

コラボカフェを満喫した優斗と千春。


楽しい時間はあっという間に過ぎ、

気付けば会計の時間になっていた。


けれど、

二人の休日はまだ終わらない。


何気ないやり取りの中で、

少しずつ近付いていく二人の距離。


そんなほんの少し甘いお話です。

「お会計2580円になります。お支払いは現金、電子マネー、どちらになさいますか?」


「あ、ちょっと待ってください。」


財布を開けて中身を覗く。


1000円札が数枚。


《まぁ、細かいのは無いけれど仕方ないか。》


「現き―――」


「電子マネーでお願いします。」


僕が言い終えるよりも先に千春さんが言葉を発した。


放心する僕を置いて、電子決済は進んでいく。


―――ピッ


機械的な音声が鳴った後、無事清算は終了した。


「行きましょう、優斗さん。」


「え? あぁ、うん……。」


「ご利用ありがとうございましたー。」


女性店員さんが深々と頭を下げる中、僕らは店を後にする。


情けなくも右手には、使わなかった財布だけが残っていた。


***


「千春さん。これ、さっきのご飯代。」


そう言って、1000円札を二枚差し出した。


「そんな……大丈夫ですよ? もとより、コーヒー代のついででしたから。」


受け取らない彼女に対して、少し考える素振りを見せた僕。


「ならこれはオムライス代。それでどう?」


思いついたような表情で言いながら、1枚の1000円札を差し出した。


そこで彼女もとうとう折れたのか、


「ふふっ。相変わらず律儀な方ですね、優斗さんは。」


すらりとした綺麗な指で受け取った。


「日頃のお礼ってことで、私が払っても全然良かったんですよ?」


「だったら尚更コーヒー代でチャラだよ。」


ズボッと、バッグの中に財布を押し込んだ。


「むしろこの時間だけでも、お釣りが出るくらいだし。」


千春さんの肩がぴくりと揺れた。


「……そう、でしょうか?」


「あぁ、そうだよ。」


反射的に答える。


「千春さんと過ごせるだけで、お礼は十分だよ。」


「へ……?」


「だって一緒にいて楽しいし。他の人じゃ、こうまでならないんだ。」


気付けば、言葉は口をついて出ていた。


「だからこれからも、こうして傍に居てほしい。」


言った途端、彼女の視線が泳いだ。


耳までみるみる赤くなっていく。


そして、


「……優斗さんって、やっぱりずるいです。」


何かを呟いた気がした。


「え? 今なんて?」


「な、何でもありませんっ。」


ぷいっと、顔を背けた千春さん。


《どうしよう、機嫌を損ねるようなことでも言ったか?》


うっすらと汗が滲む。


「……あの~、千春さん?」


「……。」


沈黙が辛い。


気まずさに耐えかねた僕が視線をさまよわせていると、見慣れた電光掲示板が目に留まった。


「ねぇ、千春さん。この後時間ある?」


まだ頬を赤くしたままの彼女に、すかさず駅前のゲームセンターを指さした。


「良かったら、今から行かない?」


途端に目を輝かせた千春さん。


「行きますっ。」


返事は驚くほど早かった。


「なら行こっか。」


「はいっ。」


どこか嬉しそうな声に、思わず笑みが零れる。


僕たちは並んで歩き出した。

最後まで読んでいただきありがとうございました!


面白いと思っていただけましたら、ブックマークや評価で応援していただけると励みになります!


今後ともよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。